第四章(前)
「その二人の先生は社会の名料理人だそうだ。名料理人の門下はもともと三人の弟子がいるけど、もう一人は?殺されちゃったそうだ。食あたりに関係があるその仮の料理人に!それは当事者の言葉だった。
三人誰でも世に出る前に名料理人が不治の病で亡くなった。仲の良い三人が名料理人の形見を片付けた時、案外に不思議なレシピを手に入れた。誰でも『知っらない、』『見たことがない』ものだったそうだ。それには誰も聞こえるのさえもない料理の作り方や、植物の絵みたいなものが載せてばかりいる。形見の古い手紙を読むと三人が割り切った。それは神龍架原始林などのいくつの未開化の地域冒険に基づいて作り上げられたレシピだ。それは確か二十世紀、いや、十九世紀の古いもの。なんか先祖伝来みたいな物なんだ。その時の三人が全くそれに夢中しちゃった。するといくつ神秘な食材(しょくぶつ)を探すために三人が神龍架に着いて、そして地元の人々の目も農林省監視のも忍んで、こっそりと原始林に入り込んだ。
彼らが旅行のガイドさんといっしょにたくさんの村である植物を尋ねてたけど、なんの出来もなかった。その原始林は地元の住人の民俗から見ても当地の規定から見ても忌むべきところだから、その植物を探すためにガイドさんをわざと遠ざけた。とうとう、地元のガイドのない三人が迷路した。
彼らが幽かに光った茸を求めるため真っ暗な洞窟で方向感覚を失ってしまった。ようやく食も切れて、水も少しだけ残っている瀬戸際になった。実ははじめて道を選んぶきっかけで何度も喧嘩して、いくら玉の硬さみたいな仲でも、いろいろあったため、もうひびが入った。洞窟の奥に歩いていくほど三人の心を苦しめるのは道の険しさだけではなく、蛇、蟆、蚊、毒虫なども避けないと、さすが命にかかったことなんだろう。前の二つはもとより怖いけど、一番恐ろしいのはやっぱ神龍架ならではの山間の奇態なことなんだって。世に流れていた噂のことに対しては三人がほとんどはまってしまった。例えばあの時一番大人気になっていたイエティの怪しい吠え声とか。
でも、そんあ場になっても、仮の料理人がよく二人の勧めを聞かずに意地を張ってそのレシピを持って次の洞窟に入ろうとする。二人が観念させるつもりがったけど、なぜか知らないけど、諦めてしまった。そのため悲劇が起こった」
「あの、どういうつもりなのかい。そうやって命を失ったらそれまでだくらいのことってわからないわけがないだろう。全く無謀なやり方なんじゃろう。気が狂ったに違いないんじゃん!」
一つ、二つ、いくつかの戸惑いをそそのかしてきたところはさっきから髪の毛の間のふけを取り出すように各々と追究されていた、袁章にだけではなく、一気に残ったコーラを飲み干したボールをどっかと押したまま、大きな目をして語り手を睨んでいる人がいる。
「だから、言ってば、噂だから、真偽もわからないぞ。まあまあ、確かに言ったとおりなんだけど、よく考えて、二人でも一人の考えを変えることができない。もしかしてその人の中にはなにか特別なところがあるかもしれないとしてもって言っても、人は人なんてさっき言ったみたいな疑問が起こらないものではないね。だからお気持ちが理解できないものでもない。って、袁章、どう思ってるの、」
「いや、それは、穎毅然のようにそこまで怒るほどじゃないけど、なんだかむやむやしているね、多分そういう感じなんか、」
「なら、続き、やっぱやめるほうがいいかな。どうせ一人の戯言って見られたらね。」
「いやいや、ぜひ続きをください。興奮しすぎて、つい口を挟んでしまった。ついね、ごめん、」
「そうだね、このまま終わらせるといい夢もできず、恐らく眠れないようになるだろう。確かに、聴衆である以上、その上に静かにしないとね、まあ実はこっちもいろんな疑問あるけど、ごめん、どうか最後までお願い」
