残すミニマリズム―捨てるだけじゃない「残し方」の美学
ミニマリズムというと、どうしても「捨てる」ことに目が向けられがちです。しかし、私が実践しているミニマリズムは、ただ物を減らすことではなく、何を残すかに焦点を当てることが重要だと感じています。今回は、私がどのように「残すもの」を選び、どのように生活の質を高めているかを紹介したいと思います。
1. 残す基準:今必要なものを中心に
私は「今必要なもの」を残す基準としています。かつては、今必要であれば後に不要になると分かっていても残していたことがありました。しかし、購入と手放しを繰り返す中で、手放す理由や時期に注意を向けるようになりました。たとえば、1年のうちに数ヶ月しか必要としない物は、いくら価値があっても不要と判断しています。
ただし、生活必需品以外であっても、それが心を穏やかにしてくれるなら無下にしません。私にとっては、元乃木坂46の清宮レイさんの直筆サイン入り生写真がその一例です。何に使えるわけでもないですが、それを見るだけで心が落ち着くのです。心の平穏を保つことが、私の生活の基準です。
2. 残すことで得られる価値
残した物は、日常を必要最低限で過ごすための物であると同時に、心の安らぎを提供する側面もあります。たとえば、洗濯機を手放したことで、私の生活には大きな変化がありました。洗濯機があった頃は、その管理や動作中の音に煩わされ、心が乱されることが多かったです。しかし、手洗いに移行したことで、時間を気にすることなく洗濯できるし、その作業自体が瞑想のような時間になっています。
物を手放すだけではなく、生活を整え、心を豊かにするための選択をすることで、ミニマリズムは私にとって深い満足感をもたらしてくれています。
3. ポジティブな面:残すことで生まれる行動力
物を厳選して残すことで、私の行動力が増しました。心が穏やかだからこそ、次の行動にすっと移ることができるのです。生活がシンプルであることで、選択肢が増え、行動の一歩目を踏み出しやすくなっています。さらに、残した物を見ることで、自分がどんな価値基準で生活しているのかが明確に見えるようになりました。
残すことは、私自身を映し出す鏡のようなものであり、何を大切にしているのかを見つめ直すきっかけにもなります。
4. 捨てるのは簡単、残すことが難しい
物を捨てることは、考えなくてもできることかもしれませんが、残すことには慎重さが求められます。残した物は、私にとって人生の道標となる重要な存在です。だからこそ、捨てる前提で物を生活に取り入れることを避け、残すことを意識した選択をしています。
私にとっては、物を手に入れるまでには長い時間がかかりますが、一度持ち物になったものを手放すのは難しくなります。この考え方は、入るのは簡単だけど出るのは難しい海外の大学のようなもので、慎重に向き合っています。
5. 残すことを大切にするミニマリズムのすすめ
ミニマリズムは、どうしても「捨てること」にフォーカスされがちですが、残すことに意識を向けて取捨選択することが大切だと思います。確かに、捨てたものが人生を形作ることもありますが、残したものこそが人生を本当に形作るのです。私がお勧めするのは、心を荒らすような物ではなく、心が穏やかになる物を残して有意義な人生を送ること。
例えば、身の丈に合わない物や、気を張りすぎる物は、心を荒らす要因になりやすいです。残す物は、あなたの人生に寄り添い、日々の生活に心の安らぎをもたらすものにしましょう。
まとめ
ミニマリズムは単に物を減らすことではなく、何を残すかに焦点を当てることが重要です。残すものは、実用性だけでなく、心の安らぎや生活の豊かさに繋がるものを基準に慎重に選ぶべきです。私が実践しているミニマリズムは、心穏やかに過ごすことを基準にして、不要なものを捨て、必要なものを残すバランスを大切にしています。
残すことで、行動力が高まり、選択肢が広がり、変化に柔軟に対応できるようになります。捨てることは簡単ですが、残すことには深い意味があり、それが人生を形作るのです。最終的に、心が穏やかになる物を残し、豊かで有意義な生活を築くことが、ミニマリズムの真の目的だと感じています。