成美ちゃんと葉月ちゃん

二人とも少年のような女の子だった。頭が良くて運動もできて、小学生とは思えない大人びた顔つきが凄く綺麗だった。成美ちゃんの隣を歩きたかった。葉月ちゃんの八重歯が好きだった。もっとたくさん話したかった。他の子供たちがその年齢から何年もかけて身に付けていくような聡明さを既に持ち合わせていた二人のことが好きだった。

頭の良い彼女らは当たり前のように中学受験をし、それを機に会うことはなくなった。連絡先も知らない。もう二度と会うことはないだろう。あれから十年以上経った。少年のようだった女の子達が大人の女性になっていることを想像すると凄く寂しくなる。少年を見るたび、彼女らの頼りない体から伸びる長くて華奢な手足を思い出す。