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ライブ民歴=人生の半分の私が生まれて初めてペンラを振った日の話

いつぶりだろうか。見事にチケ戦全敗だった。

CD先行から参入してみたもののアプリ先行、一般まで重ねたところで一枚も取れなかった。と同時にFC先行&HP先行&プレイガイド先行に、すっかり慣れきった己の無力さを痛感する。二次元コンテンツはんぱねえ。

ŹOOĻ単独開催決定。2022年10月から放映再開したアニナナ3rd後半戦のCMにて発覚したとんでも情報直後に、即“姐さん”に連絡をとった。
要件はただ一つ。私も行ってみたい。
速攻で共同戦線協定が結ばれるあたり、お互いに戦い慣れた只の古のバンギャだった。
却説。今回のnoteにちょくちょくゲスト出演する姐さんについて軽く紹介しよう。
姐さんは長い付き合いのヲタ友であり、職場の元先輩であり、私にアイドリッシュセブンを布教してくれた熱意ある伝道師である。
実は今回、彼女が執念で勝ち取ってくれたday2のチケットのおかげで、私も現場に同行させてもらえたのだ。
不肖ワタクシ、モシュダイと折り畳みとデスボ上等な界隈の民。2次元ないし3次元のアイドルのライブが限りなく初見に近い(過去に偶然フェスで見かけたグループが数組いるくらいだ)なので前日に姐さん宅でday1の配信を見ながら、貸していただいた発光する獲物の扱い方を教わり、実際に予行演習ができたおかげで当日めっちゃ助かった。
生涯御邸宅の方向に足を向けては眠れないし、今後も不定期に彼女の好物を進呈しにお邪魔しようと思っている。

当日までの準備と言っても楽曲を聴き込んだくらいで、そんなに特別なことはしていない。私にとってはいつも通りのライブ前のルーティン。
ただし事前に姐さんちの注文品と一緒にまとめ買いしてもらったツアーグッズを開封したところで「…………推し色の小物くらい探しに行くか」と突然閃いた。しかも思いついたのが出発2日前の夕方のこと。相変わらずやることなすこと行き当たりばったりで困る。
私が現在1番入れ込んでいるソシャゲはまるで畑が違うため、この3年間は薄紫と蛸が部屋を侵食していた。
かたやアイナナは3部スタート直前から始めたマネージャーなので地味に足湯歴が長い。最推しはゲーム開始時点から変わらず小さな巨人、みんなのにいちゃんこと和泉三月。今年も彼の誕生日ガチャに備蓄しておいた石を全部ぶっ込んだ。おめでとう三月。君の未来が幸せいっぱいでありますように。
つい脱線してしまった。話を戻そう。今だからぶっちゃけるが、あの世界のアイドル界隈に突如カチコミかけてきたヒールの存在をはじめから受け入れられたわけではなかった。悪意と私情と恨みつらみをごってごてに煮詰めたような4人組が登場したばかりの頃は『え。今までも大変だったけど、これからあの世界をどうする気だ公式!!!』って戦々恐々としたことを覚えている。だって2部後半、ゼロアリーナ柿落とし〜ラストにかけてイイ感じに3グループの繋がりが芽生えてきた直後にあれだもの。転覆のさせかたが随分えげつなかったじゃないか。
本編3部、先日最終回を迎えたアニナナ3rdだけであのコンテンツを追うことをやめていたら、ŹOOĻはめちゃくちゃ嫌なヤツらで終わってしまう。でも彼らの魅力が開花するのは4人の昔話である拮抗のクオーターで、ポテンシャルが本領発揮するのは4部の中盤以降と言う緻密な作戦が仕組まれているので少しでも興味があって時間に余裕があるなら、その後の彼らが辿る物語を是非追いかけて欲しい。おかげで私は推しがもう1人増えました。

ŹOOĻはレッフェスから。リピートアフターミー。

そんなわけで序盤での言動が大変アレなせいで素晴らしくヘイトを貯めまくっていそうな、あの狂気と破壊のテトラルキアが現実世界で生ライブをやってくれる日が来るなんて微塵も思わなくて完全に油断していたのだ。

