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日記:1月7日

昔から違いのわからない男だった

味の違いのわからない男だった
水やコーヒー、ビール、日本酒、豆腐
全て同じ味にしか感じなかった

特に米

周りのみんなが新米は美味しいとかどこどこの米は美味いとか言ってる気持ちが全くわからなかった
何を食べても同じ味だし、全然大差ないと思って育ってきたこないだまで

でも、その違いがわかってきた

先月まで愛知県の豊田市に3ヶ月間、仕事で住んだ時、初っ端に調味料から生活雑貨まである程度を近くのドンキホーテで買い込んだんだけど
その時に米もそこでついでに調達したわけ

米の味なんかわからないからなんでもいいやと1番安い米を買った

炊飯器のコンセントが無くなってた関係でそこから半月ほど米を食べてなかったけど、
ハードオフで同型のコンセントを調達してやっとごはんが食べれる!と喜び勇んで3合炊いたごはんが衝撃的な不味さだった

水気がなくパサパサで香りも米の研ぎ汁みたいな臭いで食べ物というより工業製品食ってるような感じで作ってた生姜焼きの味も半減させるようなものだった

水の加減が少なかったのかなあと翌日、水多めに炊いてみたけど結果は同じだった
匂いもそのまま

炊飯器が悪いのかと週末、滋賀に帰る時米を持って帰って家の高めの炊飯器で炊いても若干パサパサが解消されただけでさほど美味くはならなかった

そこではじめて米の味の違いがわかった

昔のCMで〝違いのわかる男〟ってのがあったけど
あの違いっていうのは〝美味さ〟のわかる人のことだと思っていた

でも自分のなかで〝違いがわかる〟っていうのは
まずは標準的なレベルのモノとそこから明らかにレベルが下がるモノとの〝違いがわかる〟ことだとそのとき感じた

その低レベルなモノを体験してそこから標準的なレベルのモノと比べることでどこを比べたらいいかがわかった〝気がする〟
今回の米で言うと水気とか香りとか食感とか
そのものさし、価値基準を持てた

それまで米なんかは家族の誰かが買ってきてたからどんなのを買ってんのかを知らなかったけど
オカンにしろウチの奥さんにしろそれなりにいいものを買ってきてくれてたんだね
明らかに安くてレベルが低いものを食べずにこれまで来てたんだと気づく


そのレベルの低いものを体験することで標準よりももっとイイ高レベルなものの良さがわかった気がする
ものさしを持てたから

何年か前から落語を生で見たいと思ってるんだけど
いきなり師匠名人クラスの落語はやめておこうと思ってる
いきなり名人の落語を体験しても〝違い〟がわからなかったら勿体ないもんね

大金出していきなりいいもの見るよりまずは標準、またはそれ以下のものを経験してからのほうがいいものに出会った時、その感動は大きいだろうしね

今日は米原でメンチカツを食べた

標準だった

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