「精神科に入院中短歌を詠んだ その6」について
今回の「精神科に入院中短歌を詠んだ」は私の経験を書きました。病気がマックスに酷かった時なので記憶が定かではなく、今覚えていない部分もあり、おぼろげなところはそのまま「わからない」「のようだ」という風に書いてあります。今後も短歌だけではなく、ときおり当時どうしていたかを交えて書き進めていこうと思っています。
入院して投薬治療を受け、少し病状が落ち着いたころには短歌を詠み始めていました。それと同時に、自分の病気への理解も深めるため院内で勉強する機会も持つことができました。精神疾患全般に言えることかもしれませんが、何より本人が病識を持つこと、まずは「自分は患者なのだ」と理解し治療を拒まないことが、病状が良いほうに向かう糸口だと、回復途中の私は感じています。ですがこれはそれほど簡単なことではありません。
私のかかっている病気「統合失調症 とは」でグーグル検索すると次のように出てきます。厚生労働省のサイトから引用します。
統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気です。 そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。 統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。 陽性症状の典型は、幻覚と妄想です。
これだけでは何のことなのか当事者以外にはわかりづらい説明だし、陽性症状で必ずしも妄想と幻覚が出るとは限らないので、この説明がスティグマにならないかと心配になりますが、そのことについても私個人の場合ですが、おいおい当事者側からの視点で説明していこうと思ってます。
私がマックスに病気が酷かった状態は、病気の4段階のステージに照らし合わせると「急性期」と言われる状態でした。
統合失調症ナビからの引用です。
https://www.mental-navi.net/togoshicchosho/understand/stage/
統合失調症の症状の現れ方や経過は人によってさまざまですが、一般的には、前兆期、急性期、休息期、回復期のという4つの段階で経過し、それぞれに症状は異なります。
入院するまでの経緯はまた折を見て書こうと思っていますが、私の場合は入院前の2年近い期間にわたって統合失調症の症状が現れていました(前兆期)。しかし判断力が皆無ではなかったので仕事を続けどんどん状態が悪化、家族と同居していましたが誰も、当人の私も、病気であることに気づきませんでした。そして急性期にまで進行したのです。
精神科の救急外来に運ばれ初めの治療を受けた後、両親に説明するときに医師は「発見が遅れた」と言ったそうです。これは私が病前の生活元通りに暮らすことができないことを意味します。ですが私の場合は発見が遅れ大ごとになったために、かえって相性の良い医師や病院スタッフに恵まれたと感じています。前兆期の時に気づいて違う病院にかかっていたら、おそらく今の私はありません。
私の場合は入院してすぐに観念してしまったというか「精神病院に入院したからには、もしかして一生出られないのかもしれない。あがいてももう自分にできることはない、医師に任せて療養するしかない」と思ってあきらめてしまったので、治療がスムーズに進んだともいえます。しかし周りの病気仲間を見ているとみんな生きることをあきらめていません。精神障害者ではありますがそれに甘んじようとはしていません。もしかしてそれは治療を妨げるかもしれませんが、ひとりの人として生きるという意味合いで彼らのほうが正しいありようなのかもしれないと、私はいつも思います。
そうしたことも書いていければと考えています。
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