Dye the sky.
こんにちは、Re:eです。
今回は僕のDJに関しての話です。
普段僕は自分のDJに関する事はほとんどアウトプットしないようにしているんですが、今回だけは形に残さないといけないなと思いましたので、ただただ自分の思いの丈を吐き出すだけの格好の悪い記事ですが、僕自身が今のこの気持ちを忘れずに持っておくために書き残しておきたいと思います。
先日優勝者が発表されたADMIXX01。
ADMIXX01はインターネット上でアニソンやサブカルチャー楽曲の総称であるA-POPを繋いだDJ Mixを募り、その中で最も"アド"なMixを決定する企画。そこに今回僕もMixをエントリーしました。
周囲のDJからもそんな企画があると言う事は度々耳にしていましたし、昨今のリアルでのDJイベントが開催できない情勢下の今、素晴らしい企画だなとは思うものの、最初は自分が参加する気は全くありませんでした。
というのも僕はそれ以前に全国区のアニソンDJ公募企画で2回連続で2番手や最終選考止まりで優勝を手にできなかった事が続いていたので、またあの悔しさを味わうかもしれないという事が頭をよぎり、なんとなくADMIXX01の話題を深く聞かないようにしていました。
1回目に優勝を逃したのはRe:animation10のアニソン原曲部門の公募企画。当時DJをふわっと始めて半年ぐらいであまり人前に立つ事もなかったので、腕試しとして当時の持てるテクニックの全てを使って臨みましたが、結果は2位。
やった!と振る舞う反面、悔しくて仕方がなくてそこから知り合いが他のDJに紹介してくれる時も『こないだのリアニの公募で2位だった人』と言われるのが本当は歯痒くて恥ずかしくてたまりませんでした。
そこから2〜3年はただ自分のDJのスタイルやポリシーを見つめ直し、DJの技術を高めていく事に専念しました。
そして昨年末に参加したかっこいいアニソンがかかるイベント公募企画。
結果は最終選考8人内。
勝ち取ったDJが3人いた中に入れなかったのはリアニ10で2位だった結果よりも下という事。
これはこたえました。
数年間2位と呼ばれ続けたからこそ勝てない悔しさを知っているので、勝てなければ何も意味がない。結果を残せない自分の惨めさでしばらくDJ仲間に会いたくないぐらいには落ち込みました。
それと同時にまた自分がどういうDJでありたいのか向き合ういいきっかけにもなりました。
自分がなぜDJを始めたのか、そのルーツを思い出した時に僕がアニソンでDJを始めるきっかけとなったのが、謎のかずきXさんがUpしたこのMix。
謎のかずきXさんとは以前バンドをやっていた時に対バン相手として出会ったのですが、当時はアニメが好きな友達が周りにおらず、僕はひっそり毎クールアニメをチェックして楽しんでいました。
そんな中彼は初めてできたアニメの話ができる友人で、僕がやっていたバンドが解散して何もやる事がなく、家で1人アニメを観ることだけが生きがいになってしまった時にこのMixをなんとなく聞かせてくれたんですが、その時、自分の知っているアニソンがめくるめく入れ替わり、一つの時間を紡いでいる事に今まで感じた事のない底知れない感動を覚えた事を今でも覚えています。
当時DJというものが一体何なのか、何をやっている人なのか微塵も分からなかったし、今ほどアニメを見てはいなかったのですが、そんな僕でも知ってるようなアニソンが交互に重なっていくワクワク感が忘れられず、そこからアニソンのDJイベントにも足を運ぶようになりました。
それから色んな知り合いができたし、デカい声で推しの名を叫ぶ人、音のままに自由に体を揺らす人、オタ芸を打つ人、静かに楽しむ人、一人一人様々なアニソンの楽しみ方がある事を知って次第に自分もDJを始めてみたいと思うようになりました。
リアニ10の公募で負けた時にもこの時の事を思い出して、自分がどういう気持ちでアニソンをDJプレイしていきたいかの方向性がすでにはっきりしていました。
"自分のエゴは最小限に、可能な限りそのフロアにいる人たちがノーストレスにみんなが知ってるようなアニソンを楽しむためのプレイ"
そこだけを磨いていこうと決めました。
正直僕にはとんちの効いたワードプレイをポンポン思いつくような頭の回転力はないし、作品や楽曲よりもDJ自身が前に出るようなテクニカルなプレイが好みではないので、目立ちはせずとも水のように流れながらもドラマティックに、ライトなオタクもディープなオタクもその場にいる時間と空気感を楽しめるようなプレイをしていこうと決心しました。
精密なEQコントロールや出音をフラットにする音量の調整、ハーモニックミキシング。ものすごく地味な事だけど自分の理想とするDJプレイのためにそこだけを磨いていきました。
全部とても難しいくせになかなか評価はされないけども、僕がアニソンでDJをやっていて1番面白いと感じる所はそんな難しさです。
一口にアニソンといってもアニソンは様々なジャンルを網羅してるし、アニソンの大半は音数がとても多いので普通にMixをしようとすると、音が大渋滞してバカうるさくなってしまいます。
