![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/130043052/rectangle_large_type_2_2ed86e7620f40ce1e7c3e4b2e7c9b827.jpeg?width=1200)
雪だるま
「親同士が決めた結婚やったけ、好いた人は
他におったと」
母が父ともめた後に呟くパンチイッパーツ
私に貼り付き積もる免罪符?
そして母はプチ家出をする。
ちっとも悲しくなかったし
むしろ嬉しかった。
大好きな厚子おばちゃん(母の妹)が来てくれ
「チコちゃん、母さんはすぐ帰るけ、
心配せんとき 淡雪作ろかね」
叔母の淡雪は優しい味がした。
叔母が他県に嫁いた後も夫婦喧嘩は続いた。
小学5年生になったある日
学校から帰った私は小さな目を見開いた。
庭先にあったのは雪だるま
見上げるくらい大きくて
帽子のふちどりやボタンまで刻まれていた。
父と母がふたりで作ったと言う。
大人になって
雪が積もると必ず雪だるまを作る私
私の雪だるまは小さくて細工も何もない。
![](https://assets.st-note.com/img/1707579566067-gjywlUpK6x.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1707579566066-cXHILqvWRl.jpg?width=1200)