いい子ちゃんアレルギー

昨今、女性向けのコンテンツのメディアミックス化が以前よりも活発化してきている。

少女漫画はもちろんのこと、乙女ゲームやBLなど多種多様だ。

それぞれ論考も出され、設定や企画自体がさらに練り上げられていると感じる。

そんな中でよく思うのは、性格の良い(むしろ良すぎる)ヒロインがイケメンと恋に落ちる話はもう飽きたよ問題。

イケメンがどんな女の子に恋に落ちるか説得力を持たせるために用いられるのが「ずばぬけた性格の良さ」という設定が多いったらありゃしない。

気を引かせる理由が外見というのは、あまりにも残酷(男の方はイケメンなのに?)となるのか、

ちょっと間抜けな、性格の良い女の子らしいヒロインが置かれる。

視点となる人物にはリアリティがあって、感情移入のしやすい人格や設定のぎりぎりを責めたのが上記なのだろう。

また、女性らしさがなくても、イケメンが主人公の外見を磨く話も根強い人気がある。(どの時代でも愛され、いろんな形で創作されてる印象がある)

そう言った話が量産されにされて、擦られに擦られ、ついに女性たちは声を上げ始めた。

「ヒロイン(主人公)、いい子ちゃんすぎない?」

乙女ゲーム界隈でよく起こるこの論争。

少女漫画でも起こっているのを目にするようになった。

主体性なく、イケメンに言い寄られて問題が解決するのふわふわと待ってんじゃねえよ。

ヒロインを複数用意した乙女向け作品の中で、従来に則ったヒロインを叩くコメントまで見受けられ、お姉さま方、どんだけ「いい子ちゃん嫌いなんだ……」と思ったものだ。

しかし、年が経つにつれて、思う。

「いい子ちゃん」は感情移入しずらい。

個性豊かなイケメンであることが大半である中、一般的な価値観もしくは、プレーンな個性を発揮することの多いヒロインが「いい子ちゃん」だと人間味がなくて、むしろ怖い!

ヒロインが性格の良さと能力だけでのし上がってくの、無理がある!

イケメンの個性のあり方を浮きだたせたいがため、また、女性に好かれるヒロインにするために「いい子ちゃん」にするのはわからんでもないが、それは制作側の都合ではなかろうか。

加えて、女性のロールモデルの少なさが、女性向けコンテンツにすら滲み出ているというのは一つの問題になりはしないだろうか。

世はキャリアウーマンが珍しくない時代。

ヒロインが能動的に仕事をこなしつつ、イケメンを落としまくって、お持ち帰りする女性向けコンテンツ待ってます。

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