カブキスレイヤーTRPGシナリオ 『アタック・トゥ・サブステイション』
今、君たちはネオサイタマを生きる半バイオ生物「ぴるす」となった。だがそれは単なるぴるすではない。ぴるす性と強靭な肉体を持つ歪な存在……。そう、君たちはニンジャぴるすなのだ!
※このTRPGシナリオはニンジャスレイヤーTRPGの二次創作です。基本的システムは本家参照な
シナリオ
君たちはある時、天啓を授かった。ニンジャソウルがディセンションし、ニンジャぴるすとなったのだ。君たちのぴる生はこれで野バラ色の路である……かに思われた。
だが、ニンジャといえど生きるためには金が要る!君たちはフリーランスのニンジャぴるすとして日金を稼がなくてはいけないのだ!
そんなある日、君たちのもとへ1つの依頼が舞い込む。『カブキザ変電所を攻撃し、停電を引き起こしてください』そんな怪しげな依頼を所詮ぴるすの君たちは何の疑いもせずに引き受け、そして。
今、君たちは変電所の門の前に立っている。
地図とギミック
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緑域:プレイヤー初期位置
黄域A~E:変電施設。ターゲット。攻撃対象として扱う。破壊後も消失せず障害物として残る。
青域:建物。侵入不可。障害物扱い
黒域:電信柱。侵入不可。障害物。
ぴ1~4:ぴるす位置
斜線部:ぴるす警戒域(後述)
破線部:扉・門
君たちが破壊すべきターゲットは地図内のA~Eの施設だ。施設が壊れるまで攻撃を当てるか、隣接してハッキングを成功させることで破壊できる。
生憎この施設は周囲を高圧電流フェンスによって囲われている。施設を破壊した後は門へと戻り、門を越えて外へ脱出する必要がある。
注意すべき点がもう一つ。この施設ではぴるすが一応の監視をしている。地図内のぴるすを中心とした斜線域に侵入するとさすがのぴるすも違和感を覚え、警戒されてしまう。範囲外を移動するか遠くからスリケン殺しよう。
<ミッション>
A~Eの施設を破壊し、「門」を越えて変電所外に脱出する。
施設に対しては攻撃とハッキングが行える。施設はA・Bが体力1、C・Dが体力2、Eが体力3であり、もちろん回避はしない。攻撃によって施設の体力を0にするかハッキングを成功させることで施設を破壊できる。
重要な施設であるため、ハッキング対策は十分に行われている。難易度は『ULTRA HARD』で判定。
近接攻撃でサツバツが出た時、残り体力を無視して施設は破壊される。
<警戒ポイント>
警戒ポイントはこのシナリオオリジナルギミックであり、個人個人に付与されずにプレイヤー全体で数値を共有する。
①ぴるす警戒域にプレイヤーが侵入するたび、警戒ポイントは+1される。 (『範囲外から範囲内を経由して範囲外に移動した』場合もカウント)
②遠隔攻撃が警戒域に侵入した場合も警戒ポイントは+1されるが、その遠隔攻撃で中心部のぴるすが死んだ場合は加算されない。
③ぴるす警戒域は中心部のぴるすを殺すことで消失する。
警戒ポイントは施設に攻撃やハッキングを行った際にも付与される。
④ハッキングを行い、失敗した場合に警戒ポイントが+4される。
⑤攻撃を行った際は成否を問わず警戒ポイント+1。カトンなどで一度に複数施設に攻撃した場合、各施設で個別に加算する。
警戒ポイントが4以上になると、守衛が異変に気付き建物から出てくる。「ピスケス」「ペルケレ」の二名がコントロール施設か宿舎の玄関前にエントリー。玄関前のどのマスにエントリーかはKMの裁量に委ねる。
もし彼らニンジャぴるすを迎撃し一方を爆発四散せしめたのならば、残されたもう一方は事の重大さを真摯に受け止め、警戒ポイントが+7される。
警戒ポイントが11以上になった時、変電所防衛のために最高戦力が投入される。「ホワイトパロット」が門をくぐり、プレイヤー初期位置のいずれかにエントリーする。
敵NPCデータ
◆変電施設A・B (種別:施設)
体力 1
◇装備や特記事項
非キャラクターであり、一切の行動を行わない。
◆変電施設C・D (種別:施設)
体力 2
◇装備や特記事項
非キャラクターであり、一切の行動を行わない。
◆変電施設E (種別:施設)
体力 3
◇装備や特記事項
非キャラクターであり、一切の行動を行わない。
少なくとも今回の変電施設はロボニンジャだったりはせず、行動は一切行わない。これは施設の体力を明記するためのデータだ。
