イス
僕は普段から人を見下しています
誰もこの椅子に座る資格などないと、世の中なんてクソだとそう考えて疑いません。
赤ちゃんがいれば、泣くことしかできない助けがなければ生きていけない弱い存在だと罵り
未成年がいれば、親の金で生活させてもらっている寄生虫だと嘲り
大学生には、目標もなく楽しむことしか考えていない無能だと笑い
同世代がいれば、最後のゆとりだとその性根を蔑み
上の世代がいれば、能力もないのにふんぞりかえるエゴの塊だと軽蔑し
老人がいれば、年金で生きるなんの生産性もない干からびた雑巾だと唾を吐き
イケメン美女には、顔だけで生きてきた中身のないデクだと決めつけ
不細工には、その醜さに同情しどうせ性格も悪いだろうと吐き捨てる
金持ちには、弱者から搾取をする鬼畜だと糾弾し
貧乏人には、怠惰だからそうなるのだと踏みつける
そうして僕は大きい大きいハンマーで一個一個椅子を壊します
全部潰したとき僕の座る椅子はありませんでした。