私の居住スペースに推し色のものがマジで無い。

かろうじて近似色だった私物のアウター+突貫工事の単色ネイル+季節終了で4割引だった上品なマフラー(ちなみに当日痛快に未着用のまま出かけた。なにやってんだ)をかき集めて、どうにか遠足前夜は5時間だけ睡眠の確保に成功。ツアT、ラババン、マフラータオル、アームカバーを装備したことにより完全に通常運転のライブ民になった。
頼む。違和感仕事してくれ。

アイナナ界2人目の推し・棗巳波をよろしくお願いします。


時間通りに到着した姐さんの車にて、そのまま片道3時間強の音速ドライブに出発。道中ひたすら爆音を響かせながら『会場は声出しNGだから今のうちに暴れとこうぜ!』を大義名分にして拳を上げまくった。生音に慣れ過ぎている民族、先を見据えた暖気運転が大概ばっちり過ぎる。おかげで早めの昼食に寄ろうと思っていたSAは大はしゃぎしたせいで完全に見落とし、気持ちよく後方へ去っていった。大丈夫。ランチは高速降りてから、ちゃんとゆっくり食べました。

ラルクの20周年記念2daysぶりに降り立った味スタ近郊。2日間ずっと雨に降られっぱなしだったけどセトリ最高だったなあ、なんて遠い記憶を呼び起こしながらコインパーキングから会場までの僅かな道のりを歩く。最寄り駅から真っ直ぐ伸びたメインストリートを埋め尽くす、各々の推しが丸分かりで明らかに目的地が同じ群れ。高まらないわけがない。
それにしても綻んだ花までうとうとしていそうな随分と温かい日だった。春が遠い私達の故郷では2月に梅は咲かないのだ。

オーディエンスの戦闘服は軒並み黒く(心の底から安心する)ステージ上だってどことなく治安が悪く荒んでいるのに、はちゃめちゃに格好いい2時間半。
今改めて思い出しても最高以上の言葉が出てこない。
この3年間で奪われたMCで笑えないことと大声を出してリズムにのれないことは、もはや私にとって別段ストレスではなくなっている。コロナ禍のおかげで音楽をただひたすらに全身で感じ、純粋に愉しむスタイルがすっかり定着したからだ。おかげで雑音に邪魔されずに4人の歌声を堪能できた。
応援ツール兼コミュニケーションアイテムでもあるペンライトの有効性に直に触れ、次があれば自分用に1式揃えねばと決意を新たにした。
ソロ曲リミックス(音源売ってください)も合間合間のパフォーマンスも世界観にしっかり寄り添っていて実によかった。
とんでもない偶然で両隣4軒、ほぼ見知らぬもの同士全員推しが違うと言うミラクルが発生したがためにササゲロの台詞チェンジで順繰りに膝から崩れ落ちていった光景は笑い話でいいと思う。いやー……生演技の破壊力むちゃくちゃですね。とてつもないご褒美でした。ありがとうございます。ありがとうございます。
その後、バンドスタイルで供されたBLACK TIGERで完全にブチ上がりアンコールまで嬉々として完走。感想は『終わってみれば体感2分の極上エンターテイメントだった』に尽きる。全力全開で楽しかった。いつの間にかすっ飛ばしていた公式製・布のアームリングは後ろの席のお嬢さんに見つけてもらっていたため無事に連れ帰ることができた。その節は声をかけてくださって本当にありがとうございました……!
終演後、アドレナリンがどっぱどぱな我々は非常にあり得ないテンションで来た道を快走し、その晩のアニナナ放映時間にしっかり間に合ったことだけ報告しておきます。
我が家から片道208km。うん。やっぱり姐さんのドラテクすげーや。2日間、たっぷりどっちゃりお世話になりましたあっっ!!ありがとう!そして、ありがとう!!

後日談として。
未だに雪が消えない我らがホームに戻っても数日間、ものの見事に余韻を引きずることになり、私の中でŹOOĻは2次元の偶像から実在するアーティストにしっかり格上げされた。長々と2次元オタクとライブ民を兼業しているけれど、こんな経験初めてだ。昔なら歌詞カードがボロボロになってCDに傷がつくまで延々と聞いていたけれど今ではサブスクでいつでも手軽に摂取できてしまうからね。いやはや。すごい世界になっちゃったな。

ノーミュージック、ノーハッピーライフ。これだからライブもオタ活もやめられない。