◆ぴるす (種別:ぴるす)
カラテ 0 体力 1
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 1 脚力 1
ジツ ー 万札 1
◇装備や特記事項
チャカ・ガン:遠隔武器、ダメージ1
ぴるすは基本的にモータルの一般市民よりもか弱い存在である。武器持ちであってもぴるすからダメージを受けることはまず無いだろう。
今回では警戒域に入らなければプレイヤーを認識せず、行動もしない。
◆ピスケス (種別:ニンジャぴるす)
カラテ 2 体力 2
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 1 万札 5
◇装備や特記事項
スキル:『ヘンゲヨーカイ・ジツ』
◇『ヘンゲヨーカイ・ジツ』:移動開始前に使用可能。【精神力】1消費。
成功すれば【カラテ】が+3、【脚力】が+2される。
ピスケスのこのジツは1度発動すると手番が来る毎に【精神力】を1消費して自動継続する。
【精神力】が0で手番を迎えたとき、ジツは解除され次の手番まで回避を含む一切の行動が不可になる。
◆ペルケレ (種別:ニンジャぴるす)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 2 万札 5
◇装備や特記事項
スキル:『デン・ジツ』
◇『デン・ジツ』:遠隔攻撃の代わりに使用。【精神力】1消費。ダメージ1。
食らうと次の手番時の【脚力】が1になり、次ターンの回避ダイス個数が-2される(最低個数1)
彼らは変電所の守衛を務めているニンジャぴるすだ。ニンジャぴるすはモータルぴるすに比べ圧倒的に強いが、一方でインシデント発生時には責任追及を恐れて上部に報告せずに秘密裏の処理を試みる欠点も持つ。そのためプレイヤーと接触してもそれだけでは警戒ポイントを上昇させない。
「ぴるすであるがニンジャだ」ということで賢く行動させてもよいし、「ニンジャであるがぴるすだ」ということで愚かに行動させてもよい。
◆ホワイトパロット (種別:カブキアクターニンジャ)
カラテ 12 体力 10
ニューロン 10 精神力 10
ワザマエ 8 脚力 6
ジツ 4 万札 140
装備:ナギナタ『ベッカク・デンショウ』(カタナと同効果、2マス先に攻撃可能、『連続攻撃2』)
スキル:『カブキアクター』、『カブキネシス』、『トビ・ロッポー』、『ヒサツ・ワザ:ミエ』
◇カブキアクター:常時発動。サツバツによるダメージ量変化以外の追加効果を受けない。
(要するに出目が1か5の際の『2ダメージ』以外の追加効果を受けず、即死もしない)
◇カブキネシス:ホワイトパロットは【精神力】を消費することなくこのジツを使用できる。
遠隔攻撃の代わりに使用。タテ、ヨコ、ナナメのいずれか2方向に対してナギナタを投擲。
同じ方向に2発も可能。射程は20マスで、直線状のキャラ全てを貫通し手元に戻ってくる。
この直線上にいた者全員に自動的に2ダメージを与える。回避は『ULTRA HARD』で可能。
◇トビ・ロッポー:【精神力】2消費。
『トビ・ロッポー』を行うと脚力の3倍までの距離を移動できる。
ただし曲がることも後戻りもできず、一直線の移動しかできない。
この移動時は一直線でさえあればナナメ方向への移動も可能である。
移動マス上にいた者は3ダメージを受ける。回避は『ULTRA HARD』で可能。
◇ヒサツ・ワザ:ミエ
近接攻撃時に6の出目が3個以上あった場合、この『ヒサツ・ワザ』の使用を選択してもよい。
『ヒサツ・ワザ』を使う場合、ホワイトパロットは【精神力】を2消費する。
相手はカブキエナジーの大爆発によって2D6ダメージを受ける。
また、この『ヒサツ・ワザ』を受けた相手に隣接していた者も巻き込まれ、2D6のダメージを受ける。
『ボス級の敵』はこの『ヒサツ・ワザ』及び隣接時のダメージを『ULTRA HARD』で回避できる。
この『ヒサツ・ワザ』の回避に成功した場合でも、隣接者へのダメージ判定は発生する。
ぴるすの人生を狩り取りにやってくるのがホワイトパロットだ。基本的にぴるすが彼と対峙してしまった場合、為す術も無く蹂躙され爆発四散する。ゲーム上でのうま味は無いが、投降をすればプレイヤーのひとまずの命は保障されるだろう。その場合、プレイヤーぴるすの自由はロストする。
