ディズニーとコーチングのはざま #0

#0  はじまり

私が在籍していたのは15年以上前のこと、今の内部のことは正直さっぱりわからないし今のことや何か内部の秘密を漏らすつもりはない。

しかし、私が当時やその後体験し感じたこと、それにより今こうして伝えたいと思ったきっかけはこんなにも記憶をさかのぼるとは正直思っていなかったが、コーチと『私はなぜ、強くこのことを伝えたいと思っているのか』について考えた時に口を突いて出たことはこの時のことだった。


違和感はディズニーにいるときから感じていた。

今でもはっきりと覚えている、明るく元気、気さくで誰からも好かれたとてもチャーミングなキャストがいた。私も仲良くしていたし、月日が経った今でもきっとどこかで出会えば笑顔で挨拶してくれるだろうと思う、仕事の理解も立ち居振る舞いも人としても一緒に仕事ができてよかったと思う、キャストの中でも本当に優秀な素敵なキャストがいた。

ディズニーは多くのキャストがいわゆるアルバイト、ディズニーで過ごすことは人生の通過点でしかない、3か月、半年、数年…いつかは、次のステップへと旅立っていく。

このキャストもまたみんなに惜しまれ、そして応援されて旅立っていった。

メンバーが減ってもまたにぎやかな毎日がやってくる、私もその後配属先が変わり新しい環境で過ごしていた。一年が経ったころ久しぶりにパークに遊びに行くと遠くに旅立ったはずのあのキャストが以前と同じように働いていたのだ。

『なんで?』

頭の中にその文字が大きく浮かんで、同僚に「戻ってきたの?」と尋ねた。

「驚いたでしょ?なんか合わなかったみたいだよ…」

同僚の表情からも色々な事情がありそうな雰囲気を感じ私もそれ以上聞かず、そのキャストとは再会できた喜びだけを純粋にかわしたてその場を後にした。


『外で活躍できないはずがないと思っていた。』それが私の正直な気持ち、その衝撃は私にとってとても大きかった。

もちろんこの時私はまだ外の社会を知らず、数年後私もディズニーを旅立った。そしてその後15年以上の間に幾度となく思った…

『きっとあの時、あのキャストが戻りたくなったのがわかる気がする…』と

そして第二の故郷であるディズニーを訪れると、何回かに一度、何年かに一度、一緒に働いて旅だったと聞いていたキャストが戻ってきている。ある種共通しているのは、どのキャストも記憶に残っているあえて言えば優秀なキャストだということ。

この違和感が、『私はなぜ、強くこのことを伝えたいと思っているのか』の根源だった。そしてこの社会でともに苦しみ乗り越え、今でも大きな支えになっている仲間と得たことも無駄になしたくなかった。

もちろん、旅立って成功している元キャストもたくさんいる。そのことも忘れずに伝えておく。


『きっとあの時、あのキャストが戻りたくなったのがわかる気がする…』と

幾度となく思った体験から感じ、考え、その時その時に向き合ってきた社員と得てきたものが、もし、今の環境でどう動いていいか悩む人のごくわずかでも光になると信じて、まだまだ多くの人が一日8時間前後 仕事という時間に向き合っているなか、仕事を変えなくてもその時間がそれぞれの人生において有意義で楽しい、人生に役立つ時間になったら素敵だと思っている。

私がディズニーで過ごした時間は人生において有意義で楽しい、人生に役立つ時間だったから。その後の様々なブラックな状況でも何かこの後に繋がるかも知れないと会社は人生の通過点だからと思って乗り越えてきた、今また自分の向かいたい方向へ手綱を握るために。

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