楽曲ごとに音数が1番少ないポイントを把握して、いかにみんなが知ってるようなアニソンでミニマルに、そしてドラマティックにミックスしていくか、そこに文脈的な関連性をいやらしくなく含ませていくか、そこをひたすら突き詰めていきました。
2回も悔しい思いをして、時には『Re:eの選曲は面白くない』『個性がない』と言われる事もあったけど、自分のやってきた事は間違っていない。そう信じてこれからもDJを続けていこうと決心した直後に目にした今回のADMIXX01。
募集終了1週間前ぐらいにちゃんと内容を見て、逆になぜか闘志が湧いてきました。この逆境下の自分が今この瞬間どれだけの結果を残せるのか試したくなってその日の仕事中に選曲し、昼休みにREC。夕方急いでその日のうちにMixをアップロードしてエントリーしました。
衝動的に録ったMixでしたが、自分が今まで突き詰めてきたものが全て詰まっている自信がありました。
そして先週発表された結果はBEST10内。
それが何位だったのかはわからないけど、またか、またかと正直自分でも驚くほど悔しかった。
ADMIXX01で負けた事、というよりもこれで全国区のアニソンDJの公募イベントで3回連続で2位や佳作止まりだった事が、自分の中で本当に悔しくて悔しくて、しばらくその事ばかりが頭から離れませんでした。
そして今さっきまで勝てなかった自分に苛立ちを感じながら自分のDJのスタイルはやっぱり違うんじゃないかと迷っていた時、なんとなく再生したアイドルマスターシャイニーカラーズの『Dye the sky.』。
ハッとしました。
限界なんて本当はそこにない
覆せ、自分さえ
顕在せよ過去を超えてく光
この空を染めるほど強く
誰よりも、何よりも
昨日の私を打ち破って
烏屋茶房さん作詞のこの歌詞。
もともとサウンドやコード感がとても好きな曲でしたが、歌詞をしっかりと聴いてここまで力強い生命力のある曲だったとは思いませんでした。
まさに今の僕に必要な曲。こんなタイミングにこんな曲に出会うべくして出会うものなんだなと。
ボロボロに泣いたし、また自分の原点に立ち返って色んな事を考え直しました。
アニソンのDJという狭い世界の話だけど、若さを捧げたバンドで結果を出せず、それでも自分がまさか踏み込むとも思わなかったこの世界でまだ何とか音楽に関わるものに夢中になれている事。
そして自分の中で揺るぎないポリシーと情熱を持てている事。
悔しい思いをする事もあるし否定的な事を言われる事もあるけど、今まで自分の中で築き上げてきたものを信じて過去の自分を超えていく決心ができました。
もっと当たり前の曲で自然と体が弾み、以前の僕のような人にもこのアニソンを繋いでいくDJパーティーの面白さを知ってもらえるような誰よりも鮮烈に圧倒する力を磨いていきます。
そんな前に進む力をくれたDye the sky.はこれから間違いなく僕の人生で大切な1曲になるでしょう。
そして今回のADMIXX01、運営のみなさん。
113作のMixを聴くという事は本当に大変だと思うし、この情勢下でこんなに盛り上がる企画に参加させていただき本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
そして僕のMixを聴いてくれた方、コメントしてくださった方、本当にありがとうございました。
そして何よりマイメンろーるすこーくん、優勝本当におめでとう!!
早くこの情勢が落ち着いて祝杯を上げたいね。
こんなとりとめのない記事ですが最後に、今何かに行き詰まっていたりする方がもしこの記事を見ているなら是非Dye the sky.を聴いてみてください。
それではまた。
Dye the sky. / シャイニーカラーズ
色あせた写真、メモリー
幸せな時間、軌跡
思い出の中の私
けど既に他人みたい
あの時の自分じゃない
色合い、願い、アイデンティティ
変わってしまったと
誰かが言うだろう
前へと進む度
だけどもう、遠慮なんていらない
誰の定義でもない
私であれ
限界なんて本当はそこにない
覆せ、塗り替えて
顕在せよ過去を超えてく光
この空を染めるほど強く
誰よりも、何よりも
昨日の私を打ち破って
ありふれたシアン、キープレート
マゼンタ、イエロー
焼き増しされたような日々
そこに輝きなんてない
そこに意味や価値はない
低解像度な偽物だ
十人十色の
誰かの筆あと
混ざりあう世界の中で
さぁ、誰よりも鮮烈に
キャンバスを裂くように
叩きつけろ
未来なんて実はどこにもない
描きだせ、自分の手で
現在だけが存在の証明
刻み込め昨日より強く
その青は空よりも澄んでいるか?
その赤は夕焼けを焼き切れるか?
月よりも、星よりも、夜を穿て
Dye the sky in my hue.
限界なんて本当はそこにない
覆せ、自分さえ
顕在せよ過去を超えてく光
この空を染めるほど強く
誰よりも、何よりも
世界の全てを打ち破って