Should I Read Technical Articles in English?
おはようございます。515hikaru です。
もう 8 月も終わりですね。1 ヶ月が過ぎるのが本当に早い。今月は個人的にもなんだか色々あって、結構目まぐるしい 1 ヶ月でした。
9 月は結構休みがあるし、夏季休暇もとる予定なので今から既に楽しみです。
英語の記事を読むべきか?
結構前のプレスリリースなんですが、Tech Feed Pro というサービスに英語の技術記事を読みやすくするための機能がいくつか導入されていました。
その背景には、
良質な英語記事の約97%は日本でほぼ知られず終わっています。
といった調査結果があり、このような機能の開発を行なったそうです。
メディア名を出すのは避けますが、英語記事を雑に日本語にしているだけのメディアを会社の Slack でも共有する人がいたりします(やめてほしい)。ですがそういうメディアが読まれるのも原文を読むのは面倒だ、ハードルがあるという意識があるからでしょう。
それは僕にもあります。今でこそ日常的に英語記事を目にしていますが、正直気が乗らないと読まないですし、混み入ったニュースだと日本語記事を探したりします。
英語記事を読むメリット・デメリット
一方で誰でも英語で書かれた記事を読むべきかというと必ずしもそうではない気がします。
英語の記事だから得られるメリットは大きくわけて 2 つあって、ひとつは情報が早いこと、もうひとつは情報源が増えることです。
基本的には外国で流行ったものがそのまま日本にもやってくるのがソフトウェアの世界です。なので、ソフトウエアやサービスのドキュメントとかチュートリアルとかがまずは英語が整備されていることが多いです。日本語に翻訳されたり、日本人の開発者の誰かが布教活動を始めるのを待たずに英語を読むことで、早く情報を得られます。
そしてもうひとつは情報源が増えることです。日本語を書く開発者よりもずっと多くの英語を書く開発者がいます。そのため、英語で調べるだけで単純に該当する記事の量が増えます。量が多いために結果として質が高い記事の数も増えます。
一方で、情報源が増えることは良いことばかりでもありません。単純に情報が増えると見逃す、関係ないものも検索にひっかかるといったことも起きます。
また質についても、日本語の記事よりも玉石混淆だという印象があります。Dev とかみていると、言語が違うだけで別に Qiita と大差はないことがわかるでしょう。
あとは語学力次第ですが、基本的に日本人は英語の記事を読むとその記事に対する解像度が下がりやすいでしょう。あるいはよく理解するのに時間がかかるかもしれません。全部英語を情報源にしよう!とか意気込むとひとつのことを知るのにも時間がかかりすぎて大変だと思います。
どういう人が英語記事に手を出すべきか
正直なところ、英語あんまり読まなくたってソフトウェアエンジニアにはたぶんなれます。むしろ日本語とか英語とか関係なく、日常的に情報収集をしている人はあまりいません。
そもそも論ですが、情報収集の習慣がない人(で習慣をつけたい人)は日本語とか英語とか関係なく習慣づけから始めるべきだと思います。
日本語での情報収集の習慣が既にあれば、英語の記事に手を出してみるのもいいでしょう。簡単なところからいえば、日本語に翻訳されているものを英語で読んでみるのがまずはおすすめです。ある種の"答え"が既にありますし、OSS のドキュメントとかなら誤訳を見つけたら Contribution Chance かもしれません。
他にも、日本人がシェアした・おすすめしている英語記事を読んでみるのも手です。Tech Feed Pro はまさしくそういうプラットフォームですね。
英語記事の情報源
最後に個人的な情報源を挙げておきます。
基本的に、僕は外国の方のブログとかはあまり購読していません。だから特定の人をフォローしているというより、キュレーションされたものとか、不特定多数の人が投稿しているメディアから拾い読みをしています。
まず、ド定番の Hacker News です。海外版はてなブックマークのテクノロジータブみたいなものですね。頻繁に更新されていて量が多いので、気が向いたら追う程度にしてます。
それから Stackoverflow Newsletter をよく読んでます。これは Stackoverflow の面白い質問や、おすすめ記事を紹介しているニュースレターです。興味深い内容が毎週掲載されているので好きです。
あとは Medium でいくつかフォローしてます。Better Programming とか ITNEXT とか。タイトルみて面白そうだったら読んでます。
これはあくまで一例で、本当にいろいろあるので興味があれば探してみてください。
OnlyFans 騒動
社会問題ですね。冗談ではなく。
まず前提として、OnlyFans はアダルトコンテンツの公開が可能な場所です。そして、このプラットフォーム上で生計を立てているセックスワーカーの方が存在します。日本だとあまり類似サービスが思いつかないですが、Fantia とかが近いかな?
