🍀夏のnote俳句公園│優秀賞六句🎊おめでとう!!🎊
お待たせいたしました。前置きは少なめに。
前回告知いたしました通り、ここに
優秀賞六句の発表と講評を掲載いたします!
わーい‹‹\(´ω` )/››‹‹\(´ω` )/››‹‹\(´ω` )/››わーい
受賞句を詠まれた方々のnoteも、どうぞご覧下さいませ✨
それぞれ気になる記事を、併せてご紹介いたします🤗
・・・
優秀賞六句
保護猫と里親集ふ夏座敷
てまり
きっと保護猫の譲渡会か、譲渡後の懇親会のような集いなのである。
それぞれお世話する猫の近況報告も兼ねているである。
元気な様子ばかりじゃなく、病気や怪我の相談もあるだろう。暑さもこたえる季節だ。
でも何しろ会えてよかった。と、聞こえる。
みんな無事でよかった。と、聞こえる。
この夏座敷に会した一同の笑顔が見え、声が聞こえるのは、作者てまりさんが俳句の形式をよく学び信頼しているからだ。
確かに他に何も書かなくても大丈夫なのだ。
和気藹々とした座の雰囲気、それが何の引っかかりもなく伝わることが重要だと、作者はよく分かっている。
人と猫の幸福を祈っている心が真っ直ぐに伝わった。極めて気持ちのいい夏の俳句だ。
(✨気になる記事✨⤵︎ ︎)
痩せ猫を拾ふ逢坂蝉丸忌
晴田そわか
痩せ猫と蝉丸忌、取り合わせの一句。
作者そわかさんは、どんな時も俳句と猫への親愛が尽きないのだろう。
この人は芸術的文化と現代に会うことの叶わない天才への憧れを、自分の俳句世界に置き換えて表現することができる。
十七音の中に小さな物語を美しく収めた。
この力は、積み重ねた修練の賜物だと思う。
蝉丸の忌日に痩せ猫を拾う、この場所が逢坂であればドラマにならない訳が無い。
琵琶の旋律が流れ出すようなドラマだ。
拾われた猫は、風雅な美猫であろうか。
少しうす汚れた野猫であっても絵になろう。
(✨気になる記事✨⤵︎ ︎)
すこやかに猫生まれしと青葉雨
ヒスイ
猫の新生と雨・水の配合は不安なくなじむ。
この句は初見で「生まれしと」が気になった。「生まれよと」「生まれれば」などの方が良いのではないかしら、と。
しかし元句のままが不思議に魅力を感じる。
よくよく目を凝らして気付いた。
「しと」は雨のオノマトペになる。
「猫生まれ」…しとしと、降る青葉雨なのである。この解釈が可能なヒスイ猫句の誕生は、偶然としたら奇跡の福音ではないか。
晩春から初夏へ移り変わる気配が生まれた。新しい命をことほぐ、青葉雨の愛が香る。
(✨気になる記事✨⤵︎ ︎)
夕焼けに飲まれて猫の影探す
西野圭果
迷子の猫を探す主だろうか。
顔見知りの野良猫に会いたい気持ちか。
なかなか見つからず、その場に立ち止まる。
すっぽりと夕焼けに飲み込まれて。
だが諦めはしない。また辺りをうかがう。
伸びた影に、手がかりがありそう。探そう。
素直に鑑賞すると、ショートドラマになる。
一方で、想像を膨らませるとこの句は鎮魂歌なのではないか、とも思える。
愛猫の霊魂と交わりそうな逢魔が時だ。
いずれにしろ、悲壮感は微塵もない。なぜかと言うと、求める対象が猫の影だからだ。
猫は世界に実在するが、ふらりと消えることもあるファンタジーの中の住人(住猫)であり、創作においては不在時にもハッピーエンドを期待させる。
文学的絵画的に解釈し、分析するほど、この一句はとても面白い。噛むほど味が出る詩だ。
(✨気になる記事✨⤵︎ ︎)
昼寝より覚めても猫はまだ寝てる
永田千春
あるある一句。先行類想句はありうる。
しかしこの極めて高いリアリティ性は入賞に値する。
人の目覚めと猫の眠りがループする構造は、近代的な掌編小説の世界を垣間見るような読感。
夏目漱石が微笑みそうな世界観だ。
(太宰治はどんな反応するかわからない)
ほっこりさせる一句、それだけに留まらない力があることは間違いない。
「覚めても」からの「猫はまだ寝てる」の言い切りが特にナイス。
文体に愛らしいいたずら心が滲み出ているようにも思えて、非常に好ましい。
俳句は個性を嫌う派も多いが、個性を十七音の中に表せる素質者こそ新風となる。
この句は新風を起こす未来の詩人のつぶやきかもしれない。
(✨気になる記事✨⤵︎ ︎)
夏休みサイドシートに猫を乗せ
瑠璃星
何の説明も要らない。完全に読者に伝わる。
季語・夏休みにはワクワク感が詰まっている。
この句において出かける準備はすべて整っているのだ。出発直前。
あとは愛猫をサイドシートに乗せるだけ。
猫は主と旅に出ることを理解しているだろうか。しているだろう。
主がどこへ行くつもりなのかは知らないが、きっと景色の流れ出す今をワクワクしていることだろう。
エンジン音が夏休みを煽る。走り出す。
夏休みに向かって、一直線の道が開く。
(✨気になる記事✨⤵︎ ︎)
素敵な俳句をありがとうございました!!
ラブあんどピース🍀
大金賞・金賞・銀賞の発表と講評はこちら⤵︎ ︎
🐱中岡はじめさんの感想記事です。必読⤵︎ ︎
春の鳥と恋と猫の俳句もいかがでしょうか❤
(*>∀<)ノ))またねー