「はい。洞窟というと、その広さと複雑さは三人の予想より遥かに越えた。手元の標はこの前大分使ったから、洞窟のいくつの追分を過ぎて使い切ってしまった。二人が生きるために仮の料理人を捨てるつもりらしかったけど、道を振り返ると前の標が前のままじゃないようになってしまった。二人がすぐにそのことを伝えた。それを聞いて、狂っていた仮の料理人さえ歩みも止めた。三人が乱れた標の導きに従って進んできたため、体力をだいぶ損耗しちゃった。やむを得ず、三人がやや乾いた地面に伏した。料理人は目を覚ました時、二人の姿がなくなったことに気がづいた。どんなに叫んでもただ木霊された自分の声がするだけだった。
少し頭を冷まして、『小用やってくる』二人に関するうろ覚えがじわとはっきりするようになったが、寒気に染み込んだ料理人が毛布を体にぐるりしたまま、懐中電灯を探った。つけると、誰もいない。他の二人は腕時計を持っているけど、料理人はない。暗いところで長くいると時間の流れ感も乱れるのも普通だろう。運が良いというか、なんというか料理人がまったく慌てて、いくつの洞窟を巡りかけた末に出口に辿り着いた。そして一生の中でも一番凄まじいと言える光景を見た。
ちょっと、これからの内容は一番詳しく載せた部分だから、前テバの記事は書き手に削除されてしまったけど、その部分に惹かれたからつい筆で記録してから携帯でメモした」
「では、続きだ。ちょうど朝だった。時間も早くて、山の奥にも加わって、一面の薄霧のため、洞窟を出たばかりだし、料理人その目には物体の輪郭がよく見えるのもやすくなかった。そのものの模様をしっかり捉える前に、濃い血の匂いがした。その空気に満ちた普通農家で屠られたばかりの家畜の血の匂いより何十倍以上、屠畜場での錆びた味よりもっと濃厚で、濃くて口の粘膜に何枚の錆びた鉄片をむりやり塞がされるくらいの酸っぱさが空気に漂っている。それは人にこそ属した、それに死んだばかりのはずな死体に属した大量の鮮血だった。
料理人の前方には、全身は血まみれで赤く染め上げられた人が跪いていた。
『そやつが畜生だ!畜生目、地獄へ連れ去られるべきくそ野郎!ああ、痛い!目!目!目!痛い!』
それは人が死の恐怖に無限に接する時こその断末魔の悲鳴だった。体は服もズボンもあっちこっちにも細い口が綻びて、肉がすでに皮膚のうちから翻って、鮮血がわくわくと湧いていた。その声は前と随分変わったが、その人の名前を呼んでみた。声を聞くと、がっくりと両手は顔から垂れた。なんの粘液に混じた血の糸が眼球のない空き穴から顎まで垂れていて、止まらずにたらたらと流れていた。
『速く、速く逃げろ!そやつ、その畜生目に見つけられる前に、速く!』
乾いた声に満ちた悔みも悲しみも恨みもその体が間もなく血だまりにぱっと倒れて固まった」
「これは、これは、身の毛がよだつほど詳しい描写だった。少し折ってもいいの、話のことって、ちょっと一服やってくる。穎毅然も大丈夫なの、」
「こっちはいいんだけど、陳、って、なんだっけ、ああ、陳欣明、陳さんの意思に聞けば十分だよね」
「あら、そう言われた以上、乗ったぞ!一服しよう。そういえば、カードキー持っているの、実は前に私もインターンシップの身としてやってきたから、ちょっと運が悪くて、もらったカードは期限が切れて、警衛になんとか身分を証明してやっと入れてもらった、ったく。鐘明景がそのホテルの管理制度に手を出して以来、エピソードが少なく出てしまったけど、まあまあ、喋るに値しないことばかりだ」
「っていうか、なんでいきなり歩みを止めてしまったの、あ!ごめんごめん。忘れてしまった、来たばかりなのに、ハハハ、」
細長いの廊下には三人いるだけだ。
きょろきょろ見たりしている二人を見ると、陳欣明は歩幅をずつ縮めていて、立ち止まった二人と並んだ。そして周りの二人にここのレイアウトを詳しく説明し始める。
寮は別館に設置されている。それに地下で、なかの通路は“L”のような形で、男なのは横で、女なのは縦だ。銭湯の外室は着替えに用意されるところで、そこに繋がっているところはたくさんのケースが並んでいる。銭湯と言われるが普通の風呂場より広いがシャワーだけ堪能できるくらいのところだ。
トイレならば、銭湯の外の両側は一つずつだ。銭湯の外の洗面所の右手にはトイレが一つで、それ以外に生活地域には男女別々のトイレは一つずつある。
