随筆
昔も経験したことだが、書かなかった。今度は見聞雑談の一部に納めようと思った。
ただいま無制限残業制度に囚われている工場での肉体労働者がやはり少なくないだろう。少なくないというよりそれは一般な状況かもしれない。会社の貿易のオーダーが多くなるほど、生産される部品の数もどんどん伸びていく。手作業の形よりオートメーションのほうがもっと効率的だが、時下経済不穏な時期に、たとえ大手企業にも貿易対象がいつ変わっても簡単に想像できることだと考えられる。その場合では、購買される部品の種類も変わる可能性も大きい。
一ヶ月の中で一日の休日ももらわなかったということも珍しくないことだ。朝七時、或いは八時から夜九時まで、もし部品の納期がぎりぎりした場合では九時から二時間ぐらいの休憩時間をして、また十一時から仕事を始めされることもある。
同じところに泊まっているお兄さんには小学校に通っている男の子を持っている。退勤して寮で子供との電話はだいたい毎日の日常茶飯事だ。内容もとても簡単だ。スピーカーにされたままだったから、よく聞こえた。
学校の一日とか、家の雑とか、学校のことというと、何か勉強になったかのに対した子供からの返事には毎度どうやら浮かない顔で収まった。もっと頑張って勉強しろ、努力まだ足りない、多分、子供の成績には満足できなさそうだった。また、子供の友達の話を言うと、「そんなくずみたいな人間から離れろ、距離を置いとって」というような言葉になることもある。多分、悪友に纏われているだろう。小学校なら、自分にでも似ている経験をしたことがあるし、思わず今の境地を思われて複雑な気持ちが湧いてきた。
ちなみに、彼は今の俺を見ろ、その姿にならないように、もっともっと頑張って、などの言葉も口癖だ。なんとドラマのようなセリフだろう。私にも今まで父にも似たりよったりした言葉も百回以上聞かせされただろう。
これからどう変わっていくかあまり関心を持っていない。多分いい結果も悪い結果も予想できているだろうか。正直分からない。
彼の影は工場の多くの肉体労働者の過ごし方を映せるか。
ある日、仕事の面倒さに悩んで、嘆いた。彼は私のことには、(私と彼とは別々の部に属している。私には肉体労働の内容がほとんどない。彼も知っている。)やるほど慣れるって伝えてくれた。その反対に、残業されても、仕事の時間は残業の時間と算入されないことを知ったときに会社を罵倒した。私には言えるだけのことはただなかなか大変だなあにすぎない。
この会社に入ったあとのことはどうやら想像できることばかりだ。また書いた小説を読み直して、どうにもそのような内容は現実には離れているが、三年くらい前の見聞から見れば現実のこうたんさが大幅に小説の内容を越えている。今では恐らく階級差のせいにするしかない。
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