指遊び「わりばし」超攻略
みなさんは「わりばし」(マッチ棒と言う人もいる)という遊びを知っていますか?
僕は小学6年生から中学3年生の頃に、適当に数えて2000試合ほど対戦してきました。この時間の中で得た知識や研究の内、全ての詰み筋やルートを紹介しようと思うとあまりにも長くなってしまうので、特に印象に残ったことに絞って紹介してみます。
これからもし、わりばしをやりこんでみたいというような人や、気になるという人はぜひ参考にしてみてください。これを知るだけでかなり勝率が上がると思います!
説明が難しいので、良ければ自分や他の人といっしょに実際に手で確認しながらやるとわかりやすいと思います。
目次
・わりばしのルール
・先手と後手はどっちが有利?
・定番の詰みルート(大前提)
・1手目で負け確定!?
・序盤の定跡
・長期戦に見せかけたトラップ
・長期戦に見せかけた最強のトラップ
・対最強トラップカウンター
・未知のトラップ
・わりばしの現状
・おわりに
わりばしのルール
先手後手で順番にターンが回ってきます。お互いの両手の指を使います。最初はそれぞれの手に指1本ずつでスタートします。相手の手を攻撃すると、攻撃側の指の本数分だけ相手の手に足すことができます。そうして指の本数が5本になるとその手は無くなってしまいます。
また、攻撃する代わりに自分の両手の指の本数の組み合わせを変えることもできます。例えば(1.1)の状態から(2.0)にしたりその逆をやったりできます。この割るときの動作がわりばしを割るのに似ていたことから名前がついたのかもしれませんね。
さらに、指の本数を足したときに本数が6本を超えてしまうときは、数を繰り上げてまた1から数えて足していきます。つまり、4本に3本を足すと2本になります。(この繰り上げに関しては地域や年によって有り無しがあり、無しなら無しでそれも面白いと思いますが、僕は繰り上げが有りの方が幅が広がりそうなので有りでやってきました。)
ついでに相手の0本の手を攻撃することはできません。
そして、これらを繰り返して両手が無くなってしまった方が負けです。人によっては(2.0)→(0.2)や、(2.3)→(3.2)などと、ターン稼ぎをする人もいるかもしれませんが、お互いにこれをやりつづけると、一生終わらないので、これは無しということにしています。
先手と後手はどっちが有利?
まず始めに言います。わりばしは後手が有利です。
なぜなら、先手には後手を詰ますルートがほとんど無いからです。
しかも、序盤は後手の方が自由度が高くリードしやすいです。逆に、先手が勝つには、戦いの中でうまく先後がいれかわるようにしなければいけないということです(これに関しては後で話します)。なので、先手後手を選べるときは後手を選びましょう。
定番の詰みルート(大前提)
※以降両手の指の配置は(1.1)(1.1) (先手が左、後手が右)と表現します。
まず、大前提として知っておいて欲しいことがあります。、指が1本になってしまうと、その時点で負けが確定します。なのでわりばしに出てくる詰み筋のほとんどは相手の指を(1.0)にする流れで組み立てられています。これを知るだけでかなり勝率があがるでしょう。
そしてこの(先手にしか詰みが無いので)先手(1.0)後手(?.?)からの詰ましかたを説明します。
後手が(1.1)の場合は足して(2.0)→相手は1で攻撃することしかできないので、
(1.0)(2.1)→(1.0)(3.0)→(1.0)(4.0)→4で1を攻撃して勝ちです。後手が(2.1)の時もルートに合流しておなじです。
後手がその他の本数の場合はとにかく先手に攻撃してもらい続けて、後手はどちらの手も4にならないように分け続け、(1.0)(3.3)を目指します。そこから(1.0)(4.2)に分けます。先手は4を消すしかありませんが、そこで2を(1.1)に分けることでさっきの詰み筋に合流して勝ちです。
このように、指が一本の状態になると、分け足しで手番を相手にゆずることができないので絶対に避けましょう。
また、(1.0)(1.0)の時は相手に攻撃してもらえるときだけ目指しても平気です。
1手目で負け確定!?
最初の先手には、後手を(1.2)にする、自分を(2.0)にする2つのルートがあります。ここで僕がおそらく今回の中で2番目にすごいと思ったことを言います。
先手が両手を足して(2.0)(1.1)にするとこの時点で詰みます!
この場面で後手がしっかりと対応すると初手でいきなり負けが確定してしまいます!順番に確認していきます。
(2.0)(1.1)→(3.0)(1.1)と進みます。ここでまた、3で1を攻撃するルートと、(2.1)に分けるルートがあります。
1つめからいきます。(3.0)(1.4)になると、後手は(3.0)(3.2)と分けることができます。先手が(1.2)(3.2)と分けると2を消されて(1.0)(3.2)になり、詰んでしまいます。なので、先手はしかたなく後手の2を消し(3.0)(3.0)としますがここで後手が先手を攻撃すると繰り上げて(1.0)(3.0)となり詰みルートに入ります。
続いて(3.0)(1.1)→(2.1)(1.1)に分けるルートです。ここから後手は(2.1)(2.0)とすると、
先手は足して(3.0)(2.0)→(5.0)(2.0)となるのも
1で攻撃して(2.1)(3.0)→(0.1)(3.0)にされるのも詰みなので、しかたなく先手は、
(2.1)(2.0)→(2.1)(4.0)としますが、そこから、(2.1)(2.2)に分けて、先手が1で攻撃すると、2が消されて詰みなので、(2.1)(4.2)としますが、
ここで後手は(2.1)(3.3)と分けます!
