『成長実感を感じられない。』 ~介護リーダーがあなたの施設を辞めていく【本当の理由】とは?③~
介護の「定着・採用・育成」をテーマに、
「職員が辞めない、採用に困らない施設づくり」
をお手伝いしています、
アクア社会保険労務士法人(アクア・ブレイン)の後藤と申します。
前回に続き、介護リーダーが職場に抱いているホンネの不満を取り上げ、
解説してみたいと思います。
前回同様、某ユニットリーダーさん(Tさん/女性介護福祉士)からいただいたご意見から抜粋してご紹介しますね。
まず、前回までのおさらいから。
1.前回までのおさらい
まず、これまでに介護リーダーTさんからお聞きした不満は…
1)ケアの仕方に統一感なく、職場で決めたルールも守られない
2)組織の方向性が上層部から伝わってこず、理念もあいまい。
でしたね。
さて、介護リーダークラスの職員が抱える、3つ目の不満は…
2.「教育・研修体制に対する不満」
3つ目の不満は、「教育・研修体制に対する不満」
でした。
お話を伺った際、この不満をTさんは次のように表現していました。
・「教育・研修体制が整っていない…。」
・「職員が不足しており、スキルアップのための研修に行きたくても行けない…。」
・「今以上に成長できない…。」
「外部研修に行けない。」
Tさんはそうおっしゃっていたのですが、私は、それが本質じゃない、と考えます。
そもそも、今、人手不足にコロナ禍の状況では、外部研修になど簡単に参加させられないのが現実ではないでしょうか。
では、Tさんの不満の【本質】は一体なんなのでしょうか?
3.「成長実感を感じられない。」
この【成長実感を感じられない】ということだと、私は考えます。
・思うように成長できていない。
・日々の業務を精一杯こなすだけで毎日が終わってしまい、「『日々成長している』という感覚を持てない…」
という、「焦り」にも似た気持ち。
それこそが、Tさんのような介護リーダーが持つ不満なのではないか、私はそう思います。
4.どうすれば成長実感を感じられるのか?
さて、では、どうすればTさんのような成長意欲の高い職員に「成長実感」を感じてもらえるのでしょうか?
「この職場ですっと働きたい」と感じてもらえるのでしょうか。
確かに外部研修への参加は重要だと思います。
特に外部の方と触れ合う機会は、非常に刺激になりますから。そういう意味では不可欠と言ってもいい。
しかし、「70:20:10の法則」(※)からも分かる通り、「現場の業務」で日々「成長実感」を感じてもらうことが一番だと思います。 人が成長するのは、あくまで現場での仕事を通じて、である。
実際の仕事で様々な課題や問題に直面し、失敗しながら課題をクリアしていく過程で、学び成長するのだ。
現場で揉まれない限り、成長などできないと思います。
5.目標設定と上司によるマネジメントの重要性
Tさんのような成長意欲の高い方に現場で「成長実感」を感じてもらうにはどうすれば良いでしょうか?
それには様々な要素があると思うが、
やはり一番は、上司によるマネジメントだろう。
もちろん上司との信頼関係が前提にはなるが、特に1対1でのミーティング。その行いかたがカギになる。
目標設定の仕方、そしてその達成度合いや進捗のチェック、そして適切な助言…。
しかし、上司にとってもこれは簡単ではない。
「目標設定」って、言うほど簡単ではないですから。
まず、個人レベルでしっかり目標設定をしている人がどの程度いるのか?
ある調査では、3%だという結果がある。
・何を目標とするべきか?
・現状の課題は何か?・そして課題の解決策は?・組織全体の目標との整合性は?
上司のサポート能力が大きな意味を持つ。リーダーを活かすも殺すも、上司(管理職、施設長、事務長)次第。
となると、上司となる管理者クラスへの教育やサポートが最も重要な課題である、ということになる。
6.まとめ
Tさんの不満その3は、成長実感が感じられないこと。
現場で成長実感を感じられるためには、目標設定がカギになる。
結局は、上司のマネジメント能力向上に話は戻ってくる。
次回に続けます。
※「70:20:10の法則」=ロミンガー社、CCLなどの研究により、リーダー育成機関でリーダー教育を受けた幹部たちに、「どのような出来事がリーダーシップの育成に役立ったか?」を聞いたところ、70%が実際の仕事から、20%が上司等からの薫陶、10%が研修や書籍、という結果を得たという。
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