Dr.デ・ビボを探す
先日の記事を読んだ友人から「明治乳業が開発したミルクってすごいんだね」という感想があったので、
「(知らないけども)多分、開発…はしていないかも?グルットワンは海外で見つかった病気だから、先に海外で医療用ミルクのレシピがあったんじゃないかな。それを日本では明治乳業が受け継いだ?のかな?」と、あやふやな知識で返答した。
そういえば、私はこの病気の歴史について、あまり知らない。
五年前、子がグルットワンと診断されてしばらくは、治療法(食事療法)はどうしたら良いか、これからどうなってしまうのか、そういう事で頭がいっぱいだったから。
でも、どこかに何か書いてあった気がするな、と、手元の資料をパラパラとめくってみる。
いつも子が初めて利用する施設などでは、難病情報センターの「一般利用者向け」のページを印刷してお渡ししているけれど、そこには過去の歴史について特に言及がない。ただ、このサイトには「医療従事者向け」もあって、こちらには、一行だけこう書いてある
その後、日本では2004年に報告がされたと、別の資料で読んだ。日本で初の症例報告から、まだ20年も経っていない。
私が知っているのは、これだけ。De Vivo…デ・ビボ、と読むみたいだけど。
五年も経って今更だけれども、どんな人なのか。この、グルットワンを発見されたという方は???
このドクターが居なかったら、今頃私達はどうなっていたか、わからない。私は途端にこの恩人について知りたくなって、検索した。
◇
情報は海外のサイトしかないので、そういうものを見慣れない私には、少々時間がかかった。そして検索用語をいろいろ変えながら探しているうちに、海外のグルットワン患者会が出しているDr.デ・ビボのインタビューにたどり着けた。
居た!この人が!!!
(内容は英語なので分からず、私はこのインタビューをイタリア語に翻訳したであろうサイトを、さらに日本語翻訳機能で読んだ↓)
なんとDr.デ・ビボは、新患の受付もしていて、予約の電話番号まで乗っている。
現役で患者さんを診ていらっしゃるとはー!
友人から、ニューヨークに移住しても大丈夫だねと言われたけれども、もちろん予定はない。
◇
嬉しくて、思わず日本の患者会でサイトを共有したところ、当然の事ながら、患者会の中にはDr.デ・ビボや海外の患者会についてすでに知っている方も居て、最初からこちらで聞けば良かったんだった。
でも「Dr.デ・ビボに予約できる」という事には同じく不思議な気持ちになるようで、「すごいですねー」と言い合った。
なんかこう、歴史上の人物みたいに思っていた人が、今もニューヨークで診察をしているという不思議。
そして、そうやって検索しているうちに、アメリカの患者会やイタリアの患者会のサイトも目にして、同じようなことに悩んでいる事を知った。例えば、食事療法の補助金を受けられる地域とそうでない地域があるとか。
グルットワンは、日本でも100人くらいしか居ない珍しい病気だけれども、有病率は人種や性別によって差がないと聞くので、海外でも同じく、珍しい病気なんだろう。
グルットワンは、アメリカで、イタリアで、その他の国で、どの程度認知されているんだろうか。「糖質制限が必要なんです、アレルギーとは違うんです」なんていう説明もしているんだろうか。
きっとみんな毎日頑張っているのだろう、と思う。お互いの事は知らないけれど、同じ病気というだけで、繋がっているような。そして、その事実に、なんだか励まされるような思いがするのだった。
日本で、私達親子も、地道にこの治療を続けていけますように。
それから、デ・ビボ先生、この病気を見つけてくださって、どうもありがとうございます。
Thank you , Dr.Darryl Claude De Vivo!
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