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もう時効なので書くよ #025 来日した人に惚れられた話 Sheila Majid
ワーナーミュージックには香港支社がまとめているアジア各国の支部があります。私が在籍していた日本マーケットが世界2位だった頃は、日本は米英国直轄だったのですが、丁度退社する2001年頃に香港傘下(Report to Hong Kong)に入りました。今はドウナンダロ?
それはともかく、アジア諸国の中でヒットしているエリア・アーティストを各国の支部から売り込まれ日本盤を出すこともたまにあり、このシーラ・マジッドもその類でワーナーミュージック・マレーシアからの話でした。とはいえ、彼女が日本に紹介されるのは初めてではなく、以前、東芝EMIからPlanet Earthというアジア諸国の音楽をリリースするレーベルで1枚アルバムを出し、1989年の東京音楽祭にも出演していました。
実は私、ワーナーミュージックの前職が東芝EMIで、当時彼女のアルバムを大層気に入ってセールスに励んだものです。そんなご縁もあり、彼女の1995年のニュー・アルバム発売タイミングで来日プロモーションが決まると、宣伝担当を買って出ました。
マネージャー兼付き人といった華奢な男性スタッフと二人で来日した彼女は、当時既に結婚して子供もいましたが、持ち前の可愛らしさの中にも知的な雰囲気があり、外交官の娘という育ちの良さが振る舞いにも出ている素敵な女性でした。男性マネージャーも含め意気投合した我々は、空き時間にも色々なお喋りをしていました。
「マレーシアでは旦那様は絶対なの。うちも主人が帰宅するともう王様のように扱うわ。靴下だって自分では脱がないもの。」
「うわーっ、スゴイね!」
「でもね、何か欲しいものがあるとするじゃない?例えば私が"あなた 、新しい洗濯機が欲しいわ!”って言ったら、旦那は何があってもそれを買わなければいけないの」
「な、なるほどぉ」
すると男性マネージャーが割って入って「そりゃぁ、そうよ。女性のおかげで男性は働けるんだから!ねぇ?」と何故か私にウインク。
そんなある日、テレビの取材で都心名所を車で回りながら撮影をする企画があり、一台目の車にはTVクルーと私。もう一台には本人、男性マネージャーと、ハンディカムでプライベートショットを撮る役目を仰せつかった担当ディレクターが乗り込みました。ロケの合間に渋谷で休憩している時、担当ディレクターが「ツモさん、これ観てよ!」と笑いながらハンディカムのモニターをON。
<移動中の車中で撮ったビデオが流れる>
担当ディレクター 「日本のスタッフの中に好きな人が居るんだって?誰?」
男性マネージャー 「えぇっ!言うのぉ? Shu…SHUJI♥」(顔を赤らめうつむく)
→担当ディレクター、シーラ・マジッド爆笑!
きゃぁー!あのウインクは、そういう意味だったのか!?帰国のお別れの時、"彼"からマジで涙を流されました…。
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