ちいかわ界でうつ病になりやすいのはシーサーだと思う〜元臨床心理学部うつ病人のちいかわ考察①
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) June 22, 2022
サンリオオタクですが、彼氏がちいかわ好きだったことで漫画を全て読破、アニメも全て視聴済みで現在も両方追っている繰言と申します。
私は大学時代臨床心理学科に在籍しており、そこでパンズラビリンスやインセプション等々の映画を見てストーリーや登場人物について心理学を元に考察しレポートを書くという授業がありました。
そこで一番良い評価を取っていた私として、ちいかわ考察してやろうじゃんか!とやる気になりました。久々に。大学出てからもう8年経つのですが。
で、私の今の状況も踏まえて
「ちいかわ界でうつ病になりやすいのはシーサーではないか」
と題して、シーサーを中心に周りの人物を含め考察していこうと思います。
一記事でまとめる予定でしたが、長くなるので(漫画の引用も含めるので)分けて投稿します。
大前提として、うつ病はみんながなる病気である
うつ病は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気だと考えられています。これらの神経伝達物質は精神を安定させたり、やる気を起こさせたりするものなので、減少すると無気力で憂うつな状態になってしまいます。
ですから、うつ病は決して怠けているわけでも、気の持ちようで何とかなるものでもありません。しかも、うつ病は日本人の約15人に1人が一生のうちにかかるという非常にありふれた病気です。
よく「うつ病になる人は心が弱い」「甘えている」といいますがそんなことはありません。そもそも心が弱いという考え方が誤りです。
なので、1番要領の良いうさぎでも、シゴデキラッコ先生でも、モモンガでもうつになる時はなるんです。
また反対に、優しい人がうつになりやすいというのも聞きますが、そんな事もないと思います。
私の経験談になりますが、元彼や元上司もうつ経験者ですが、2人とも性格が悪く、他人に厳しく自分に甘い、その結果「自分は病気になったけれどお前は病気じゃない、だからまだ努力が足りない」という発言をしていました。なので本当に、誰でもなる病気なんです。
ただ、なりやすい人としてはストレスに対してうまく適応できるか、受け流せるか、という所が苦手なのではと思います。
その見方をした際に、ちいかわの登場人物の中で1番シーサーがそれが苦手だと思いました。その理由について漫画を引用して説明していきます。
ちいかわ、ハチワレ、うさぎの対応とシーサーの対応についての比較
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) August 25, 2024
こちらは先月のちいかわの漫画になります。
このシーンで、悪役(ストレッサー)としてモモンガが登場します。
それに対しての3人(匹なのかもしれませんが、数え方が不明なので今後キャラクターたちは人の単位で記述します)の対応はそれぞれうまく適応していると思いました。3人の対応と、シーサーの対応について比較していきたいと思います。
①ちいかわとシーサー
「ちいかわは泣いてるし弱そうだしいじめたくなる」という意見もネットでは見られますが、私はちいかわはいじめにくい性格だと思います。なぜなら自分がされたことに対して、「イヤッ」と反抗できたり、大きな声で泣けるからです。これはまず相手、それから周囲に自分が苦痛を感じていることを伝えられることは勿論、自分自身にも感情を自覚させる事ができ、また発散する事ができます。
学校で置き換えてみると、いじめの対象になる人物というのは反抗しない事が殆どです。なぜなら先生や周囲にバレて仕舞えばいじめた側は損をします。いちいち大声でちいかわのように「いやだ」と言い泣く相手では、周囲のハチワレ、うさぎのポジションである人物の監視の目が入ってしまいます。
ちいかわのように感情を出さず、ストレスに対してみないふりや感情に蓋をしてしまった場合、それ(ストレス)は消えるわけではありません。他のもので発散できればいいのですが、そうでない場合は徐々に蓄積されていきます。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) July 4, 2022
こちらはシーサーが努力して得たスーパーアルバイターという資格制度、そして店で働くという生き甲斐が無くなってしまうかもしれないという話を聞いた場面になります。
ここでちいかわなら、その場で落ち込んでしまったり、家でぬいぐるみを抱きしめてプルプル泣くと思うのですが、シーサーにそのような場面は見られません。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) July 5, 2022
何も知らなかったのように、笑顔で仕事を続けます。
心配そうにする鎧さんもうつっていますが、ここで「無くなるんですか?」とすぐ確認することはシーサーはしません。
②ハチワレとシーサー
ちいかわの子供向けの、友達についての本を少し試し読みした際、対応として「モモンガは悪い対応、ちいかわは泣かない方がいい、ハチワレは良い」という大人の意図が伝わって来てすごく悲しくなりました。そもそもちいかわは泣いてるからウケたんだろうかという感想は置いておきます。
そのように「いかにも良い子」のハチワレですが、意外とパーソナルスペース(相手との距離感)を守っていると思います。
先ほどのシーンでは、ハチワレはモモンガがスイカを発見したことについては、モモンガに対し「ありがとッ」と感謝を述べています。
