
まさか⁉
アナログ作家の創作・読書ノート おおくぼ系
タイトルの〈まさか⁈〉は、〈ま、作家〉と読んでくだっせ~。はっきしいってシャレのつもりですが、ダジャレにもなっていないか(笑)
以前もとりあげたように〈NOTE〉や〈YouTube〉において、はやくから小説の書き方講座が掲載されていたのだが、これも気づくのがおそかった。いつも ワンテンポ、ツウテンポ時代におくれているのだが、地方という、文化・芸術も育ちにくく情報や流行もタイムラグがある処では当然でもあるのでしょう?
現代は、作家を目指す場合に小説講座を受講するのが一般的(王道、メインロード)であり、ネットでも講座の開設や案内などが満載されているのだが、そのことにやっと気づいた。
紙本が主体のアナログ作家においては、そこの移り変わりがみえずに小説修行(?)のために、Q文學同人の門をたたいたのである。だが、ここは結構大所帯で、100人を超す同人がおり、競争社会であった。
同人会は紙小説の香りがただよっており、『花椿の伝言』を出したときには、結構読まれた。(そして、ノンフィクションの執筆依頼をもらったのだが……)
そののちNOTEやYouTubeに出会い、小説家や業界についての知識が格段に広がっていって、商業出版についての全容がみえるようになった。それは、SNSによる小説講座などをとおしてであった。
で、アナログ作家が学んだ、わかつきひかるの「作家志望者が作家に幻想を抱いている5つのこと」についてである。
1.まず、編集者が作家にペコペコする時代ではない。
2.面白い小説を書けばデビューできるは幻想である。
3.内容さえ良ければデビューできるも幻想である。
4.作家は締め切りに苦しんでいるというのも幻想である。
5.サイン本は付加価値つくというのも村上春樹が作り出した幻想である。
こうも幻想のオンパレードとなると、いかなる時代に生きているのかを、おしてしるべしである。作家業は、いかに厳しいのかが分かり愕然とするのではなかろうか。知るのが遅すぎた……(笑)作家のよき時代が急速に変化している。
わかつきひかる氏は、以前も述べたところだが、YouTubeでも〈小説道場〉をアップしていて、〈みなさん小説すきですか……自分でもかいてみたいとおもってはりますか〉という、京都弁のたおやかなフレーズと、メガネをかけた可愛い女性キャラについ誘い込まれてしまうのだが、今回話題としたいのは、5.のサイン本についてである。ひかる氏は村上春樹しかサインの価値はないとしているが、あにはからんや自身のサイン本を販売するサイトを公開しているのだ。
手順としては、「わかつきひかるのアマゾン欲しいものリスト」にアクセスし、その中の本を選択し、アマゾンの支払いをすませ、購入本をわかつき氏宛に、プレゼントで送付するという選択をする。すると購入した本が、わかつき氏へ届き、氏はサインをしたのち購入者へ返送してくれるものである。
なるほどと、のりやすい系どんは、さっそくアクセスしてみた。サイトでは2冊の著書が掲示されていたのだが、ひとつは『日曜ポルノ作家のすすめ』、もうひとつは『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』というものであった。
系どんは、なるほど!と、思ったかどうかしらないが、エイヤットばかり『日曜ポルノ作家のすすめ』を購入したのである(ハハハ)。
わかつき氏は、女性作家なのになぜポルノ小説を書くか、という問いに、あっさりと「ポルノを描くのが好きだから」と堂々と述べられている作家なのだ。
この本を読んで教えを学ぶ系どんは、ポルノ作家に変身か? 〈まさか⁈〉と、いうのが今回の次第である。
内心、本が届くのを楽しみにまっているのである。
で、オチが出たところで(?)、今回の読書の成果についてであるが、山内マリコの『あのこは貴族』である。
この作品は、東都の裕福な家庭に育った慶應大学生、華子の華麗な世界を描くとともに、地方の貧しい家庭ながら才媛である美紀が、慶應大学に入学し、二人の生き様を対比させたものである。ステータスをもつ令嬢と貧困の才女、現実世界をよく映している。気に入ったフレーズを二、三抜き書きすると、
――ヒエラルキーの上位は息苦しいほどのクローズドコミュニテイで、そこでは「誰々を知っている」ということがほとんどすべて。実力うんぬんではなく、人脈や出自がすべてなのだ。
――「女の人って、女同士で仲良くできないようにされてるんだよ」
――「男の人って女の人より、恋愛とかプライベートに割くパーセンテージが低いでしょう。」
この言葉は、われわれが作家になろうとするときにも当てはまるのではないか。現実はいつもきびし~い!
(適時、掲載します。ヨロピク!)