18歳だった

2011年3月11日

18歳だった、雪が降っていた、地震が起こった、歯医者の面接に行った。

高校時代の恩師が言っていた、「雪が降ろうが電車が止まろうが地震が起ころうが、何があっても面接にはおもむいて誠意を示さなければいけない。」就職活動真っ只中である生徒達に、まさかそんなことは起こらないだろうの例として述べていたことが実際に起こった日だった。

自分にとって唯一の社会人経験はあの日の記憶と連動している。面接では作文を書かされた。テーマは「私の好きな花」だった。なんだそりゃと思いながら、かすみ草が好きだと書いた。決して主役にはならないが、それがなければ花束は寂しいものになる。自分もそんなかすみ草のような陰の立役者で居たい。などと書いた。頭のかたそうなご年配の歯科医が好きそうな内容だなと我ながら思った。当たり前のように採用を頂いたが、あの時同時に面接を受けていたもう一人の女の子が採用されたらよかったのに、と死ぬほど思った。

採用されてからは歯科医の老害っぷりにメンタルをやられた。一生分の反省文を書いた。これを読みなさいそして感想文を提出しなさいと渡された社会人のHow to本に載っていた「秘すれば花」という言葉が忘れられない。あのまま辞めずに歯医者で働いてたらどうなっていたんだろう。チャトレにはならなかっただろうな。