ここで先手が何をしても後手は3で攻撃して先手は(1.0)となってしまい詰みです。
このように(1.1)(1.1)の時に先手が足してしまうと詰んでしまうんですね。
また、途中に出てきた(3.2)(3.3)はよくある(3.3)(3.3)から作れるということも知っておくと良いですね。
序盤の定跡
序盤の流れはある程度定跡化できます。が、複雑な部分が多いので、後半は省略します。
(1.1)(1.2)から後手は、(1.2)(1.2)とすぐ攻撃するルートと、(1.1)(1.3)と指を溜めるルートがあります。
そのうち前者を選ぶと、(1.4)(3.3)となるルートと、後者のルートに合流するルートと、先手後手が入れ替わるルートがあります。
(1.4)(3.3)のルートは、先手の詰みが多いルートですが、ここにたどり着くのも、その後も結構複雑で、失敗すると先後が入れ替わってしまうので、流れを覚えていない場合は無理して行く必要も無いでしょう。
後者のルートを選ぶと、先手の動き次第で(1.1)(3.2)と(1.1)(3.3)のルートがあります。(1.1)(3.3)はさきほどの複雑なルートに入ります。どちらも先手を詰ますルートがいくつかあり、それを過ぎるとスタートに戻るか、(2.2)(2.2)という流れなどに進みます。
長期戦に見せかけたトラップ
始めの方で言ったように、先手になってしまった場合、相手を詰ますことができないのでなんとかして局面を反転させた状態が作りたいのですが、実際に戦っているといつのまにか入れ替わっていることもあります。その中でもよくある流れとして、後手の番で(2.0)(2.0)となる時があります。
ここで後手が(2.0)(1.1)としてくれたとき、すかさず先手側も(1.1)(1.1)とすると相手がもう一度(1.1)(2.0)と戻してくることがあります。こうなると先手は、しめたものです。相手の予想を裏切って例の詰みルートで一気に詰ますことができますね。
長期戦に見せかけた最強のトラップ
これは僕が今までわりばしを研究してきた中で一番すごいと思ったトラップです。当時、僕には、わりばし仲間が何人かいましたが、その人達も含めてこのトラップを避けることができた人は誰もいませんでした。それくらい誘う力が強いんです。
戦っていると(2.2)(2.2)という場面が出てくることがあります。ここに来るまでにもいくつかトラップがあるのでこの状況がくるということは若干長期戦に入ってきているということです。この場面には後手の番から入ることが多いので、後手から(4.2)(2.2)→(4.2)(2.4)→(4.4)(2.4)と進みます。
ここで先手が(4.4)(1.4)とするのは、→(1.4)(0.4)→(0.4)(0.4)→(0.4)(0.3)→(2.2)(2.1)として後手の勝ちです。(1.4)(0.4)で分岐がありますが、それを選ぶと(2.2)(2.2)とループできます。また、相手も4本を失うルートをわざわざ選ぶことも少なく、割と強引にこのルートを選ばせずに、最強のトラップへ誘えます。
ここで先手が(4.4)(2.4)→(4.4)(2.3)と進めば第一段階成功です。ここで後手は3で4を攻撃して(4.2)(2.3)とします!ここで心理が作用します。
どうしても先手側は後手の3を2で消したくなってしまうんです!
しかし、先手が(4.2)(2.0)とすると、詰みが確定して成功です。後手が(1.2)(2.0)としてスタートの詰みルートに合流します。こうして、トラップが決まりました。
このトラップは、やられる側からだと本当に気づきにくいです。なので、もし相手が意図的に狙って仕掛けてくるようなレベルでも、こちらが同じトラップを仕掛けると意外と引っ掛かります。
逆にこのトラップを実際の戦いの中でやり返す方法があるのです。
対最強トラップカウンター
次は自分が先手側でさきほどの(4.2)(2.3)の場面が来たとします。ここで後手の3を消してしまうとアウト、先手は(4.2)(1.3)とし、
→(4.0)(1.3)→(2.2)(1.3)→(2.2)(2.2)→(2.2)(2.4)と先後を入れ換えることができます。
→(4.2)(2.2)なら→(4.2)(4.2)→(4.4)(4.1)→(4.0)(4.1)→(2.2)(4.1)→(2.2)(3.2)→(2.2)(0.2)→(2.2)(4.0)→(2.2)(2.2)としてやはり先後を入れ換えることができます。そして後は同じように相手にトラップを仕掛けることができます。
また、(2.2)(4.1)の分岐で別のルートへ進んだとしても、先手側が、後手のスタート辺りに合流出来るので、先後入れ換えとして成功です。
未知のトラップ
どういう流れでここにたどり着くのか思い出せませんが、しばらく進めていると稀にどちらかが手番を持った状態で(3.3)(3.4)というようなとにかく指がたくさんあるような局面がくることがあります。しかもその中で唐突に詰みルートに繋がっていたりします。
わりばしの現状
僕の研究では今の所、どちらかが確定で勝ちという状況は見つけることができず、知識があるもの同士の戦いになると永遠に続く道の途中にトラップを用意し続け詰みルートへ誘うというのを繰り返す戦いになってしまいます。しかし、わりばしには、まだまだ未知の部分がたくさんあみます。さらに、ここで紹介しているものはほんの一部に過ぎません。なので、これを読んでくれたみなさんもぜひわりばしについて考えてみてください。
終わりに
初めて、こういったことを解説してみましたが、思ってた以上に説明するのが難しく大変でした。
わりばしがこれからもっとメジャーな競技のようなものになってくれたら良いのですが、認知度が低かったり、地域によってルールが異なったりすることから、そういったことは簡単ではないです。しかし、手軽にできることがこの遊びの良さでもあります。より多くの人がこのわりばしという遊びを楽しんでくれたらうれしいです。
あまりにも長い文章でしたが、最後まで読んでくれてありがとうございました!