もし万が一、奇跡的にぴるすが彼を倒せてしまった場合、そのポケットを漁れば大金がスイと出るだろう。もしもそういう事態が起きた際は、彼を『爆発四散』させてしまうと余りにもシツレイの度が過ぎるので『気絶』か『撤退』扱いにすると無難に済み、年末謝罪が軽く済むかもしれない。
圧倒的強さを演出できれば数値やスキルは自由に変更して構わないが、『546』『890』『931』等の獣の数字を多用するとゲームのバランスが完全に崩壊するので注意。
展開
※書いてない範囲でもプレイヤーのロールプレイにはロールプレイで返そう
プレイヤー達は謎めいた依頼人によりカブキザの無人アジトに集められた。互いの姿を確認し、それぞれアイサツを行う。神聖不可侵のルールだ。
※各プレイヤーは初対面設定でも旧知設定でもよい
・アイサツ及びロールプレイを適度に促す
その時、唐突に部屋内の大スクリーンが映像の投影を始めた。「ドーモ、皆さんゴソクロサマデス。アノニマス(※匿名の意)です」合成音声であろう声がアイサツする。
「早速ではありますが、依頼についてお話しします」
・地図を掲示する
「この地図をご覧ください。これはカブキザ変電所です。皆さんにはここを襲撃し施設を破壊、停電を引き起こして貰いたいのです。質問には最後に答えます…とにかく話だけでも聞いてください…!」
「実は私の可愛い可愛い娘が誘拐されてしまい…救い出すために停電を引き起こさねばならないのです!謝礼も弾みます!まずは前金として…」
キャバーン!皆の口座に前金として【万札】5が振り込まれた!
「こちらは依頼をお断りされても回収はしません!成功したその時は…【万札】25を皆さんの口座に振り込みます!」
「…お受けいただけるのならば更なる説明に入ります。皆さん、お受けいただけますか…?」
・質問された場合、答えられる内容は答える。アドリブロールプレイ重点。詳しい内容の質問は「受けていただけるのならば話します」などと流す。
質問が多かったり、質問の答えに困ったり、あるいはプレイヤーが「依頼を受けないんですけお!」と駄々をこねたりしたら
「ダマラッシェー!!受けるかどうか早く決めたまえ!」
などと威圧的に打ち切ろう。プレイヤーは圧に負けて同意することになる。
「お受けいただけるんですね!アリガトゴザイマス!」
・ここで地図についての説明をする。
・話題が前後するが、用いる地図からぴるすの位置と警戒域の表記を消し、【ニューロン】判定を使いぴるすを探知しながら行動させても緊張感が出るかもしれない。
・目標の施設A~E、ぴるすの警戒、門以外から出られないことなどを話す。
「監視カメラはこちらでどうにかします!皆さんは速やかに施設を破壊して逃走してください!これで依頼の内容は全てです…どうかお願いします!」
・質問がなさそうならばこれで会話を終わりにし、本編へ進む。
…そして襲撃当日!星明かりも無い夜の闇!君たちは今、門を越えカブキザ変電所へと侵入した。事前の話の通り、監視カメラは正常には動いていないようだ。駆け付ける者は誰一人居ない。
変電所内は僅かに薄明かりが照らすだけであり、モータルならば禄に見渡せないだろう。だが、君たちはニンジャだ。集中すれば問題はない。
そして君たちのニンジャ第六感は外に駐在する数人の警備ぴるすと、建物内でくつろいでいるであろう2人のニンジャの存在を悟った。このニンジャは施設を破壊すれば遅かれ早かれ駆け付けるだろう。目標施設を破壊し、速やかに逃げよう。
・ここからマップ攻略開始。KMはその場で適宜ロールプレイしよう。
※ここからは重大なイベントのみを記載する
<ニンジャぴるす登場!>
条件:警戒ポイントが4以上になる
その時!急に変電施設内のアトモスフィアが張り詰める!建物から姿を表した2人の人影!その気配は…ニンジャ!「…やっぱり居やがるんですけお!」「フン…面倒な事はよしてくだち」
※彼らの性格は深く決まっていない。自由にロールプレイしよう。登場したタイミングか、あるいはプレイヤーに接近したタイミングでアイサツをしておこう。神聖不可侵だ。
<ホワイトパロット参上!>
条件:警戒ポイントが11以上になる or 全施設破壊から5ターン経過する
バラララララ…。ヘリのローター音が夜空に響く。そして…。おお…何事であろうか!この立ち込める剣呑なアトモスフィアは!今、強大なニンジャ存在感が門を越え…変電所内へと踏み込んだ!
