コンプレックスのうまれかた
わたしは歯医者の予約を取るのが億劫なタイプの人間である。それゆえに定期検診をサボりまくり勝手に気まずくなり、かかりつけの歯医者をすぐ変える。そんなこともあって新しい歯医者に行くことが人よりも多い(?)わけだが、そこでほぼ100%の確率で聞かれることがある。
「くちびるはどうしたんですか?」
これである。これはわたしの下唇の右側について聞いているのだ。わたしの下唇の右側は少し腫れて赤くなっている、気づいていて気になった人もいたかもしれないし、全く知らなかったという人もいるだろう。ヘルペス?と聞かれることも少なくない。
しかしこれは多分もう治らない。わたしがまだ記憶も残らないほど小さかった頃、高熱を出しふらふらとその辺を歩いていた時に机にぶつけてしまった傷である。高熱を出したわたしはその後けいれんも起こし、医者は腫れ上がったくちびるとけいれんを起こすわたしの様子を見て虐待を疑ったらしい。
母親はこのエピソードをおもいでばなし程度に語ってきたのでわたしにとっても笑い話である。それは虐待疑われるわ笑 って。
そんなこともあってわたしはこのことを特に気にもしていなかったし、見慣れた自分の顔の一部として認識していた。
しかしあるとき、当時通っていた歯医者で血管が増える病気かもしれないから大きな病院に一度行ってみてもらった方がいいと言われ口腔外科を訪れた。検査の結果ただの傷あと、ということで病気などはなかった。
はあよかった、めでたしめでたし。じゃないんですねこれが。続きます、、、
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