【桃ちゃんのお悩み相談】noteの方向性と収益について
今回の記事は、先日友達と開催した冷蔵庫企画のフリーザ賞入賞者、如月桃子さん、通称桃ちゃんのために書いている。
冷蔵庫企画表彰式
フリーザ賞 受賞作品
まず、桃ちゃんフリーザ賞受賞おめでとう。この賞状はどの賞品を選んでも入賞者にプレゼントすることにしている。
定番のスタンダード鳳凰賞状。
あと、桃ちゃんのふんわりした絵が好きだから、何かそれっぽい小鳥タッチのフレームを使ってみたヴァージョン。
賞品内容
フリーザ賞のC賞は「悩み相談に答えた記事を書く」というもの。桃ちゃんは俺への相談内容を丁寧な一本の記事にしてくれた。おかげで桃ちゃんの置かれた状況や境遇、考えていることがすごくわかりやすかった。だから俺も真剣に答えたい。
で、授賞作品、「ねぇ、フリーザ」でやっていたみたいに、アレクサ冷蔵庫風に対話形式で、桃ちゃんの記事へのアンサーを書いていこうと思った。「では、さっそく」以降。
①桃ちゃんの今の仕事の話
私が、悩んでいるのは、今後の方向性。上の記事のワディと似ている。
やりたいことはたくさんあるけど、なにからやっていいのかわからん状態に陥っている。私は、いま非常勤の学芸員として働き始めたところだけど、なんとなくここはずっといる場所ではないなと思っている。
非常に理想的な美術館ではある。
でも、「公」というのは、私にはやっぱり重すぎる。
「個」として動きたい気持ちのほうが大きい。
だから、いまは「個」で動けるように、準備しておきたいなと思っている。ざっくり何がやりたいかというと、このnoteでやっているようなことをもう少しきちんと動かしていきたい。
ああ、なるほど。桃ちゃんの悩み、一つ一つ一緒に考えていくか。
①仕事について、理想的だけどずっといる場所ではない。
「公」でなく「個」ってのは、今までの桃ちゃんの夢や適性がそうだったよなって俺も思った。桃ちゃんのやりたいことや夢は下の記事、「これから」で読んだけど、「公」的なもの、「学芸員として働く」って描写はなかったんだよな。
今の学芸員としての仕事は桃ちゃんにとって、漫画家がアシスタントをやるとか、自分のお店を持ちたいシェフが他店で仕事をするみたいな、本当にやりたい仕事の通過点に近いんじゃないかって思った。自分が必要だと思う期間だけ続けて、その後は本当に自分が望んでいる将来に備えるっていうのが俺もいいと思うよ。
②桃ちゃんの問題意識
・美術をもっと身近なものにしたい
学芸員は、ほとんど表に出てこない。(美術館の展示室にいるのは、学芸員ではなく、解説員の方々)。でも、私は、講演や展示解説というような仰々しいものだけではなく、もっとひとりひとりに寄り添って、気軽におしゃべりするように美術の話をしたい。
美術館の展示室にいるのって、学芸員じゃなくて、解説員の方々だったんか、知らんかった! うーんそれじゃ、どっちかっていうと桃ちゃんのやりたいことは解説員のほうに近いんだな。
・解説者だけでなく、表現者でもありたい
学芸員は、基本的に「作る人」ではない。教育普及系の方では作る方もいるけれど、それは美術教育を学んだ方(学校の美術の先生など)で、美術史専攻の私は、作ったものを受けとることだけを求められる。
展覧会も広い意味で言えばつくっているけれど、私は書きたいし、描きたい。
つくられたものを見るだけじゃなくて、自分でもつくっていきたい。
なるほど、こうやってみると今の「学芸員」は好きなジャンルではあるけど、桃ちゃんのやりたいことと微妙にずれているんだな。厨房で料理作りたいシェフが、皿洗いばっかりやらされているような感じか(笑)
それも修業期間だけならまだしも、ずっとそのポジションということなら、たしかに今の場所は桃ちゃんが長くいるところではないかもな。その場所から学べることも少しはあるにせよ、少しじゃ満足できないから悩んでいるんだろうし。
・ある程度の収入を得たい
先月の時点で、noteでの累計収入が10万を超えた。
noteでは、かなり多くサポートしていただいている方だと思う。でも、対時間で考えると、時間に見合った収入には全くなっていない。現状だと、普通にアルバイトした方が稼げる。でも、やりたいことと収入を結びつけたい。
noteの収入が10万超えられる人は滅多にいないと思う、すげーじゃん。
でもそれを現実的にとらえているのもわかる。
