約3ヶ月前、彼の転勤先が決まったとき、少し広い部屋を借りたら一緒に住む?と提案された。二つ返事で一緒に住むと答えた私。しかし破局した。彼は今、一人ではきっと持て余すんだろうなというような広さの部屋に住んでいる。

申し訳ないことをしたと思う気持ちは3ヶ月も経てば薄らぎ、新しく恋をし、心の衣替えは完了したものだと思っていた。そんな矢先、大変なニュースを観た。豪雨。新しく出来た好きな人と一緒にそのニュースを観ながら、知り合いがこの地域に住んでいる、連絡した方がいいのかな。と口走ってしまった。

正直もう会うことはないだろうし連絡先を手元に残していることもおかしいけど、知らない人ではないし心配であることには変わりはなかった。連絡をしてしまった。食糧物資の不足、交通網の破綻、何もかも私にはどうしてあげることも出来ず、ただただ後悔の念が残るだけとなった。

一日でも早くかつての穏やかな日常が戻ってきますようにと願うことしか出来ない。心配ありがとな。と彼は言った。私の中で何というかやっとこさひとつ踏ん切りがついたような気がした。さよなら大好きだった人。