30歳までに
「○○ちゃんは何歳までに結婚したい?」
そう私に問う交際相手。
今となっては元交際相手からのその問いに、
「んー、あんまり考えたことないけど30歳までにとか?」
と当たり障りのない言葉で返事をした。
あれから3年、私は30歳になった。
多分この人と結婚するんだろうなと将来を見据えながら付き合った交際相手を軽率に振り、そのまま誰とも結婚をせず、
何一つ用のないこの大嫌いな街で変わらずに生きてしまっている。
地元に帰りたい。この街は一人で生きるにはあまりに難易度が高すぎる。ダメな自分の全てを受け止めて洗い流し抱きとめて笑い飛ばしてくれるような地元に帰りたい。
できればあのまま、あなたと生きていきたかった。軽率だった。
31歳になっても32歳になっても、たとえ何歳になったとしても私の卑しい心はきっとあの日の問いに、出せなかった答えに、描いた未来にとらわれ続けたままだ。
私と生きていたかった。とあなたは思ってくれている?
まだ見ぬ日々を、私はどこで誰と生きるのか。