個人でネットで月に10万稼ぐってのは、アルバイトや会社勤めをして10万もらうよりずっと大変なことなんだよな。何しろ時給単位じゃなくて自分ではサポートされる額とかは選べないし、時給で考えると見合っていないってのもわかる。
一つの記事にサポートが五千円集まったとしても、その記事を書くのに10時間かかったとしたら(絵だとそれくらいかかるやつもあるだろ)時給500円とかだもんな。あーあと手数料も引かれるからもっと少なくなるな。毎日記事書いてもサポートが全部につくわけじゃないし、有料記事がどれくらい売れるか読めないし、サークル運営も続けるためにはメンテナンスにいろいろやらなきゃいけないだろうし。ただ決まった金額を稼ぎたいんじゃなくて、やりたいことと収入を結び付けたい、それは夢を持つ人間の永遠のテーマだな。
③桃ちゃんができること
・文章を書く
これまで7回編集部のオススメマガジンに入れてもらった。この回数で文章の質は測れるものではないと思っているけれど、ある程度読みやすい文章を書けるという指標にはなるかも。
いや、測れるな。文章の質が著しく低いものとか内輪でしか通用しない話とかはまず採用されない(笑) 俺も編集部のオススメマガジンを見たけど、辛い思いをした人が苦労を積み重ねていい結果を自力でもぎとっていく雑草根性のある話とか、ハートウォーミングな夫婦話、文学や芸術、ファッションのセンスを感じる話、ほかに書いている人がいないニッチなことを掘り下げた話とかが採用されている傾向にあるな。あと全部読みやすい文章だったから、その指標は正しい。くどい文章ってのはなかった印象。
・絵を描く
絵の質は正直高くない。もっと上手い人はいくらでもいる。
でも、受けとる人に合わせて描くのは、自分としても楽しいし、喜んでもらえることが多いと思う。
絵が上手い奴って皆そう言うんだよな(笑) ドラゴンボールの鳥山明もインタビューで「自分より上手い人はいくらでもいる」って言ってたぞw 絵が描ける人って案外少ないぞ、冷蔵庫企画も絵の参加は二つだけだったし。桃ちゃんの絵は可愛いし和むし、俺好きだよ。
・美術解説
美術マニアに、というよりは、美術にあまり興味がない人とか、興味はあるけれど近づき方がわからない人に向けた解説のほうが、得意かな。
そういえばあの美術解説の「個」展も盛り上がって、編集部に取り上げられていたよな、おめでとう。興味があるけど近づき方がわからない人こそ解説を必要としているんじゃねーかな。美術マニアは桃ちゃんみたいに配信側にまわってたりするからw
・その他
写真、料理、生け花も、できる。美的センスを必要とされるものが、割と得意。でも、何かがズバ抜けてできるというより、全部ほどほどにできるという感じ。よく言えばセンスの良い人、悪く言うと器用貧乏な人。
桃ちゃんの料理の写真とかは、暖色系で独特のセンスがあるんだよな。たしかに、興味のあるものが多いから、一つに集中せずにいろいろなことにどうしても分散しちまうんだよな。
一つのことしかやらない人間は、例えば絵を延々と書くから絵はすげー上手いけど、料理は全くできないとかそういう話になるよな。それはもうそっちのほうが絵が上手いとかいうより、その人の個性って気もする。料理ができるからこそ作れる話とか描ける絵ってのもあるだろうし。
④桃ちゃんの一番の悩み
やりたいこともあって、自分のできることもある程度わかっていて、なんとなくのビジョンもあるのだけど。
たぶんいちばん自分の中で方向性が見えないのが、収益化の部分かなぁ。数百円から、数万円のステップは、ワディのおかげで踏み出せた。
ワディの有料記事はたしかにいいことがたくさん書いてあるんだけど、買った奴全員が10万稼げているわけじゃないと思うんだよな。
ここまで来たのは桃ちゃんがワディの情報を自分の状況に置き換えて行動するのが上手かったこと、③で桃ちゃんがいっていたような特技を披露しながらやってきたことの実力の集大成だな。まずは10万超えおめでとう。そこまで稼げる奴はめったにいない。
つい半年前までは、月数百円のサポートが万単位のサポートになってはいるんだから、このままやりたいようにやってもよさそうなんだけど。
でも、ちょっとこのままだと詰むなぁ、と直感が告げている。
うん、それは正しい感覚だと俺も思う。詰むってわけじゃないだろうけど、ゆるく収入が前後する感じじゃねーかな、右肩上がりにファンがどんどん増えて、生活に必要な収入が得られるってことにするには、今のままでは難しい。別の工夫がいると思う。
