K-FILES【ロスト・ゴールンデン・デイズ】
!!! WARNING !!!
K-FILESは原作者コメンタリーや設定資料等を含んでいます。
!!! WARNING !!!
スクリプトにおいて大多数を占めるカブキアクター側の視点ではなく、屠られるクソコテ側の視点で描かれた短編作。そのどこか同情を引く悲壮さはクソコテ存在の悲劇を演出する一方で、カブキアクターの強さを対照的に浮かび上がらせる。ピルスバリー自身は特に取り柄を持たぬニンジャぴるすであり、少なからず強みを見せた今までのニンジャぴるす達と異なりニンジャぴるすにも格差は有るという無情の象徴として描かれる。
主な登場ニンジャ
ピルスバリー / Pillsbury:コウライヤの管理施設で意図せぬディセンションを果たしたニンジャぴるす。彼と同様に想定外のニンジャソウル憑依を引き起こしたニンジャぴるすによる脱走は1作目【デザイア・ザ・マネジメント・ライト】のようにしばしば起こるが、コウライヤ側の対応は後手後手に回っていた。元来、ぴるすへのニンジャソウル憑依は確認こそされど数年に1件あるかないか程度の頻度であったが、ここ1年で俄かにディセンション数が増加し、マニュアル改定が間に合っていなかったのだ。
メモ:
今作は「出来る限り短くスクリプトを書く」という意図で作られている。そもそも、スクリプトの大半が1レスで終わる内容に纏められているのだから今作こそが正しい姿ともいえる。書くにあたって問題となったのが展開とカラテ描写だ。1レス1000文字に起承転結を詰めてカラテさせることなど到底無理だと最初から分かっていた。根本的に出来ないから妥協案として最小限の文量に抑えてたんだから当然だ。ならばいっその事その両方を投げ捨ててしまおうと考えたが、それだとサビもネタも無いスシしかできない。ということでサビとネタの代わりとして仕込まれたのがぴるすの視点と悲惨さだ。
このエピソードではカブキアクターはほとんど描かれず、言ってしまえば舞台装置に過ぎない。ピルスバリーを殺したカブキアクターが誰なのか、それは本当にカブキアクターだったのかすら定かではないほどに。意図した部分ではないが、これはある種カブキアクターとクソコテの目線の差を示しているのかもしれない。普段のカブキスレイヤーや他スクリプトではカブキアクターの視点で描かれていて、彼らは意識してクソコテを葬っている。しかし葬られるクソコテ側に意識はなく、彼らにとって相手が誰であるかは大して関係ないだろう(意図外の部分なので推論に過ぎないが)。今作に限らず、彼らにカブキアクターは常に殺戮の舞台装置に見えているのかもしれない。