廊下の広さは大きなカートとちょうど十人もの男が並行するのは無理はない程度だ。地下ならではの回廊の寂を慰めるようにウェイターたちの絵でも、各部門の旅の記念写真とかあっちこっち見える。
地下と言っても外はガレージ用のところに同じ水平線に位するが、大分距離隔たっているので、なんの音すら聞こえない。仕事で着用した服の洗濯は只で横の男子寮の向う側に広くないも狭くない服装庫の係に依頼すればいい。ウェイターたちの生活用品に関連するところは当然で、冷凍庫や納戸も二つもある。電波の影響を抑えるためにいつまでも地面の客室のコールセンターに連絡が取れるように地下通信課のオフィスが二つ開いている。
ここの地形なら、実は“L”より“口”の上の横線のないような地形こそもっともだ。“L”縦の果てに左側に位する。縦のドアの後ろは二つのエレベーターがある。そして左側のドアは上に繋がっている緑漆で染まった石の狭い階段で、ドアの向う側のドアは複雑な給水装置があるところだ。二階も三階もホテルの各部門の執務オフィスで、食堂は三階にある。地面への出口は一階のエレベーターを出て右の果てに折って着ける。ちなみに“L”の横線のちょっと右側にホテルのキッチンへの通路を隔てる大きなドアが毎朝5時に解錠されることになっている。
上記の“L”の横のドアの後ろは前より半分くらい広くなっているというところで、左側の上への階段を登るまいと、下への階段を下りるまいとガレージにも接続している。前へ70mくらい歩いて、左側はいろいろな地元名産品の大型販売店の倉庫で、倉庫には地面に繋がっているエレベーターがある、右側には長いトンネルに接するところはホテルの後ろの露天ガーデンだ。そのホテルに相応しくない広さが備わった展望台にも通れる一つの道として、更けると蘇州の夜の景色が眺められる。その夜景をわざと見に来る客が少なくない。また、横のドアの右側に三つずつに相対しているエレベーターがロービや客用の室の階にも繋がっているが、相応しいカードをしないといけないが、もともとホテルの客専用の三つのエレベーターはより奥に、壁に隔てられたところに設置している。特別の用のない客がもともとこちらに来るのは別の話だ。
説明が終わっているが、二人がまだ目を張って陳欣明のほうにぼうっとしたままで。
「聞いただけなら、まあ、たしかに複雑なんだ。とにかく、自分で歩いてみよう。歩いてみると易い易いんじゃん!外出でも食事でもそのエレベーターをもっともっと使ってね」
「えっ、袁章は階段登りの趣味がないの、」
「えっ、陳欣明にはあるの、」
「まさか、」
「ハハハ、」
ホテルを出たら、袁章がライターで自分のタバコと陳欣明のも燃やした。
「えっ、君、すまん、なんだっけ」
陳欣明がタバコを穎毅然へ渡そうところを、
「穎毅然だ。あっ、私なら、結構だ。タバコを吸っていないから」穎毅然が右手を軽く振って、陳欣明のタバコを遠慮した。
「そうか、まあいい。タバコなんてものに触らないほうがいいぞ。何度もやめる決心をつけたのに、再び吸ってしまった。それだけならましだけど、気がつくと一気に二箱も吸ってしまった。本当にきつい」
「あ、わかるわかる、みんなそんな経験はだいたい同じなんだね。わかるわかる」
二人が自分のタバコについての経験談に花が咲く途中、穎毅然の携帯が鳴きだした。
穎毅然が二人に軽く頷いてから、背いて陰に小走りに行った。
携帯のナンバーを確かめると、手が震えだした。二人がまだ楽しく話し合っていて、こちらのことに注意を引いていない状況が判った穎毅然が小心翼々と、携帯を少しずつ耳に当てた。
「もし、もし、父さん」
「って、今回は随分早かったね。前なら何度も着拒されちゃった。何度もしたってようやく受けて。貴様いったいどういうつもりなの、あ!?ところで、午後の件はもう決めたのか。やっぱテストを受けたほうがいいぞ、こっちは思っているけど、お前ずっと考えを出してくれていないのに、こっちには就業の道あるのに、国有企業だから穏やかな給料もちゃんと保障されているけど、今のお前の身で入ったら、この一生は多分俺みたいに普通の労働者として一生を送っていくかもしれないけど、でもお前が本科生になったら運命が一瞬と変われることじゃないけど、就業の道も広くなるわけだよ。考えていることはわからないものじゃない。こういう仕事につきたくないだろう。しかし仕方がないことなんだろう。専科生、まして日本語専門!それを思うたびに、つい未来が心配でたまらないよ。たとえその学校に受かれないとしても、せめてテストでも、」
