のんびり投資報告


 
  <株式投資に神様はおりません>・・・リラックス版⑤
伝説のファンドマネジャー、株式投資の神様、といった人物が時折話題にのぼります。あたかも神がかったように連戦連勝を繰り返し憧れの存在が現存するような話です。これは基本的にマーケティング用語と私は思っております。
ファンドマネジャーの評価は、投資スタイル、運用資産規模、評価期間等々の要素があり同列比較が非常に難しいのが現実です。以下、日経平均の成績以上を目指すアクティ系の日本株投信を買うのであれば、という前提条件で主観に満ちたファンド評価のポイントを述べます。
わかりやすいのは評価機関です。モーニングスター等々が星をつけております。入り口として目途に使えますが、この種の評価を見る際に重要なことは、そのファンドが常に上位のポジションにあるということです。一般的にこの星はⅠ年ごとにつけられますが、単年度、毎年連続して一番になることは相当難しいことです。好成績を記録することは、それだけギアの入った銘柄を組入れているということであり、毎年それをうまく入れ替える運用をしているとは考えづらいからです。「山高ければ谷深し」の格言通り、今年良ければ来年はそれほどでもないというのが、この世界の一般的な話です。毎年一番という話は非現実的ともいえます。累積結果が上位、あるいは毎年トップグループにいるということが重要なのです。また、運用サイズの大きさも多いに成績に関係します。
現在の東京市場を前提に運用すると、全く主観ですが概ね100億円から500億円程度のサイズがファンドマネジャーの腕を発揮できる適度なサイズのような気がします。アクティブ系のファンドの場合、ベンチマーク(日経平均、或いはTOPIX)をどれだけ上回るかがポイントですが仮に日経平均が8%上昇したとすると、同期間のアクティブ型の投信は、出来ればプラスアルファーの12%から13%程度、あるいはそれ以上の成績は欲しいところです。といっても2倍、3倍は非現実的です。さらにそれ以上に重要なポイントは、市場が下落するときです。仮に翌年、日経平均が5%下落したとします。同期間、当該ファンドが日経平均の5%下落とほぼ同じレベルの下落率であればそのファンドマネジャーは優秀です。仮に前年15%の上昇を実現していたとすれば、その期間は結構ギアの入った銘柄を組み入れていたことになります。その類の銘柄は翌年、仮に市場そのものが調整期に向かうときには、やはり上昇した分の反動がでます。市場平均以上に下がるのが一般的です。いわゆる“山高ければ谷深し”の格言が生きております。こうしたことにより、長期にわたる運用では好調時にはより高く、調整期にはベンチマーク並みの成績を収めることが出来れば、結果として好成績のファンドであると言えるでしょう。その時系列のチェックが非常に大事なことになります。日本の投資信託会社は、運用担当者(ファンドマネジャー)の名前を明らかにしているところが少ないですが、世界的にみれば遅れていると言えます。