変な高校三年生による「個人的2023年ベストソング」
引っ越しに関するいろんなごたごたがひと段落したので、今日もエッセイという体で駄文を書く。ここのところ色々と書き溜めているエッセイがあって、いつか公開できるといいなと思っている。多少の時間軸のずれがあると思うのでそこのところご承知願いたいです。
この記事は中途半端だったので、公開するかしまいか悩んでいたものです。時間軸のずれとか言っておきながら冒頭から約四か月前のことが書かれているので困惑するかと思いますが…今更ですが2023年のベストソングを…まとめました…
ΠΡΟΔΟΣΙΑ
No.18
「変な高校三年生による2023年リリースベストソング」
2023年ももう終わるので、2023年に聴いた曲の中でのベスト30を今年もやろうじゃないかと、受験勉強でズタズタのままスマホのメモ帳を開く。
いやいや皆さん元気でしょーか。読んでる人なんているのかわからない、いつも通り遠くのどっかに流していくだけの駄文を書いていきます。ぼくはげんきです。
今年は個人的に、かなり音楽体験が"豊作"の年だったなあと感じる。1月28日、横浜アリーナで行われた「Gen Hoshino presents "Reassembly"」の伝説の誕生日公演を皮切りに、放送部の後輩と行ったBUMP OF CHICKENの「be there」、そして過去一間近で米津さんのパフォーマンスを堪能できた「空想」と、受験生とは思えないほどライブに行ってきたというのもそうだし、かれこれ何年も待ち望んでいたKing Gnuの4th Album「THE GREATEST UNKNOWN」、源さんのNew Sg「光の跡/生命体」にヨルシカの音楽画集「幻燈」のリリースなど邦楽系のほか、最近めちゃくちゃ有名になってきたMitskiの最新アルバムTLIIASAWやビートルズの最終曲「Now And Then」にサブスクでずっと聴いているOmar Apollo、にCharli Adamsと、とにかく新譜の質と数がえげつない年だった。
ということで、毎年年末に作って繰り返し聴く振り返りプレイリストの曲数も昨年のものよりはるかに多くなってしまったけど、その中からトップ30を紹介しようと思う。
30:UMI-「happy im」
29:クリープハイプ-「I」
28:UCARY & THE VALENTINE-「The Sea Speaks of Our Love」
27:幽体コミュニケーションズ-「ミュヲラ」
26:羊文学-「more than words」
25:星野源-「Orange(feat.MC.waka)」
24:Mitski-「I'm Your Man」
23:Charli Adams-「everything she wanted」
22:ヨルシカ-「第五夜」
21:星野源-「Beyond the Sequence」
20:Omar Apollo-「Live For Me」
19:PEOPLE 1-「ドキドキする」
18:millennium parade×椎名林檎-「2〇45」
17:椎名林檎-「私は猫の目」
16:ヨルシカ-「さよならモルテン」
15:Billie Eilish-「What Was I Made For?」
14:King Gnu-「泡(ALBUM Ver.)」
13:緑黄色社会-「花になって」
12:星野源-「生命体」
11:米津玄師-「LADY」
という感じ。
さあ、というわけで、次は個人的ベスト10の紹介。毎回好きなアーティストで固まってしまうので、10位以上の曲は一組につき最大2曲だけ選んだのでよろしく頼みます。
10:Mr.Children-「Party is over」
大きな宣伝もタイアップもなく、静かにかつどっしりとリリースされたアルバム「miss you」から。
後輩にミスチルが大好きな子がいて、その子と話すのが楽しみだったもんだからフラゲして、模試の勉強を終えてからどっぷりと聴きこんだ。後輩の彼曰く、「アート=神の見えざる手」がヤバいですよと聞いていたので心していると、やはり確かにヤバい。
