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夫のお見舞いを阻止する妻の本音
次女が大学1年生になりアルバイトをはじめ 車の運転ができるのを見届けてから家出をしました。本当は次女が成人するまで、あと2年 母親をするべきだったと今でも思うのですが、我慢できませんでした。
職場で知り合った彼と1年半くらい付き合って駆け落ち 家出という展開です。職場で声をかけたのは私の方からです。 父が亡くなって1ヶ月が過ぎた頃でした。
父は肺がん 闘病を半年くらいし73歳で亡くなりました。
父が入退院を繰りかえし、亡くなるまで夫は一度も見舞いには来ませんでした。見舞いの電話も1本もありませんでした。
なぜなら、私が夫に「わざわざお見舞いに来られるとお母さん気を使って疲れるから大丈夫だよ」と夫のお見舞いを私が阻止していたからです。
心配を装った偽りのお見舞いをしてほしくなかったからです。
弱った父親を見て、この夫は心の中で嘲笑うだろう 夫はそういう人。
義母からもお見舞いの打診がありましたが、同じ理由を伝え阻止しました。
夫の実家から私の実家までは車で4時間かかります。
義母はお見舞いに行く事になれば旅行気分でやってくるでしょう。
久しぶりに会える息子と嬉しそうに世間話をしながらやってきて、父の前では神妙な面持ちで心配がってみせるのでしょう。
そんな親子の顔を私は絶対に見たくなかったのです。
私は父が亡くなった事を夫に電話で伝えました。
「今、検査が控えとるんや 今か―」と夫。
仕事のスケジュール上、亡くなったタイミングが悪いという様な事を言われたのですが、正確に何と言われたのかはもう覚えていません。
電話の終わりに「大丈夫か」と夫は付け加えました.「うん 大丈夫」私はいつも通りの口調で答えました。そんな自己防衛のための偽りの言葉は聞きたくありませんでした。
そして式には夫 義弟 義母の三人が参上です。
宿泊には式場の隣のホテルをとっています。
式が終わり、2人の息子と式場をあとにする時の義母の顔が今でも忘れられません。
年老いた義母の頬は上気し喜びを全く隠せていませんでした。
あとで夫から聞いた話では、式後3人居酒屋で食事をしたそうです。
義母も含め3人はお酒が飲める口です。居酒屋が大好きです。親子3人水入らず楽しい時間を過ごしたのでしょう。
私は普段の生活に戻り、いつもの生活を送っていました。
でも、ずっと くさくさした気持ちを引きづっていました。
そんな時に声をかけたのが、現在のパートナーなのです。