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【創作文】アレが欲しい

A:「あのさ、俺今すぐにピンクのアレほしくなってきたんだけど」
B:「ピンクのアレ……? ああ、ピンクのアレか。いいね」
A:「なあ、どのピンクのアレがいいと思う?」
B:「うーん、俺なら左から三番目かな」
A:「へぇー。ちなみにそれ、いつの話の左から三番目のピンクのアレ?」
B:「二ヶ月前」
A:「あー、じゃあ今は左から三番目はお前が思っているピンクのアレじゃないわ」
B:「え? そうなの?」
A:「うん。今は多分、そのピンクのアレは一番右なんじゃないかな」
B:「へー、そうなんだ。じゃあ今の左から三番目のピンクのアレってどんな感じ?」
A:「うーん。ちょっとアレな感じだな」
B:「あー、ちょっとアレな感じか」
A:「うん」
B:「あれ? ピンクのアレって一回炎上してなかったっけ?」
A:「え? してたっけ?」
B:「あれ? してない?」
A:「オレンジのアレなら炎上してたけど」
B:「あ! オレンジのアレかー」
A:「うん」
B:「ごめん、ごめん! 勘違いしてた。ピンクはアレだ。何とかって賞を貰いそうになったけど、どっかの偉い人が『賞に値しない』って委員会にアレ持って乗り込んで、ワーッてなって、そのあとウオオオってなって、結局アレがアレしてその話無しになったんだよね」
A:「そうそう。だから、余計にピンクのアレ欲しくなってさ」
B:「あー、確かにこのくだりから考えるとピンクのアレ欲しくなってくるな。正直俺ずっとグリーンだったけど今は断然ピンクだわ」
A:「え? お前ずっとグリーンだったの?」
B:「うん」
A:「じゃあお前、堕天使ピンク?」
B:「うん」
A:「ふーん……。お前も簡単に堕天使になるのか」
B:「……」
A:「……」
B:「ごめん。やっぱ俺グリーン裏切れねえわ」
A:「だよな! いきなりピンクのアレに乗り換えとか有り得ねえもんな!」
B:「そ、そうだよ! あああ当たり前だろ?」
A:「ところでお前はどのグリーンのアレがいいんだ?」
B:「えっと、右から六番目かな」
A:「それ、いつの話の右から六番目のグリーン?」
B:「二ヶ月前」
A:「あー、じゃあ今も右から六番目だわ。グリーンは変わってないから」
B:「変わってない? 良かったあー。一瞬揺らいだけど、やっぱ俺はグリーンだわ。俺も今すぐグリーンのアレ欲しくなってきた」
A:「なあ、グリーンってレベルアップすると抹茶になるんだろ?」
B:「そうだよ」
A:「それ考えると俺もピンクと合わせてグリーン欲しくなってきたな」
B:「あー、悪い。グリーンはブルーとかグレーとかあの辺りはコラボってもいいけどピンクはダメなんだわ」
A:「え? そうなの?」
B:「うん。ピンクっていうか、暖色系? 何かそれ系は全般にダメらしくて」
A:「へー。もしピンクとコラボったらどうなんの?」
B:「抹茶権永久剥奪」
A:「げっ! それはやめといた方がいいな」
B:「だろ?」
A:「そっかー。分かった」
B:「グリーン結構縛りキツいんだよ」
A:「あー、グリーンってそんな感じするよな。はあ、今すぐピンクのアレ欲しい」
B:「俺もグリーンのアレ欲しい」
A:「アレ欲しい」
B:「今すぐ欲しい」
A:「早く……! この際左から三番目でもいいから、早く!! 早く欲しい!」
B:「おい、今からワーッてなってウオオオってやるか? 俺も早く欲しいんだよ。えへへへ」
A:「えへへへ」


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