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3月26日はパープルデー
「パープルデー」という言葉を知ったのは、うちの2番目の子ニンタが、てんかんの治療のために4歳で入院した時だ。
てんかんは、100人に1人という、そう珍しくない病気であるにも関わらず、あまり世間一般にその実情を知られていない。偏見もある。私もこどもがてんかんになるまでは、ほとんど知識がなかった。
パープルデーは、そのてんかん患者を応援する日であり、もっとてんかんの事を知ってもらおう、というキャンペーンの日でもあるらしかった。
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ニンタの入院する病院では、3月になると病棟が紫の華やかな装飾で飾られる。長い入院生活の中で、パープルデーは桜が咲いたときのような喜びを運んでくる、風物詩となっていた。
今回の検査入院は、たまたま3月だったので、またパープルデーの装飾を見ることができた。きれいだね、パープルデーなんだね、とニンタと話したが、ニンタはまだよくわかっていないかもしれない。
色を冠した啓発活動は、他にもたくさんあって、ピンクリボン運動(乳がん啓発)とか、オレンジリボン運動(こども虐待防止)とか、有名所が数々ある。
パープルデーがどこまで知られているかわからないが、てんかん患者家族である私が専門病院へ入院するまで知らなかったのだから、まだまだ認知度は低いのかもしれない。
でも、調べてみると、パープルデーに紫のライトアップをしている場所や、キャンペーン・イベントも各地であって、こんなにてんかん患者のために活動してくださっている方がいるのだと、本当に有り難い気持ちになる。
いつも励まされてばかりなので、私も微力ながら何かをしたい、と思い、こちらで宣伝させていただく。
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てんかんの症状は人それぞれで、必要な配慮は千差万別だ。発作が長期間消失していて、日常生活に何の支障もない人もいるし、薬でコントロールできずに体調を崩す人もいる。
規則正しい生活が必須など、配慮を申し出る人には無理をさせないで欲しいし、その反対に、医師と相談して活動を広げている人に対しては、過剰に禁止事項を増やさないでほしい。
てんかんの全体像を知る、ということは専門家でもなければ難しいことなので、もし身近にてんかんの方がいたら、「あなたのてんかんは、どんな感じなの」という一例だけを知ってもらえたら嬉しいな、と思う。
何が出来て何に気をつければいいのかは、患者本人が知っている。てんかんと聞いただけで、何も出来ない危険な病気なのだと決めつけられてしまう事が、私は一番苦しい。忌み嫌うものとして遠ざけられることも、あってはならないと思う。
「わたし、てんかんなんだよ」
もう少しだけ気軽に言えたら。
何年か前のパープルデーのポスターのコピーが、これだった。
私は気軽に周りに話してしまうタイプだが、そうでない人が大勢いるのは、てんかんを勉強するうちに、最近わかるようになった。
気軽に話せるような世の中になるには、まず世間に実情が広く知られることなのだと思う。
カラフルなキャンペーンが数々繰り広げられていて、どれも重要なものばかりだけれど、私は立場上「パープル推し」だ。
パープルデーが、もっともっと有名になりますように。
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