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【短編推理小説】五十部警部の事件簿

事件その25

四人の囚人がその夜に脱獄した。
四人はその過去からの関係を知られずに、
同じ雑居房に入れられたのだった。
その夜の嵐と落雷による停電に乗じて四人は、
隠していた鋭利な糸鋸を使って鉄格子の一部を切り取り、
その隙間から手を伸ばし、
外から鍵穴を針金を使って開錠したのだった。
彼らのうちの一人はこうした仕事のプロであった。
逃走に際して彼らは看守から拳銃を奪っていた。
四人は以下の通りである。

鎌田太郎。飯田正雄。木戸孝光。友永幸吉。

連絡を受けた五十部警部らは、
必死に四人の行方を追っていた。
彼らの一人は以前に警察官一人を射殺している。
彼らについて分かっていることは次の通りだった。

四人の内の一人がその頭目として、
狙うべき獲物や犯罪の作戦を決めていた。

顔に大きな火傷の痕がある木戸と、
頭目とは互いに反目があった。

逮捕される一週間前、
飯田と頭目とは池袋にある松風旅館の盆で大勝ちした。
その旅館は友永が経営していた。

頭目と警官射殺犯は以前に、
新宿で酒場を経営していたことがあった。

友永と警官射殺犯は少年院で知り合っていた。
 
さて、警官射殺犯は誰だろうか?

警官射殺犯は飯田。

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