「風が吹くまま」を観て。
原題:Le vent nous emportera
英題:The Wind Will Carry us
邦題:風が吹くまま
監督:アッバス・キアロスタミ(1999)
あらすじ: 首都テヘランから、クルド系の小さな村を訪れたテレビクルーたち。彼らはこの村独自の風習である葬儀の様子を取材しに来たのだが、村を案内する少年ファザードには自分たちの目的を秘密にするよう話す。テレビクルーは危篤状態のファザードの祖母の様子をうかがいながら、数日間の予定で村に滞在する。しかし数週間が過ぎても老婆の死は訪れず、ディレクターはいら立ちを募らせていく。(引用)
感想:生かされてる。
風が吹いてるように、ワタシも気づいたら生きてる。でもそれって、自分で生きてるんじゃなくて、自然、人、動物、周りのさまざまなものによって生かされてるんだなあと実感した。大事なことを見落としていた。
自分ひとりでなんとかしなきゃ、と思い込んでいたワタシ。アホか。何をしてたって自分ひとりで出来てるわけないでしょう。気づいてないとこで絶対誰かの何かしらの助けがあったから今こうして生きてるわけで。自意識過剰だった自分、猛省。
生き埋めになった村人を救うために汗を流す姿。最後、村人たちをカメラに納めた後の笑顔。綺麗だった。
そして、至る所で詩を引用するのも、本当に素敵。詩、いいな。触れてみよう。
車の砂埃しか映らなかったのに、いざ彼の心が変化すると、映る景色が一気に変わる。美しい麦畑。この対比が本当に本当に綺麗で。自然を「綺麗」と思える感情を持ってるのはおそらく人間のみ。それだけでも生きてる価値あるじゃない。
「自然を眺めて命を生かしとる」
文明ばかり発達しても、自然とは切り離せないのが現実で事実。それを蔑ろにしてきたから人間は報復を受けてるのではないか?自然の美しさと脅威を忘れてはいけない。
死と生は表裏一体なのだから、まずは生を考えよう。生きてみよう。自ずと死が見えてきて、それのために生きれるかもしれない。