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Q. 253 抜け毛すごいですがAGAでしょうか?

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AGA(男性型脱毛症)専門医とのQ&A 253

Q   何気なく 髪をかきがげると、5〜10本抜ける事が結構あります。
今は塗り薬のミノキシジル製剤5%使ってますが AGA(男性型脱毛症)というものを情報誌でみました。
治療薬が内服であるようですが、ほんとうに抜け毛が少なくなるんでしょうか?

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A  季節の変動や体調にもよると思いますが、正常でも1日80から100本の毛が抜けます。

抜け毛だけで本当に病気かは難しいです。 時間を追って診ていかないとわからないと思います。

経過をおっても抜け毛が多くなっているのが確実で、薄毛の部分が生え際や頭頂部に認められて、さらに家族内に同じような薄毛の方が複数おられる場合は・・・AGA(男性型脱毛症)が強く疑われます。

AGA(男性型脱毛症)の病気はテストステロンという男性ホルモンが、
5αリダクターゼという変換酵素の働きで、DHT(ジヒドロテストステロン)というホルモンに変換され、このDHT(ジヒドロテストステロン=強力なテストステロン)が毛根の毛母細胞の分裂をおさえ、毛の成長を阻害してハゲが進行していきます。

この「5αリダクターゼ」という変換酵素の働きを阻害する薬がプロペシア(フィナステリド)です。 最近はデュタステリドというより強力な薬も販売されています。

フィナステリドは日本では2005年10月に厚生労働省により認められ、12月に発売開始となりました。

1年間使用した場合は効果は使用した方の90%に効果が認められますが(3年経過を追えばほぼ100%に近く)、内容的には現状維持も含まれるため本当毛が増えたと実感される割合は半分から6割弱なのではないかと思います。

思います・・というのは 医師側の評価と患者さん側の評価が一致しないから( かなり評価にずれがあるのは間違いないです )からです。 

髪の毛の評価は硬毛が増えたかどうか? とかいろいろな評価がありますが一定化できていないはずです。

日本人の髪の太さは、平均0.8mm(欧米人は平均0.6mm)くらいのようですが、この直径を利用して基準を決めている場合が多いのですが、この基準も標準化はできてないようです。

若い方で初期の方であれば3〜4ヶ月の服用で抜け毛が減少し、半年〜1年で髪が相対的に増えてくるのを実感される方が多いようです。
(相対的に増えた・・と書きましたが、実際には増えたのではなく、抜けなくなったので以前と比べると減らなくなって、増えた感じになっていると解釈してください)

5%のミノキシジルとの併用が相乗効果があるとのデータがありますので、併用するのがおすすめとなります。

まずは専門家の診察を受けて下さい。 ただし健康保険は適応されません。

この薬は、かなり長期に内服する事が必要かもしれません。 
簡単に言えば、「禿げてもいい」と思える年齢になるまでは飲まないといけないことになります。

でも、総合的には現時点では最善の治療の一つだと思います。

ありがとうございました。 ドクターAでした。

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