のんびり投資報告

 株式投資ペーパー実践史・・・オリックス編

〇投資目的を明確に・・・高利回り期待銘柄+市場平均株価
 6年ほど前の一般投資家からの質問です。銀行の固定金利型商品(定期預金)しか知らない人です。株式投資、興味はあるが上場会社だけで4000社近い、どうして見つけるか、結局、株式投資雑誌、ネットで見る投資顧問業者の記事、新聞、投資経験のある友人からの銘柄等をかい摘んで、自分のフィーリングに会う銘柄を選ぶことになりますか?
その人の投資目的は、マイナスが出なければ良い。固定金利型商品100%依存から少し脱却したい、お小遣い程度の配当が欲しい(株主を実感したい)、それが希望でした。
第一ステップとして、入り口の投資対象としてまず日経225型インデックス投信を推薦しました。しかし、配当を実感したいということで長期保有可能な高配当銘柄を複数表示しましたが結局購入したのはオリックスでした。理由は簡単、ご自身もオリックス社の生命保険に入っていたからです。結局、その判断がまさしく株式投資の”王道”を行くことになりました。遡って検証します。1000株¥1065で購入(¥1065000)5年間保有継続とします。年末の引け値を参考に変化を比較します。
       2018年 2019年  2020年 2021年  2022年 2023年
 日経平均  20014  23656  27444  29452  26180  33464
 年末値変化(%)   +18   +16   +7   -11   +28
 オリックス ¥1605 ¥1611 ¥1584  ¥2347  ¥2126 ¥2656
 年末株価変化(%)   0   -1   +48    -9   25
  配当(一株)    ¥78  ¥78   ¥78   ¥85   ¥85
  受取り実額    ¥62400 ¥62400 ¥62400 ¥68000 ¥68000
             (1000株保有20%税金控除後) 
〇評価実績比較(5年保有) 
―これら商品は購入売却等に関して諸費用等がかかります。これら計算結果はあくまで概算としてご覧ください
 配当による利益をインカムゲイン(IG)、株価上昇により利益をキャピタルゲイン(CG)と言います。両者を合計したものをトータルリターン(TR)と称します。投信はここではキャピタルゲインのみ、直接投資は、インカムゲイン+キャピタルゲイン=トータルリターンで計算ー
インデクス型投信を同額、同時購入  33464÷20014=1.67倍(受益証券)
  CG・①¥2680350(評価額)―¥1605000(購入価格)= ¥1075350
 *なお売却の評価益には20%課税されます¥1075350×0.8=860280
オリックス株¥1000株購入   2656÷1605=1.65倍(株価)
CG・・・①¥2656000(評価額)―¥1605000(購入価格)= ¥1051000 
IG・・・➁¥62400+¥62400+¥62400+¥68000+¥68000=¥323200
    *受け取り配当総額:IG(20%配当課税控除後)
TR・・・¥1051000(評価益)+¥323200(配当実現益)==¥1374200
*なお売却の評価益には20%課税されます¥1015000×0.8=812000(手取 り予定額)
結局、まだ売却しておりませんがトータルでは購入価格とくらべると、投信の1,67倍と比べて直接投資は1.85倍になっており配当(実現)の効果が多かったことになります。
 〇まとめ
・配当による利益が大いに貢献し最終結果はオリックス株への直接投資が優位でした。2019年、2020年は日経平均に比べオリックス株は低迷しました。その後急速に回復、5年後には、ほぼ同じ上昇率になりましたが、初めの2年はオリックスの場合、相当忍耐を必要とした可能性があります。しかし、高配当が継続保有を可能にしたのかもしれません。オリックスは米国流の配当スタンスをとる会社であり、株主尊重の代表的な銘柄でもあります。
・オリックス株の2019、2020年状態、それには理由あります。それが理解出来ていたならば、買い増しをしていたかもしれません。是非それをしたい銘柄です。無論トータルリターン(TR)はさらに大きくなるはずです。
・新NISAでは売却益、配当ともに課税されません。オリックス株、仮にその制度下であったとすれば、その節税効果は1000株、5年継続保有で配当節税と売却益節税の合計額は約270000円になります。
・新NISAでは成長株投資枠年240万円です。現在の株価では900株程度しか買えませんが、2024年から2028年まで毎年240万円、購入可能で5年目には無税枠が取得価格べースで1200万円まで可能となります。無論、他の銘柄の買い付けをすれば合算しての最大枠です。
<おことわり>
本記事は株式投資に関する情報を提供することを目的としておりが具体的な投資アドバイスをするものではありません。
本記事の情報に基ずく投資結果について、筆者は一切の責任を負いません。