「だから、言ったはずではないだろうか。受けたくない、行きたくない。そんなくそみたいな学校に行くのはなんの意味あるの、あるものか!前の学校の学費は何倍になって、受けられる教育も前のより大体同じ、いや、低い可能性もないものではないだろう。ならば、そんな仕方はなんの存在の意味があるものか、」
「じゃ、お前の言ったとおりに、卒業しちゃうの、したらなんの職につきたいなの、お前専科生の身分の意味がやっぱわかっていないらしいよ。こっちなら前ちょうど人手不足のため応募に必要な条件もダウンされていたのに、もしかしてそのホテルで一生のベルボーイをするつもりなの、なかなか頑固すぎるね」
「だから、言っただろう、一時のインターンシップだよ!また、仕事のことなら、なんとかできるから、心配する必要がないって」
「なんとかって、お前やっぱ学歴というものが中国では一体どういうものがわかっていないよね」
「それぐらいわかっているよ」
「わかってるって言ってばかりいる。それなのに、大学進学の試験はそのぐらいの点数を取ったの、屁理屈ばかり、好きにしろ!」
電話の向こうが先に電話を切った。
後ろに振り返ったら、二人がじっと見られている視線を感じた穎毅然が早く携帯をポケットにしまった。
「どうしたの、顔色ちょっと悪そうだよ。もしかして家の事情?」口を開いたのは陳欣明だ。
「いや、別に、とんでもないことだ。いつものことにすぎない。まあ、雑用だから、」眉を顰めた穎毅然がその話題を飛ばすように言いながら話題を終わらせるところへ
「やっぱ午後の件なんだろう、」
袁章はその表情を眇めるだけで淡々と心の奥に隠れたことを明かした。
「ちょっと言うべきことではないけど、友達の立場から言うとやっぱね、お前の能力にはそんな学校に入っても学力にもなんの役に立たないけど、本科の学位が取れたらまた別の話だ」
「へ、お二人は進学するつもりあるの、それはすごくいいことではないんだろうか。聞け、ここでは長くやっていけるのはお前らにも私なんて人にもほぼ不可能なことだって思う。上に登れる機会があったとしても、いや、一番重要なのはちょうど空いた職がある。リーダーたちとなんの血縁がなければ普通の関係ならばただ夢に過ぎないもんだ。能力が特に高いのなら、いや、そんなやつがすでにここを逃げたはずだ。ハハハ、全国のホテルなら知っていないけど、多分まあまあだなあ。とにかく機会あれば逃さずにしっかり掴むほうがいいよ。私なんてね、もうできなくなっちゃったけど、まあ自業自得にすぎないから後悔するというより残念だ」陳欣明は目が少し潤むようになった。
「もう一本どう」
「あ、どうも」陳欣明が一気に半本のタバコを吸い終わったのを見て、袁章がタバコをもう一本渡した。
「陳さんって、もしかして、」
「あ、お前らと同じだった。あまり差のない選択肢だった。私ったら、落第しちゃった」
ホテルならインターンシップで来た学生ならどんな専門だとしても長くやり続けないのはほとんどの人の末だ。仕事の苦しみが耐えきれないことも、給料の数額も、一番見られた原因はやはり若い人達の心ならではの未来を信じる強さ、もっと高い地位やもっと高い給料のような起点から人生の華を輝かせたい高ぶった膨らんだ欲望というものに駆られているというわけだ。30代、40代のような人には自分の家庭ができていた以上は、穏やかな生活を求めるのはもちろんだ。単身のような者と比較して精神の方なら、いわゆる生理的な、圧倒的な勢いがありそうな勝ちに直面したとき、年を取った人達が認めざるを得ない客観的に悲しい一つの事実だが、結局その輪に固く嵌められた弱い後者こそ余命を夢ごと燃やし尽きて、産業の安定性を保っている。
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