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ドキドキ・・・ワクワク?

アナログ作家の創作・読書ノート      おおくぼ系


POD出版の短篇集『百日紅(ひやくじつこう)の海』を敬愛する文芸評論家の越田秀男先生にお贈りさせていただいたところ、いつもながらの丁重なる感想(評)をいただきました。先生は、図書新聞で同人誌時評を連載中で、テーマをもった一貫性は(系どんは越田節とよんでいますが)、すっきりとした評価となり、話題性をもっております。
また、評論誌『風の森』の巻頭で「黒衣/認識と表現の根拠ーー折口信夫『翁の発生』を読む」、「新石器時代を今も生きるナンビクワラ族ーーレビイ=ストロース『悲しき熱帯』及び折口、西郷」といった、やや学術研究に近い評論などを発表しておられます。
いつもながら、先生からの評を拝読するときは、ドキドキ、ハラハラで、この緊張感はたまりません。ありがたく、作家として至福の思いを味わい、次作への励みともなります。(なお、「ドッペルゲンガー 分身」については、別途、先に評を掲載しております。ヨロピク!です)


 ■■岸壁』■■
私も昨年白内障で眼内レンズを入れました 午後の手術で 次の日の午前 中には 包帯を取って ビックリするほど よく見えるようになっちゃった! 小説の中で指摘されているように 財政当局が診療点数の引き下げを行 おうとする気持ちは分りますね 廣鐘進が 白内障手術をジャンジャンやって 納税ランキング一位を目指 したように 各地で 腕に自信がある医師のジャンジャンが始まっているよう です ただ 補助スタッフは増やせても 手術を行うのは自分一人ですから 当然限界はでてきます すうちんの場合は 混合診療で 目~付けられち ゃった 日本の診療報酬制度は 資本主義のなかの 社会主義的部分ですね ず いぶんヘンチクリンな制度だと思っています ではどうすればいいのか と 問われて答えを用意しているわけではないのですが もうひとつ 日本の病院組織ですが 医者が 病院の中で 単なる従業 員の一人に過ぎない もちろん 医者が院長の場合は問題ないわけですが 経営との両立が問題になってきます そうでない場合は単なるスタッフの 一人 結構威張っているようで 頭を押さえつけられている 診療報酬で点 数評価されても その金は病院の収入である 冠動脈バイバス手術の南淵明宏さんに そんなことをすいぶん取材させ てもらいました この人 オーストラリアやシンガポールで修行してきて よ うするに医療制度がアメリカナイズされている国々ですよね 医者は病院に 直接帰属していない 自由の身 契約も自由 包丁~一本~サラシに巻い て~ すうちんがマレーシアにいってしまったのは なんの不思議もない よくできた小説だと思います

■■「かけまい!」 石清水と深山霧島■■
〝かけまい〟に超翁の存在がどうからんでくるか なんとも楽しい小説です 女二人は 男二人に引き摺られっぱなし と思いきや 大逆転で 生き残 ったのはオナゴ二人 ハブ vs 両刃剃刀対決! あれ? 仲良く共同経営? - 2 - そんなわけない 女同士の戦いが始まる! シャーマンは 男の場合も女 の場合もありますが 男のシャーマンは 結構 難行苦行をやらないと シ ャーマンになれない これ 全世界共通のことなんです 女はスンナリとシ ャーマンになれる ナゼか 女には子宮がある 子を宿すように 神を呼び 込むことが出来る機能を最初から持っている だから 最終的には 女が勝 つのだ!

■■百日紅の海■■
大正 11 年ワシントン海軍軍備制限条約というのは知りませんでしたね 核 拡散防止条約の前駆体のような条約ですね それが特殊潜水艇の研究開発 の促進材料にもなった 大量破壊兵器や生物化学兵器の促進材料になった のと似ている シドニー湾攻撃は真珠湾攻撃とは反対に「海軍葬の礼」をもって弔われた このこと自体 大スペクタクルドラマですね もちろん 特殊潜水艇による 真珠湾攻撃も 戦後 いろいろなことが明るみにでてきて これも大変なド ラマを生んでいるようですが 外交官の野之村とその娘 亜紀代に対して さつまの年長(おせ)二才(に せ)制度に浸かって育った 山陸中尉 嶋田中尉という取り合わせは なか なかの仕組みです 野之村は当然世界情勢が見えているし 総力戦研究所 のシミュレーション結果も知っている 山陸中尉 嶋田中尉も知ってはいるの でしょうが おかれている立場として 突っ走るしかない デリンジャーが物語をクライマックスへと誘いましたね 長編小説になって おかしくない 勿体ない感じでもありますが いろいろな物語性をコンパクトに集積した傑作です


    (適時、掲載します。今後ともヨロピク! です)


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