そもそもこのアルバム自体がノンタイアップで、かつ「深海」の時よりも救いようのない遣る瀬無さみたいな空気が漂う曲ばかりなので収録曲のすべてがこういう肉感のある人間らしさを内包していて個人的にぶっ刺さるものなのだけれども、中でもこの曲に漂う空気感は間違いなく今のミスチルにしか書けない曲だなあと感じるほどしっくりくる苦しさがあってとても好きだ。
9:米津玄師-「地球儀」
映画「君たちはどう生きるか」主題歌。この文字列だけ見ても個人的にグッとくるものがある。スコットランド民謡を作りたかったと米津さんが語った通り、この曲の中にはジブリ映画を見ているときの様な、ひと夏の間の澄んだ空気のにおいみたいなものが終始ずっと漂っている。
これも個人的な話だが、「地球儀」のCDリリース日がちょうど放送部の全国大会と重なっていたので、こっそりと宿泊先のホテルを抜け出して新宿のタワレコまで歩いて無事フラゲをして、その夜地元では聴けないのではじめてKing Gnu新井さんのJ-WAVEを聴いたり初代ミキサー大沢さん卒業回の星野源ANNをリアタイで聴いたりしているうちに相当疲れが溜まってしまったらしく、翌日熱中症になって死にかけたのもいい思い出だ。
8:The Beatles-「Now And Then」
初めてビートルズを聴いたのは父の車内だった。明確に意識して聴いたのは「HELP!」で、そのあとすぐに好きになったのが「She's leaving home」、「Across the universe」。やはり彼らは世界を変えた伝説のバンドであったと思う。僕は人生の中でいくつか絶対に忘れられない指針の様な役割を示してくれている曲があるのだけれど、その中の一つにジョンとヨーコの「War Is Over」がある。それほどに彼らの音楽は僕の心に響いたままでいる。
これよりもう新しい曲が出ないというのは僕にとってもとても悲しい。だが、父の様に人生の一番柔軟な時期にビートルズを浴びていた人たちにとってはこんなものじゃないのだろうな。
7:BUMP OF CHICKEN-「窓の中から」
NHKの毎年恒例となっている「18祭」。全国の1000人の18歳と歌うために藤さんが作った一曲。今年どれだけ聴いたかなってほど聴いた曲ではないけれども、僕にとって大切な一曲。後輩の子とライブに行ってこの曲を大合唱した思い出は忘れられない。
今年は色んなライブで、大声で歌い合わせて、それこそ知らない誰かと声を重ねるのって本当にいいな、と思うことが多くて、その喜びに溢れたメロディがやっぱBUMPは最高だなと思う。
曲の構成でも総尺若干7分あるのに展開が変わっていくその目まぐるしさには脱帽だ。
6:King Gnu-「三文小説(ALBUM Ver.)」
アルバムティザーで聴いたときの衝撃たるや凄まじいものだった。「THE GREATEST UNKNOWN」がそもそも「CEREMONY」後のKing Gnuの楽曲ほぼ全曲をアレンジしての収録になっていて、総再生時間1時間の中で前後の曲とインタールード曲の音とがつながっている曲が多く、サブスクのシャッフル再生やアルバムの中からヒット曲だけを聴く人ばかりの今のご時世には自然とそういうアルバムが少なくなるものだけど、その流れやアレンジを含め既存の曲が全く違ったものにアップデートされていてとんでもないなという言葉しか出てこないくらいすごくいい。
とくにこの「三文小説」はオリジナルとの乖離とそこからの進化が一番色濃く出ている感じがして、まず1、2番の打ち込みとフィルターのかかったストリングス、井口さんの今までにない声の出し方との複雑で、元のアレンジと全くの別物になっているところの耳触りのいい心地よさがすばらしい。その後のラスサビのアレンジ。オリジナル版アレンジをさらに煌びやかにしたような楽器隊とドラム、そしてラストワンフレーズにKing Gnuの曲の中で最高音の発声パートがあるのだけれど、その歌い方が3年前とは格段に進化していて、とんでもないアルバムを聴いたなという気分になって、トラック上最後の曲「ЯOЯЯIM」へと繋がっていく。
