【社内報】企画が社内報のすべてを決める!
頭が茹でるほど、考えろ!
前回も言いました。大切なことなので今回も言います。「読まれない前提」ですよ、社内報は。それを理解していない担当者が多い(私もそうでした)。
現代は時間との戦い。みんな忙しいんです、社内報を読むこと以外にいろいろすることがあるんです。みんなでランチしたり、インスタやってみたり、週末はデートしたり……今じゃリモート飲み会したりで、社内報なんか読む暇がないんです!
でも、読まれない社内報をいかにして読まれる社内報、心待ちにされる社内報にするか―そんなことが簡単にできたら、いいですよね。
えぇ、できますよ。
ポイントは「企画」です。社内報担当者の方なら、絶対に知っておかなければいけない(挑戦しなければいけない)のが、『経団連推薦社内報審査』。この審査の得点配分で最も多く取られているのが「企画」なんです。
ただし、社内報担当者の頭が茹でかえるほど、頭を使いまくってください。脳に汗をかく、そんな感じです。
では、どういう視点で頭を使うか。
・経営者目線(=企業として伝えたいこと)
・社員目線(=社員として知りたいこと)
この二軸から見た企画が重要です。これしかありません。ってか当たり前ですよね。でも、この当たり前ができないんです。
なぜか? 答えは簡単。こういう構図になるから……
・経営者目線
(担当者独自の目線=読まれないから、オモロイやつにしたろ〜)
・社員目線
「独自」と書きましたが、悪い言い方をすれば「根拠のない目線」、あるいは「的外れな目線」とでも言いましょうか……ナニを伝えていくべきかを明確に語れない社内報にありがちなごった煮社内報(=いわゆる「昭和の社内報」)はこんな状態に陥っています、大いに。
つまり、担当者が頭が茹でかえるほど企画を考えていないんです。
ナニを考えたらいいの?
頭が茹でかえるほど考え抜け! ……ナニを? ナニを考えたらいいのさ? まず御社の社内報でナニを伝えたいのかです。
以前、書きましたが、社内報はその企業を映し出す“鏡”です。どこにでもある社内報は一冊もありません。その会社独自のものが映し出されていなければいけないのです。
その会社独自のものとはなんでしょうか? それは『企業理念』、『経営理念』と呼ばれる、企業の根幹です。存在意義ですよね。企業は『企業理念』や『経営理念』実現のために運営されています(されているはずです)。多かれ少なかれ、その『企業理念』や『経営理念』には、いかにして社会に貢献していくか、が書かれていると思います。
その存在意義が、社内報に反映できているのか……社員のウケを狙って、面白おかしい企画ばかり載せていませんか? それは長続きしません。
「雑誌を作ろう」ということも書きました。ファション誌でも、一つとして同じ雑誌はありませんよね。それなぜかといえば、コンセプトがあるからです。それと同じで社内報もコンセプトを持たせましょう。
そう、そのコンセプトを考えることに頭を茹でかえらせてほしい。
その根拠となるのが『企業理念』や『経営理念』です。
いや、『企業理念』や『経営理念』でなくてもいいです。中期経営計画、あるいは企業として直面している課題解決を誌面に反映させてもいいでしょいう。最近ではドラッカーが提唱した「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を制定している企業もあるでしょう。
それらをコンセプト化し、そこから企画を考え出せば良いのです。簡単でしょ。例えば、中期ビジョン『20XX年までに売上高1,000億円を目指す』みたいなものがあったら、社内報の企画で『1,000億円あったらナニをする?』というテーマで、社員紹介も兼ねた企画ができますし、「1,000億円」という数値目標の“距離感”も縮まることでしょう。
アレだけは、絶対やめておけ!
「頭が茹でかえるほど考えて!」という一方で、「これだけは絶対避けてほしい」という企画があります。
それは……対談・座談会の類。もう一度言います。対談・座談会の類。
仮に社内報外注業者に制作を依頼されて、この類の企画ばっかり出してきたら、その企画書を丸めて投げつけてやりましょう。「手ぇ抜いて、金取ろうなんて、ウチをバカにしてんのか!」と。
なぜ「対談・座談会」を避けてほしいか? 読みますか、読者が。裏の事情を言いましょう。対談・座談会は大した企画を立てなくても、ページが稼げるので、お手軽なんですよ。デザインもしなくていいし。作る側は楽。
でも、それって読者のためになっていますか? そもそも社内報に興味がないんだからね。
対談・座談会をする場合、一番は「メンバー」です。このメンバーの取り合わせが興味をそそるものじゃない限り、やらないほうがいいです。ってかやるべきじゃない。
例えば……出世レースを繰り広げ、社内で派閥争いまである役員同士の対談だったら読むかもしれない(そもそもセッティングしたくない……)。
あ、あとね、対談・座談会で気をつけないと『経団連推薦社内報審査』のマイナス査定に引っかかります。有名な話ですが、ここでは書きません。
出たい! と思える企画を
読まれる社内報の共通点は「社員が生き生きとした表情で出ている」です。以前、「実は社内報に出たかったんですよ」とか「(ある一定の役職しか出られない)コーナーに出たいので、がんばります」というような声をよく聞きました。(今勤めている会社には社内報がないので、私は宝の持ち腐れをしています……どこか拾ってください、まじで)
社内報の一企画が、社員のモチベーションにつながっているというのは社内報担当者冥利につきますよね。
まず私が考えたのはそこでした。社員が読んで「ためになる」と思える社内報にしていくことが一番。もちろん、企業として伝えることをしっかりと伝えることも大事です。
一方で、私は中身のないような企画は考えませんでした。面白おかしい企画は結局「それで?」になる。継続性がない。連載していかなければいけないので、単発で息切れしてしまうようなものは作りませんでした。そういう企画は担当者の自己満ですので。
今回の結論!
・頭が茹でかえるほど、コンセプトを考え抜こう!
・企業理念、経営理念、中期ビジョン、社内の課題からコンセプトを導き出す!
・対談・座談会は安直企画だから、避けるべし!
・社員のモチベーションのための企画、社内報に出たいと思える企画を!
今回も長々と書いた記事にお付き合いいただきまして、まことにありがとうございました。