TadoFes on Dabelというクリエーター達の遊び場
“Tado”に生きようをモットーに、多動な人たちが多動に楽しむオンラインフェスティバルが2020年5月30日、31日の2日間開催されました。
私も相方の森島と一緒に「中間管理職党」というプログラムで参加させていただきましたので、その振り返りとDabelという音声だけのコミュニケーションアプリの面白かったところをまとめます。
※この記事ではDabelの使い方を割愛いたします。「Dabel」で検索、もしくはアプリをインストールしてどこかのプログラムに遊びに行くと魅力を感覚に落とし込めるはずです。ここではなんとなくの雰囲気を感じてもらえれば幸いです。
発案から2週間でフェス開催
TadoFesで驚いたのが、早さです。何をするにも早い。さすがTado。運営の方から話を聞くと、この音声だけのオンラインフェスは5月の半ばに発案されて、そこからおよそ2週間で開催まで持っていったそう。参加者の調整をして、2日間のプログラムを組んで、運営の仲間を集めて、毎朝ミーティングする。それで大きな問題もなく2日間開催して、終わってからちょっとロスになるくらいの楽しさを作り出すという運営の情熱と楽しさが伝わってきます。
大事なのはこのスピード感だと感じました。
面白いと思ったことを立ち止まって考えず、面白いと思ったままの感情を開催まで継続させて、体現する。それがリスナーや参加者にも伝わって、運営の気持ちを共有できる。これは他のイベントやプロジェクトにも応用できそう。もちろん、考え抜いたイベントも面白いですが、勢いそのままに、楽しさが色んなところに伝播する情熱とノリの強さを再確認できました。
TadoFesの雰囲気
さて、実際のフェスはどんな雰囲気だったのかというと、プログラム内の参加者がひとつになるような、リアルの音楽フェスのような一体感もあり、かつ配信者(クリエーター)のワークショップに参加しているような、一緒に作り上げる楽しみも感じられました。それはDabelというアプリがラジオのように多彩なプログラムを配信できて、実際にプログラムに入っていくと、ただ聞くだけではなく、配信者の方の会話に参加しているようなインタラクティブなアプリだからかもしれません。
配信者にテキストで質問できたり、リスナーも話したくなったら、「話したい」と伝えれば、会話に参加することも可能に。※スピーカーになるには配信者の許可が必要です。
面白ければ「8888」とか絵文字とかでリアクションする。他のリスナーのリアクションを見て、私も気持ちが高揚していく感覚を覚えました。インターフェイスはLINEのように見やすく使いなれたものですが、配信者とリスナー、配信全体を包む雰囲気はニコニコ動画に近い印象です。
また配信自体は閉じたコミュニティの開いたコミュニケーションを楽しむというものなのですが、フェスという括りもあり、知らないコミュニティの配信でも気軽に入っていけます。
そして、知らない人のはずなのですが、なぜか知り会い感があるという。リアルで知らないコミュニティに入っていくよりも、ハードルが低い、というのが私の印象。
あ〜、でもほんとにあっという間に終わってしまった。今でも打ち合わせ以外の仕事中はダベルにつなげているほど、楽しかったです。
Dabelは視覚以外の感覚の可能性を探るクリエーター達の実験室
どれも参加すると楽しめたのですが、特に実験的で面白いなと感じたプログラムについて紹介します。音声メインのコミュニケーションなので、視覚はほとんど使わない、画面に流れるテキストを補助的に見る程度です。普段の視覚と聴覚の依存度が逆転するような感覚。そんな感覚を利用するように、「オ風呂(カタカナの「オ」はオンラインの「オ」)」の中から実況される方がおられました。配信者の方はもちろん裸なのですが、動画のライブ配信と違い放送コードにひっかからない。それでいて微かなスリルがあり、なぜかほっと落ち着けるという不思議な配信に。
また、ダベル内で通称「声ラブ」と呼ばれていた配信は、人の本質で恋愛ができそうな可能性を感じました。内容は、一人の男性と複数の女性が配信中に会話をして、その内容で恋に落ちることはあるのか、を確かめる恋愛リアリティショーです。
リスナーは、初めて喋る男女の1対1の会話を聞くという、お見合いを盗み聞きしているような、いや、わかりませんが、お見合いでうまくいって欲しいと願う親のような気持ちで配信を聞いていたはず。
これはマッチングアプリとかと相性いいんじゃないか、と感じたのが、声にはその人の性格、雰囲気が結構のってくると思うんです。アイコンとかステータスという外側の情報に頼らずに、まず中身を知る、感じることができるので、性格の不一致によるパートナー解消率も下がりそうな気もします。実験してないのでわかりませんが。
一見すると、スムーズに話せる人がモテそうな気もしますが、たぶんそんなことはなくて、たどたどしくても信頼できそうな人柄とか、そういうところまで感覚が向いていくように感じます。視覚に頼っていると服装とか、見た目、第一印象でほぼほぼ決まってしまう感じがしますが、声(人柄)から入っていくと見た目の判断が無いので中身に感覚を傾けていくんだと思います。
なんてことを考えていると、普段は視覚に頼りすぎていたんだと気づきました。他の感覚をあまり気にしなくて良いほどに視覚は優秀ですが、視覚をほぼ閉じ、聴覚によるコミュニケーションを体験したことで、聴覚の可能性ってまだまだあるんじゃないかと思うようになりました。
たぶん聴覚だけじゃなくて、嗅覚、味覚、触覚も可能性はまだまだあるんじゃないかと思います。
例えば味覚なら、見た目で敬遠するようなものでも食べると美味しい、とか、なまこ以外にもありそうですし、嗅覚でいえば、犬が匂いでがん細胞を感知するらしいと一部で言われていますが、がんの早期発見にも役立ちそう、などなどです。
最後に
私たちも「中間管理職党」という配信で参加しましたが、配信するのも楽しかったので、週に一度、木曜日の23時にDabelで配信していこうという話になりました。まちづくりに参加するふたりの中間管理職の話ですので、興味のある方は聞きにいらしてください。ほぼほぼたわいのない会話ですが。
また、西陣・上京区のお寺や神社、町家などと連携して開催するアートとクラフトの展覧会「まるごと美術館」も毎週木曜日21:30から配信することになりました。メンバーのほか、ゲストとして作家さんを招きたいと考えています。そちらもよろしくお願いします。