「三文小説」だけをここに表記しているけども、そのすべての芸術点も含めて、「仝」、「三文小説(ALBUM Ver.)」そして「ЯOЯЯIM」の3曲含めて6位とさせていただきたい。
5:椎名林檎-「さらば純情」
メロディー、音色、歌詞、全てが良すぎる。シングル「私は猫の目」をフラゲして、表題の「私は猫の目」のカッコよさに痺れていたところ、イントロから一気に引きずり込まれ、以来今ある椎名林檎の曲の中で一番好きといっても過言でない曲になった。
愛とか恋とかに振り回される人生では無かったのだけれども、そりゃあ僕だって人並みに誰かのことを好きになる。片思い止まりだからこそ今の自分に重なる。高3の今のタイミングでこの曲に出会えてよかったなと思う曲は今年沢山あったのだけれど、その中でも一番その思いが強いのはこの曲だ。きっとこの先の人生、何度もこの曲を聴いては心を抉り取られたり寄り添ってもらったりするのだろうと思う。
4:ヨルシカ-「いさな」
「幻燈」に収録されている曲はどれも近年のヨルシカがリリースしてきた文学作品オマージュ曲で、第二章の10曲は夏目漱石の「夢十夜」になぞられ「第一夜」から「第十夜」というタイトルになっていて、n-bunaさんの芸術というものへのリスペクトやその影響の偉大さが感じられるものになっているのだけれども、小学校の時にハマっていたメルヴィルの「白鯨」をモチーフにしたこの曲ははじめて聴いたときに思わず目に涙が浮かぶほど美しく、画集「幻燈」を買った人しか聴けないのがもったいないんじゃないかとさえ思える。
ヨルシカが好きでまだ「幻燈」を買っていない人はこれを聴くためだけでも買ったほうがいい。
3:星野源-「回答者(Live Session)」
「いつまでこうした日を過ごしていくのだろう」。そう、これなんだよ!僕が常々感じているのはこの文言なんですよ!
LIGHTHOUSEの第2回の内容から生まれたこの曲。ここ数年の源さんの曲に使われるシンセの音色の包むようなメロディーに「黙ってくれるかな」などのパンチラインが散りばめられた歌詞。
LIGHTHOUSEの曲は番組が「悩み」をテーマに置いたものである通り、僕の生活の中でふと生まれる悩みやもやもやへの寄り添い方と反発の仕方の柔らかなアドバイスみたいな感覚があって非常に好きなんだけれども、この曲は今年の僕にリンクしすぎていたのでめっちゃ聴きまくったと思う。
2:ヨルシカ-「アルジャーノン」
ヨルシカの今までに出してきたどのアルバム、EPの中でも、ぼくはこの音楽画集「幻燈」に収録されている曲たちが個人的に一番好みの音作りがされていて、その再生フォーマットが既存のどれとも合わないものだけれども、間違いなく今年一番聴いたアルバム(?)だった。
そもそも「幻燈」は画家の加藤隆さんの描いた絵が収録された画集で、その絵を特定のARサイトで読み込むことでようやく再生できるという、再生するまでの「手間」を大切にした作品で、今なお収録曲はダウンロードやストリーミング非対応というかなり攻めたコンセプトになっている。画集の第一章「夏の肖像」はヨルシカの作品では珍しく全曲歌あり・インストなし、第二章「踊る動物」は10曲中9曲がインストの構成となっていて、この「アルジャーノン」はその第一章の最後の一曲。
とにかく歌詞が、メロディーが、アレンジが良すぎる。ヨルシカの曲の中で一、二を争うくらい好きな曲になってしまった。
曲名からわかるように、この曲はダニエルキイスの「アルジャーノンに花束を」のオマージュソングで、「あなたはゆっくりと変わっていく」と繰り返し歌われるこのフレーズは、元の小説を小さい頃に読んで泣いていた僕にとってチャーリイを思い浮かべずにはいられないし、Cメロになると僕の好きなヨルシカの「あきらめること」を歌った歌詞が続くのだけれど、高3の、あと少しで否が応でもこの街から出て行って、大人にならなければならなくなる自分にグサグサと刺さってもう大変だ。
