オシャンな日本のシャンソンの魅力。
私は古い音楽が好きだ。独特なノスタルジックさを感じるからだ。アメリカの50'sや60'sも捨てがたいが、もっと好きなのが、シャンソンかもしれません。
流行当時は外国のロカビリーや、ポップソング、シャンソンも日本語の歌詞に訳され日本人が歌うのが当たり前となっていました
皆さんは、日本のシャンソンをご存知ですか??
私は縁あって、今から約30年前、26歳から29歳くらいまで、日本のシャンソン業界で働いていました。主な仕事はコンサートを開催することに関するすべての事にフリーランスとして参加することです。
ある時は、全体を統括する製作、ある時は音響、ある時は舞台などと色々な経験をさせてもらったものです。
日本のシャンソンとは一体何か? 以前、極簡単には書かせてもらいましたが、まとめると戦前、戦後にフランスの音楽に憧れた日本の歌い手さん達が娯楽の少なかった日本に、フランスの歌と文化を紹介するような形で流行となったものです。「シャンソン」とは本来「歌」という意味のフランス語です。ただし、日本で言う「シャンソン」は単にフランスの歌ということではなく、ちょっと古い時代の特定の歌を表します。
その魅力は、切ない旋律と、過度な芝居がかった舞台上での演出、様々な訳詞と、フランスのエスプリが効いた、メランコリーな歌なのです。
現在でも、シャンソンを愛する人達には根強い人気があり愛聴家は少なくはありません。
私は音楽全般が好きなのですが、特にこのシャンソン、日本のシャンソンを生で聴く機会を得られたのはとても貴重な経験だと思っています。
当時の私には観るもの、聴くものが全て目新しく見え、キラキラして、一風変わった芝居風のステージに眼と耳を奪われたものです。子供の頃からよく知っている鍵盤が付いたアコーディオンではなく、全てがボタンになっているボタン式アコーディオンの存在も、そしてその楽器を凄まじいテクニックで演奏する桑山哲也さんもこの時に知りました。
歌手では、とにかく甘い声の芦野宏さん、晩年は歩くことも困難な身体だったのにステージに上がるとビシッと決める高英男さん、眼力鋭くドイツ訛のフランス語で歌う石井好子先生。他にもまだまだ魅了的なシャンソン歌手が沢山いました。
エディット・ピアフなどの本場フランスの歌手も好きではありましたが、やはり日本語での歌詞(一部の方々は毛嫌いしますが)が私にはとても魅力的でした。
大きなコンサートツアー、例えば「パリ祭」などといいうものがあります。「パリ祭」はフランス革命記念日、すなわち7月14日頃に行われ、シャンソン歌手が一同に会するイベントです。その仕事の時は毎年私には決まった役割がありました。アテンドと譜面係です。
楽屋から歌手の皆さまを出番に応じてお呼びし、ステージまで案内するのがアテンド。
もう1つは、バックバンドに出演者の譜面を整理して配るという「譜面係」です。これは、ある程度の「曲名」や「曲」を知ってないと出来ません。
その頃、シャンソンに夢中になっていた私には適任でした。過去にブラスバンドなどの経験もあり、譜面には慣れていたいたというのも大きかったのでしょう。
リハーサル前までに出演者の順番通りに譜面を各パートに用意をしたら、今度は呼び出し係となるのです。
皆さんに少しでもシャンソンの魅力が伝わるようにYou Tubeのリンクを2つ貼らせてもらいます。両方とも「パリ祭(邦題)」というシャンソンです。1つ目は岸洋子さん、2つ目は上月晃さんです。お二方ともお仕事はご一緒させて頂いてませんが音源としてわかりやすいのでご紹介します。なお、シャンソン業界には上月晃さんのように宝塚劇団出身の方が大変多くいらしたのも特徴であります。
聴いたことが無い方は是非下記リンクよりお聞きください。私が最も好きなシャンソンの1曲です。とにかく日本語詞がとても良いのよ!!