ここまでは誰でもできますが、その後スイカの種を取れとモモンガがちいかわにつめより、ちいかわが「ヤダーッ」と大声を出し泣きます。
その時ハチワレは「アララ」としか言いません。助けないのです。
ちいかわを助けようとうさぎのように行く事も、その後ちいかわに「大丈夫?」と声をかけることもしません。意外と見守るだけなのです。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) November 6, 2021
こちらのシーン。
アニメで最近放映されたところでもあります。
こちらでもハチワレはちいかわが泣いても、「泣いちゃった」と言うだけです。
この「泣いちゃった」と言うセリフのある場面はたびたび漫画で登場しますが、ハチワレはちいかわと一緒に落ち込む事や泣くといったことはしません。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) June 15, 2020
こちらのシーンでは、ハチワレは「泣いちゃった!!」と言った後、「どしたのー」「こわかった?」と発言しています。ちいかわの気持ちに寄り添ったり、ちいかわの立場で考えれば「一緒に倒せなくて悔しかったんじゃないか」と考えることも出来そうですが、意外とそこまでは考え込まないのがハチワレです。そういうと一見冷たいと思われるかもしれませんが、これは自分の心を自衛するのに良いと思います。相手が泣いている時、悲しんでいる(ストレスがある)のはあくまで相手の問題であり、自分は無関係であると認識するのは大切な事です。
そしてハチワレはちいかわを見放したりはしないので、丁度良い距離感だといえます。
対してシーサーですが、
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) August 29, 2021
シーサーは相手の立場になって考えるタイプです。
こちらのシーンでは「この人(くりまんじゅう)はラーメンが食べたかったのだろうな、お腹が空いているだろうな、夜だから他のお店もやっていないだろうな」と考えなければ、ステーキは出せません。そしてそれは店のサービスではなく、「勝手にッ」と鎧さんが言うように、シーサーの意思で行った事です。
もちろんこれは「やさしい」行為ですし、くりまんじゅうと今後も交流を持つので良いのですが、それが報われなかった場合、また今後ステーキが出せなかった時に相手に怒られるというリスクも孕んできます。
この行動は美談としてとらえがちですが、自分と相手とのパーソナルスペースが守れていないという事にも捉えられます。
③うさぎとシーサー
先ほどのスイカのシーンでは、うさぎはスイカのタネを飛ばしてモモンガに当て、その場を仲裁します。
ですがそれはちいかわに恩を着せるためでも、モモンガが心から憎いからというわけでもありません。その時の自分の気持ちに従い行動をしたまでです。
マシュマロ pic.twitter.com/j4G9sMLAVn
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) March 25, 2020
これはかなり初期の頃のシーンですが、これはうさぎは「ちいかわを助けたいから」火を消したというより、「火を消せばちいかわも泣きやむし自分は焼きマシュマロが食べられる」と合理的に判断したと考えた方が、うさぎの人間性として当てはまると思います。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) May 31, 2021
またこちらはスイカのシーンと同じく悪役ポジションのモモンガとのシーンです。
ここでうさぎは、モモンガに「パンをよこせ」と言われても、ただ渡すのではなく交換条件を提案します。そしてモモンガにそれを拒否され煽られると、怒るでも悲しむでもなく、おちょくり返すのです。
うさぎは「強い」と検索ワードがヒットするのですが、私はうさぎは「どうしたら自分が楽しく生きられるか」という事に対して合理的に考えているのだと思います。もちろん身体能力もありますが、こちらのパンのシーンではうさぎは「強い」というわけではありません。対応力や頭の回転が良いという事が総じて「強い」と言われる所以なのではないでしょうか。
そしてまたそれに対してシーサーなのですが、
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) August 23, 2021
「それなぁに?」と聞かれただけの、赤の他人で初対面の2人に対し、シーサーはさたぱんびんを一つづつ渡します。
これはシーサーの初登場シーンであり、漫画としてちいかわたちと交流をもたせるためにやっているという見方もあります。ですが、「欲しい」と言われたわけでもなく、お腹を空かせているわけでもなく、なにか自分にメリットがあるわけでもないのに2人に対して残りのさたぱんびんを2つも渡してしまうというのは、うさぎと比べて自分が損をする生き方でもあります。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) October 3, 2021
またこちらはくりまんじゅうとのシーンです。
こちらも、くりまんじゅうは別に「コーヒーを入れてほしい」とは言っておりません。ただ目があっただけです。
そしてシーサーは、相手が喜ぶと思い泡盛とコーヒーを合わせた飲み方を注いで提供します。
これはシーサーの優しさです。ですが、先程のちいかわたちにさたぱんびんをあげた事のように、他人に対して奉仕的すぎるとも捉えられます。