まだ卒業できるか大学に受かるかも不安で仕方ないが、来年の春はかなりこの曲を聴く機会が増えそうだなと踏んでいる。
こんな素敵な曲をありがとう。
1:米津玄師-「月を見ていた」
今年一番好きな曲はもうこれでしかない。
情報解禁でサビが公開された時から好きで、ライブツアー「空想」での初披露で度肝を抜かれ、配信リリースされてまた度肝を抜かれ、主題歌である「FINAL FANTASY XVI」をクリアして流れた瞬間からもうその存在は神格化してしまった。音の面でも米津さんの声の面でも、FF16のストーリーを締めくくる桁違いの重さがあって、
ちなみに僕は米津さんの曲のなかで、重ねられている対旋律のコーラスの声やメロディーがすごく好きで、ライブで声を出せるときは敢えてそちらの音程を歌ってしまうのだけれども、「月を見ていた」のCメロでの対旋律は米津玄師のメロディー史上一番好みで、もう何百回聴いたか判らないくらいに繰り返し聴いている。
クライヴ、ジル、ジョシュアにシド、ディオンそしてトルガル。FF16がバッチバチに僕の癖にぶっ刺さった作品だったのでクリアしたときにはあのトルガルの後ろ姿で大泣きし、クリアしてからは「月を見ていた」を聴くたびに彼らのことを思い出さずにいられなくなる。(ジャケ写のトルガル、あの絵本当に奇麗だから、何かしらのフィジカル作品になって欲しかったくらいだ。)
それからもう一つ、今年のベストに選びたい曲が。
EX:Florence + The Machine - 「Dog Days Are Over」
いつか小さい頃に何かの機会にこの曲を聴いた気がして、それからずっとサビのメロディーだけは覚えているものの何の歌なのかわからないままでいた。放送部での最高の作品制作が終わって、終映日になってしまったもののついに「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3」を観に行ったのだけれども、この映画が本当に面白いったらありゃしなくて、声に出ない程度に心の中でゲラゲラ笑っていたりグッときたりしているうちにあっという間に映画が終わってしまった。ネタバレになるのは嫌なので内容は伏せるが、そのラストシーンで突如「Dog Days Are Over」が流れ始めた。
最初のうちはイントロからしていい曲だなと思っていただけだったのだけど、サビでようやく、僕が今まで胸につっかえていたあの歌であることが判明して、映画を見ながらその時空を超えた伏線回収に我ながらヒイヒイしてしまった。そしてラスサビ。映画をご覧になった人ならお分かりの通り(絶対見たほうがいい)あのラスサビの時の映像が、もう、最高すぎて。金曜のレイトショーで客席内の半分くらい客がいたのだけど、その中で、たぶんあの曲と映像であれだけボロボロ泣いていたのは僕だけだったはずだ。
曲名を知るためそのまま売店に向かうもサントラは売り切れ。翌日自転車を飛ばしてCDショップに行き買った輸入盤のCD、そこではじめて、この曲が「Dog Days Are Over」=「うだついた日々は終わりさ」という曲名だということを知ってまた店内で一人むせび泣いた。店員の若めの女の人がこちらを気味悪がっていた。
あれから何度も擦り切れるほど聴いている。この曲のリリースはもうずいぶん前だけれど、今年のベストソングは紛れもなくこれだなあと思う。
いかがだったでしょう。長すぎるわよね。本当にいい曲がありすぎる!
受験勉強に戻らないと落ちちゃうので、そうならないようにもう寝ます。
よいお年を!
++**++
はい。これが去年の暮れに書いた約8000字のとんでもないレポートのそのすべてです。時空がゆがんでますが、この文を書いている僕は2024年の4月の僕です。元気です。
長すぎてめちゃくちゃ読む気が失せる文章だったので、今年は軽く紹介する程度の簡単なまとめにします。長ったらしい分にはさよならするのサ。たぶんここまで読んでる人いないと思うのでなんか書いておこう。ちんちん!
ちんちん!
もうこのタイトルちんちんでいいんじゃないかな