Adoで締めくくる「CDJ22/23」Day3 感想
約9年ぶりに年末を音楽フェスですごした。
12月30日にステージにあがったアーティストは総勢28組で、9バンドのステージを見ることができた。
もういっかい観たいAdoのライブ
圧巻だったのは、その日のトリだったAdoのステージ。
Adoといえば、正体不明の若い女性ボーカルで「うっせぇわ」とボカロのイメージがつよい。実在するアーティストの実感があまりないので、どんなパフォーマンスを魅せてくれるか興味津々。
一曲目を歌いきる前に、この人はすごいとわかった。その道のプロじゃなくても、きっと伝わる。興奮と高揚感が湧き上がってくる感じ。
持ち歌のジャンルのせいもあるとおもうけど、基本スタイルはロック。それをベースに、歌声にはブルース調のテイストも感じる。雑に説明すると、ロックを歌うMISIAと椎名林檎が融合したような感じ。
繊細な歌のうまさというより、人を惹きつける歌い方がうまいと思った。一般的になじみの少ない曲でも盛り上げられるし、「One Piece」の主題歌になった「新時代」のようなポップにも対応ができる。会場にいた自分を含めた一見さんは皆そうおもったはず、というぐらい盛り上がったし、終演後のTwitterでも興奮を伝えたいツイートが飛び交った。
当の本人の姿はシルエットのみ。姿は見せずスモークがかった箱の中で45分歌い切った。
ちょっとおもしろいと思ったのは、AdoはAdoという役割を演じているっぽいところ。MC中の言いまわしや言葉の選び方が等身大より背伸びをしているというか、求められているオトナっぽさに合わせているみたいだった。今年二十歳になったらしいけど、実物はもう少し幼さがある人なのかも。
すこし前に米国の音楽レーベルと契約をしたとニュースになっていた。海外向けの活動が増えるかもしれない。2023年は注目していきたい。
余談:快適な音楽フェス
久しぶりに参加した屋内フェスは、以前と同じ広さの会場とは思えないほど観客エリアが広く取られていた。スペースにゆとりがあり、各ステージを十分に堪能できた。
前回最後に参加したCDJでは規制入場と退場がきびしかった。それにも関わらず、ステージに向かう観客とステージから離れる観客がせまい通路でバッティングして移動がスムーズにできなかった。複数ステージが同時進行なので同じ時間帯にステージがあるアーティストが見られないのはあきらめがつくが、次のステージまでに間に合わないというのは想定外であり、当時非常に不満におもった。これが9年も時間が空いた理由のひとつである。
しかし、今年までにだいぶ解消されたみたいで少ないストレスで移動ができた。数万人単位で来場者があったようだけど、お酒の勢いで大騒ぎするような人はいない。安心感のあるフェスを体験できて満足だし、CDJは安全でまじめな音楽フェスといえる。