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はじめましてのご挨拶、長すぎるプロフ(16)
立ち食い寿司へ。そしてコロナが!!
立ち食い蕎麦の前に、立ち食いの寿司がありました。
2020年1月、武漢からCOVID-19がジワジワと日本にも迫ってきます。最初の感染者が確認されたのは1月16日。その時、私は寿司学校の同期に誘われて、ひやかしでとある立ち食い寿司チェーン店の研修店舗におりました。
COVID-19の情報がまだ少なく、それでも、だんだと飲食業界や接客業界が警戒をし始め、マスクやニトリル手袋などの着用が始まります。店舗入り口には消毒液が置かれ。まだまだ深刻ではないけど、得体の知れないウイルスに対するちょっとした警戒感が出てきた程度の頃でした。特に営業に関する規制などは無く、居酒屋も普通に営業していたので早番の後は独りで飲みに行ってもいました。
研修店舗ですること。
仕事ですが、研修店舗ですので価格が若干安く設定されていて、近所の会社の方や、住民の皆さんが来られるようなお店でした。夜はお酒を召し上がる方も多いですが、立ち食い(飲み)なので、滞在時間は短く飲み屋としてはそんなに忙しくはなかったですね。
ここで何を学ぶかというと、通常店舗に配属された時に、レジでのお会計から、仕込み、寿司の握り方、それと合わせて口頭で注文を聞くので、それを忘れずに伝票に書いていくという基本的な動作です。
特に求められたのが握りの時間の早さで、簡単な話ですが、いかに提供時間を早くして回転を良くしていくかが肝。そのためにはランチのセットメニュー(10貫のセット、12貫のセット、贅沢セットなどなど)を規定の時間内で握らないといけないのです。
また、握るネタの種類も決まってるのでそれをキッチリと覚えて、もうそれは寿司マシーンだろうという握り方をします。
通常は握り方にはいろいろな型があります。数工程を経て握り寿司は完成するのですが、回転寿司や、立ち食い寿司の場合は本格的な握りを目指すより速さが全てであるわけで、工程を何カ所か飛ばす握り方をします。
大雑把に言うなら、握り寿司のように見えてれば良しとする握り方です。もちろん極力美味しくするという気持ちを持ってですがね…。値段なりの握りという訳です。
研修の意味。
しかし、研修途中に他の社員さんやら、この研修店舗から巣立った先輩方の話を聞く機会がありまして、通常店舗の様子だと、私たち研修店出身ではまともにカウンターには立てず、ホールの仕事ばかりだということでした。
握るのはなんらかの理由で転職してきた、今まで経験のある職人さんたちだと言うのです。
まー、冷静に考えればそうですよね。じゃあ、なぜ私たちはこんなに頑張って長時間勤務をしながら覚えなきゃいけないのかと…。
同期では私が一番決断が早かった気がします。
COVID-19で生ものを扱う寿司屋は先行きが怪しいなどと言われてきてた事もあり退店を決意。その他の人達も続くように辞めていきました。
このあと、この店舗は半年ほど後に閉店することになります。
大卒で気を張って現場勤務を頑張っていた、私と親子ほど歳が離れてる女性社員さん達も辞めたと噂で聞きました。今頃どうしてるのだろうか??
(17)につづく。今度こそ立ち食い蕎麦です!!