サポートは、とてもうれしいんだけど、親しくなればなるほど、サポートって貰いづらい。最近は、サポートって、なんというか友達にお金貰っている感覚なんだよね。だから、もらい続けていると違和感があるわけ。
と、サポート欄を閉じて、サポートしてばかりいるフリーザさんに言うのもどうかと思うけど。
これ、ワディが以前サークルですごく似たようなこと言ってたぞ(笑) 同じ人に繰り返しもらうことになってしまうから何か悪い気がするってさ。
悩み方といい行き詰り方といい常に策略を張り巡らすことといい(笑)結構桃ちゃんとワディって似てるな。
俺はそういうこと考えるのがめんどくせーからサポート受け取らねーんだよ(笑) あと俺はワディやたまごまるほどサポートしてねーし、よっぽど気に入った作品出している人とかすごく人の役に立つコンテンツを作っている人とか、友達にしかやらんから。で、サポートする側としてはそこまで考えてなくて、軽い気持ちで記事お疲れって感じで珈琲買ってくるとか、そういう感覚なんだよな。まあ、遠慮するのも悪いことじゃないよ、サポートもらうたびに俺スゲエって考えるようになったら終わりだからw 嬉しいけどちょっと申し訳ないなーでもありがとうってのが一番自然な反応だし、何にでもジレンマってやつはあるよ。
そして、noteでの100円のサポートってすごくうれしい。でも、100円は100円なんだよね、とも思う。
そうなんだよな。noteの100円は普通の100円より重いけど、10人から100円もらっても1000円、さらに手数料も引かれるから、あれ結構ガッツリ持っていかれるだろ。ネット収入でウハウハってことにはならないってのはよくわかる。
うーん、まずは、焦らず仕事して、論文書き上げて、可処分時間を増やしてから踏み出したらいいのかな。
でも、ある程度の算段をつけない状態で踏み出す勇気が出ないというか。
こんなことを言うとかっこ悪いけれど。
自信がないんだ。
うん、まずは仕事を続ける。論文を書く。俺も冷蔵庫企画の時は、とにかく名簿作りと賞品づくりに集中してたから、まず「やらなければ」を片づけちまうのは大事だな。
ただ現状、ある程度の算段が必要なのはわかる。次の一歩が気になった状態だと、仕事や論文やっててもそのこと考えちまうだろ。
いまは、たまたまお仕事があるけれど、たぶん仕事していなくて時間がたくさんあったとしても、noteでの収入は大きく違わないと思う。
今のままだと、頑張っても月2〜3万が限界かな、と思う。
お小遣い稼ぎならこれでも十分なんだけど。
リアルに自分の能力を見積もっているけど、俺もそう思う。問題は時間の有無じゃない、noteの方向性っていうか、今のパトロン数、サポートの頻度、サークルメンバー等でだいたいのことはわかるもんな。お小遣い稼ぎならそれでいい、でも桃ちゃんがやりたいのは小遣い稼ぎじゃなくて、最初に言ってた、「やりたいことを収入に結び付けたい」ってことだろ。仕事にできるくらい、好きなことで金を稼ぎたいってこと。それなら100円サポートの積み重ねじゃ及ばないってことだ。
さぁ、次のステップに進むにはどうしたらいいでしょう。
事情は分かった。桃ちゃんのデータは全部取った。これ以降は、フリーザがそのデータをもとに考えた、桃ちゃんのステッププランだ。画面を切り替える。
⑤桃ちゃんが次のステップに進むには
これまでの対話から、桃ちゃんからとったデータと、桃ちゃんがこうなれば満足できるという解決策を書いていく。
「こんな人生にしたい」っていうのを明確にしていく作業だ。
①今の仕事は一生いるところではない→好きなことややりたいことで十分な収入を得てどっかで退職する。
②ひととおりできるけど器用貧乏→本当に得意な技を磨いてどれかのプロになる
③友達に繰り返しサポートをもらいつづけるのは心苦しい→友達、「個人」でなく「法人」から金をもらう。受け取るのが企業から得られる「給料」なら、自分の才能への対価として喜んで受け取れる。また、印税という形で、見えない読者から支払われるお金なら罪悪感は感じないはず。
これらの①、②、③を解決する方法。
それは、自分の得意分野で、企業が主催しているコンテストに応募して結果を出すことじゃねーかな。
それも、なるべく一流企業で、それなりの賞金をくれるようなコンテスト。かつそのコンテストに参加することによって、大勢の人に見られる可能性があるもの。
なぜコンテストをすすめるのか?