さて、OnlyFans の今回の騒動の経緯を簡単に書くと、
・OnlyFansが今年の10月1日からアダルトコンテンツの公開を禁止するポリシー変更を予定していた
・OnlyFans は銀行等の圧力でそうせざるを得ないと説明していた
・セックスワーカーの方々から猛反発があった
・OnlyFans はこのポリシー変更に関する多くの方の意見を聞き、ポリシー変更を一時的に中止とした(イマココ)
という感じです。
僕はかつて『貧困とセックス』という本を読んで、この話題がいかにセンシティブなのか、かつ誤解を生みやすい状況にあるのかを少しは把握しているつもりです。この本は日本での話ですが、
"This is something the anti-porn and anti-trafficking organizations have been pushing for, but I think it's going to create more trafficking situations," says Alana Evans, a veteran adult movie actress and president of the Adult Performers Actors Guild.
と述べられているあたり、諸外国でもあまり状況は変わらないようです。
こういう話、自分も男性である意味利害関係者なので非常にコメントに困るんですが(なんで取り上げてるんだ)、言葉を選んでコメントしますと。
プラットフォームの上でお金を稼ぐとき、プラットフォームの事情にどうしても振り回されますし、ある程度は仕方ないことだと思います。今回はたまたまセックスワーカーの方でしたが、別に YouTuber も Instagram のインフルエンサーも構造は変わりません。先週紹介した Zoom というプラットフォームの上でビジネスをやる場合も一緒ですね。
しかし、プラットフォームが無責任にポリシーを変えて良いわけはなく、ましてや今回のような一律で特定のコンテンツを禁止する変更はあまりに影響が大きすぎるでしょう。
それに加えて、(プラットフォームはあくまで営利企業であって社会問題に対処する団体ではないですが、)おそらくこの措置はあまり社会を良くしません。逆説的ですが、セックスワーカーの方をあるプラットフォームが拒絶すれば、その方々は違うところに同じような仕事をしにいくことになります。結局、やったことは目を背けたのと一緒で、寄り添ったことにも救ったことにもなりません。これは OnlyFans ユーザー以外にも影響を及ぼすようなことです。
現状がベストだというつもりは全くありませんが、いまは OnlyFans の言うとおり Inclusive なプラットフォームを目指すのが一番良い方向なのではないという気がします。
あとがき
今週は久々に?ブログの更新をしませんでした。
何度かエディタには向かったんですが、Twitter のつぶやき 3 つぶんくらいの記事にしかならなくて公開していません。
先週も書いたように今はそういう時期なのかなと思って特に気にしてません。別に書けないわけじゃない、というのはこのニュースレターが物語ってますし。
なんだか公私ともにいろいろあって、この頃ふわふわしています。自分がまた変わり始めたり、生活も変わり始めたり。こういう時期はわかりやすく切り取れるような自分の生活の断面みたいなものがなくて、あまり言葉にできないです。
ま、そのうち慣れますよ。そのうち。
まだまだ暑い時期が続きますが、お体にはくれぐれもお気をつけください。それではまた。
Original: Should I Read Technical Articles in English?
https://www.getrevue.co/profile/515hikaru/issues/should-i-read-technical-articles-in-english-731729