Q. 261 フロジン液はAGAに効きますか?
Q 20代の男性です。
今AGAの診断でフィナステリド(プロペシア)を服用しています。
フィナステリドはAGAの進行を止める効果だけで発毛効果はない・・とインターネットに記載されていました。
本当でしょうか?
知っている人がフロジン液を使用していますが、フロジン液には発毛効果はありますか?
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正式なものは添付書から引用しました。
フロジン外用液5%は1mL中カルプロニウム塩化物水和物54.6mg
(カルプロニウム塩化物として50mg)を含有する緑色のアルコー
ル性外用液
効能 下記の疾患における脱毛防止ならびに発毛促進
円形脱毛症(多発性円形脱毛症を含む)
悪性脱毛症,び漫性脱毛症,粃糠性脱毛症,壮年性脱毛症,
症候性脱毛症など
1mL中カルプロニウム塩化物水和物10.9mg(カルプロニウム
塩化物として10mg)を含有するアルコール性溶液(フロジン外
用液5%の1/5倍溶液)を内径1.5cmのポリエチレンキャップに
入れ健康成人の前腕にはりつけた場合,1時間後および3時
間後の経皮吸収率はそれぞれ5.4%,15.3%であった。
本剤の臨床文献をもとに集計した臨床成績は,次のとおりである。
疾患名 有効率(%)〔有効以上/総症例〕
脱毛症(円形,悪性,び漫性,壮年性等) 55.9 〔181/324〕
尋常性白斑 54.3 〔 44/ 81〕
乾性脂漏 75.9 〔 22/ 29〕
また,二重盲検比較試験の結果,本剤の有用性が認められて
いる2)3)。
2) 藤浪ら:皮膚 10(1)76(1968)
3) 伊崎ら:皮膚 10(2)237(1968)
〔薬 効 薬 理〕
本剤は,カルプロニウム塩化物水和物の局所血管拡張作用を円
形脱毛症をはじめ各種脱毛症における脱毛防止,発毛促進およ
び乾性脂漏,尋常性白斑の治療に応用した局所用薬剤である。
1.局所血管拡張作用
カルプロニウム塩化物水和物の局所血管拡張作用は,アセ
チルコリンの約10倍である(ウサギ)4)。
カルプロニウム塩化物水和物は,ヒトの指尖脈波の振幅を
増大することが認められ,アセチルコリン塗布よりも強い
皮膚血管拡張作用を示す。
2.発毛促進作用
機能低下状態にある毛嚢に作用して,発毛を促進する。
3.持続作用1)
カルプロニウム塩化物水和物は,皮膚浸透性がよく,またア
セチルコリンと異なりコリンエステラーゼに抵抗性があ
るため,作用は持続的である。
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フィナステリドに発毛の作用がないのは間違いです。
・・・すみません、訂正です・・・発毛作用はありません。
「発毛作用がないのは間違いないです」と書いたつもりでした。
申し訳ありませんでした。・・・訂正 2020-5-24
フィナステリドは脱毛予防の薬になります。
ある程度生えているんだけど、早めに抜ける「毛」を抜けないようにする・・という感じの薬です。
かなり安全なので一番のおすすめにはなります。
フィナステリドだけではどうにもならない時は別手段となります。
ドクターAはフロジン外用薬® を実際に使用した事があります。
血管が拡張するのはおそらく間違いなくて、ものすごい汗が自分の場合にはでました。 脱水になる位汗がでました。(人により程度差あるとおもいます)
普通の?(いわゆるAGA)にはそこまで効かない印象ですが、
データ的には以下の報告です。 使ってもよい・・というお言葉です。
ドクターAでした。 ありがとうございました。
皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版からです。
CQ7:カルプロニウム塩化物の外用は有用か?
推奨度:C1
推奨文:カルプロニウム塩化物の外用を行ってもよい.
解説:カルプロニウム塩化物の有用性に関して,男性型脱毛症に対する 4 件の症例集積研究と 1 件の非ランダム化比較試験が実施されている.被験者の中に女性が含まれている試験はあるが,女性型脱毛症に対する臨床効果を検討した試験は実施されていない.
5%カルプロニウム塩化物を用いた,6 名の男性被験者を対象とした観察期間 1 カ月間の二重盲検非ランダム化比較試験において,6 例中 4 例で脱毛減少あるいは発毛がみられ,有効と判断された.一方,カルプロニウムを含まない偽薬では有効例はなかった83).
10%カルプロニウム塩化物外用薬を用いた,4 名の男性被験者を対象とした観察期間77日間から129日間の症例集積研究では84),4 例中 2 例で脱毛の抑制及び軽度の発毛効果を示し,有効と判断されている.
5%カルプロニウム塩化物外用薬を用いた,5 名の男性被験者を対象とした観察期間 3 から 6 カ月間の症例集積研究において,5 例中 3 例でやや有効との結果が報告されている85).
また,1%カルプロニウム塩化物にカシュウチンキ,チクセツニンジンチンキの生薬などを添加した外用薬を用いた,30 名の男性型脱毛症を対象とした観察期間3 カ月の症例集積研究において,有効以上 20%,やや有効以上 60.0%であった.なお本研究には女性患者も含まれているが,男女比の記載はない86).
さらに 2%カルプロニウム塩化物に上記の生薬とヒノキチオール等を添加した育毛剤を用いた,75 名の男性被験者及び 11名の女性被験者を対象とした観察期間 24 週間の症例集積研究において,改善率が男性 26.7%,女性 54.5%であった87).
以上のように,カルプロニウム塩化物の外用での有用性は,現段階では十分に実証されていない.しかし,5%カルプロニウム塩化物は長年にわたり保険適応となっており,生薬との合剤を含むわが国での膨大な診療実績を考慮し,行ってもよいことにする.
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf