見出し画像

日雇い労働者日記〜27才元営業マン〜④

2023年1月某日。
大雪でロシアみたいな風景になった関西にて。

【今日やったこと】
自動車の本体フレームの溶接。
映画「トランスフォーマー」みたいな機械のアームの前に
金属フレームを置いてボタンを押す。トランスフォーマーが
うなりながら金属をつなぎ合わせてくれる。

●今日の留意点
工場慣れしてない人はトランスフォーマーのような溶接機械
にビビる。今日生きて帰れるか不安になる。

でも安全センサーがあるから、大丈夫。

わからないことは、隣の中国人かフィリピン・ブラジル人に聞く。

●気づいたこと
休憩所では外国の若者がtic tocをガン鳴らしで見ている。困っていると隣ラインの外国人が助けてくれる。

◎今日得たスキル
トランスフォーマーと対峙したことで、
帰り道に強盗ぐらいなら倒せそうな気持になる。
世界に誇る日本車の製造に関わったという誇り。

□まじめな考察 
今回、製造した自動車の金属骨格はトヨタやホンダ・スバル等、自動車メーカーへ出荷される。1台の自動車は、何万個もの部品を組み合わせてできている。自動車が完成するのは大手自動車メーカーによってだが、その前過程として何全社もの無名の部品メーカーの働きがある。また自動車関連産業で働く人々は約500万人前後にものぼる。その中には外国人労働者・技能実習生も多い。

大きな金属製品をプレス・溶接する為、決して100%安全な仕事とは言えない(最近では安全装置が高性能化してはいる)。普段、気軽に乗っている自動車は、こんなに沢山の人が、毎日、真剣に働いて生まれているのだと感じた。そして、大変だけど自動車製造の現場に携われたことは少し嬉しかった(私はスポットだが、これを毎日続けている人は尊敬である。)

「お金があるからモノが手に入るのではなくて、それを作っている人がいるからモノが手に入る」そのことを忘れてはいけない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?