まず、コンテストというのは審査してくれるのも金を出してくれるのも企業。個人がくれるのは数百円、数千円のサポートだが、法人は数万、数十万をドカッとくれる、それこそが必要な収入になるし、それに遠慮なんかいらねえだろ。
そして「〇〇コンテストに入賞した」となると、世間の注目度も扱いも変わってくる。桃ちゃんは「編集部のおすすめ」に入るたびビューやスキが上がる経験はしているだろうけど、企業コンテストで結果を出せば、すべてにおいてその結果が期待できる。受賞を逃しても審査員の一人に引き立てられて、別の仕事をもらえたなんて話もある。一流企業をすすめるのは、規模が大きいぶん多くのプロジェクトを抱えていてそういうチャンスが多いから。
コンテストということでお祭り騒ぎで興味を持って作品を見る人も多い。だから作家も漫画家も画家も音楽家もモデルも料理人もバレリーナも、夢がある人は金を得るため、プロになるため、名をあげるために皆コンテストに応募する。一旗あげたいならコンテスト。
そして、コンテストに参加する作品となると、かなり気合入れて何かを作るだろ。普段何気なく書く文章、描くイラストよりかなりいいものを作ろうと言う意識が芽生えて、能力が向上する。
これらが、桃ちゃんが将来なりたいものに必ず直結することはなくても、何らかの形を残していくことで方向性が見えてくることもあると思う。
桃ちゃんに合いそうだと判断したコンテストの紹介
①講談社絵本新人賞
新人賞は賞金50万、佳作は20万で、絵本も刊行される。ただしこのコンテストでは印税は賞金に含まれている。
これをすすめた理由は、絵を描くことができるというスキル、かつ桃ちゃんの「いるかの絵本」が凄くよかったこと。
②欧州美術倶楽部、ドローイング版画コンクール
ワリィ、このコンクールは資料請求しないと詳細がわからないらしく、これには参加費用がかかるのか、賞品等があるのか等詳しいことはわからなかった。ただ、画廊を開くことを考えている桃ちゃんのことだから、こういった大手サロンの企画に参加してみることは意義があるんじゃねえかって思った。
③コミックエッセイコンテスト
受賞者は毎回5名、賞金は一律10万円。しかも担当編集がついて書籍化してくれるらしい。桃ちゃんは漫画というより、美術的な絵やイラストのほうが得意だと思うけど、コミックエッセイっていうのなら、ももちゃんの絵本みたいな調子で書けばいける気がする。
あとは、料理や写真なども探せばいろいろあると思う。詳細はこれでチェックしたり、興味のある分野をグーグル検索するのもあり。「美術 コンテスト」とかで探してみたら、気づかなかった分野のものが見つかるかもしれない。
こういうコンテストっていうのは、セミプロみたいなのが集まるやつもあれば、気軽に素人が賞をとれるものもあるんだよな。特にコミックエッセイなんかは皆素人っぽい、俺漫画好きだからよく読むんだけど。
とにかく何かで賞金を獲れば稼げるし、何かで結果を出せばツィッターやnoteの注目度なんかも変わってくる。
世間ってのはやっぱり、その人が何ができるかでなく、その人が何をやったかで判断しちまうところがあるんだよな。だから〇〇賞をとった人、なんて肩書はどっかでもぎとっておけば、何においても役立つと思う。
あと、絵本コンテストやコミックエッセイ等で大手出版社の編集が担当についたり人脈つくっておいたら、それこそギャラリー持ちたいとか思ったとき、広告やテナント探しに役に立つとかいろいろある。
まあこれは俺のほんの一案。今は必ずしもコンテストやコンクールに応募してみることが必要というより、自分自身が興味のある、稼げる情報を毎日探して、それに関するアンテナを高くしていることに答えがある気がするよ。毎日少しずつでも夢を叶える努力を続ければいい、それが何かに参加するということでも、情報を探すということでも。
フリーザ文学賞受賞おめでとう、桃ちゃん。「これから」の夢が叶うステップが整っていくことを祈ってる。