「ドーモ、ホワイトパロットです。…私の管轄内でずいぶんと好き勝手にしてくれたようだな、ぴるす君」
※鈍足キャラがいる場合など、臨機応変で必要経過ターン数は調整しよう。アイサツタイミングは登場時か接近時。どちらが良いかその場で判断。セリフは白い方のスクを書く程度の軽い気分で綴ればOK。
<大規模停電発生!>
条件:全施設の破壊が完了する
KABOOOM!最後の施設が火を噴いて爆発!
そしてその瞬間。フッと変電所内の、次いで街中の明かりが消えた。君たちの施設破壊によってカブキザ全域に大規模停電が発生したのだ。
「アイエエエエ!?なにごとなんですけお!?」従業ぴるすの悲鳴が響く。「チィーッ!これでは俺たちの責任問題になっちまうんですけお!」「せめてお前たちの首は…クソッ暗くて見えづらいんですけお!」
ただでさえ暗かった変電所内は更に一層暗くなり、これ以降全員の攻撃の成功難易度が+1される。
ニンジャぴるすがまだ登場していない場合はここでエントリーさせる。
シナリオクリア
全施設の破壊後、門から変電所外へ脱出成功したキャラは『クリア状態』となり、マップから取り除かれる。参加プレイヤー全員がクリア状態、戦闘不能、爆発四散のいずれかになった時、報酬シナリオへと進む。(※全員が戦闘不能、爆発四散となった時は「君たちは死んでしまった。BAD END…」程度の描写で終わらせて良い)
<報酬シナリオ>
君たちは命からがらアジトへとたどり着き、戦々恐々と一夜を明かした。そして朝日の眩しさに目を覚ますと、既に大規模停電は解消されているようだった。
君たちはアジトで依頼人からの連絡を待つが、一向に来る気配がない。ふと思い立ち確認をすると、既に君たちの口座には約束通り【万札】25が振り込まれていた。
依頼人の正体、本当の目的。何が真実で何が嘘で、何が隠されていたのか。…何も分からないが、ともかく君たちは暫く働かずに済むだけの金を得た。
最後に
ここまで色々と書いてきたが、これは
「ニンジャスレイヤーの二次創作であるカブキスレイヤーでニンジャスレイヤーTRPGパロをするというジョーク企画」
であり、根本的に筆者はTRPGシナリオを書いた経験どころかTRPGをプレイした経験すらほぼ無いため、このシナリオが遊んで楽しい物、そもそも満足に遊べる物である保証は一切ない。
もし本気でカブキスレイヤーTRPGがしたい狂人ならば、公式に上がってる有志製作ニンジャスレイヤーTRPGシナリオの固有名詞をいじったりして気分を味わうといいだろう。
万が一このシナリオを使う酔狂な人がいた場合、ぴるすの数を増やしたり地図・地形を変更したり数値やら能力やらを変えたり、あるいはストーリーを書き換えたり…そういった改変は自由に行ってよい。