![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/95451517/rectangle_large_type_2_d0cdb3c184e4eaaebcba98a7978793c5.jpeg?width=1200)
【1月9日~15日】三宮にて
蟹座の人って、自分が美しいと認定した人とか世界観に触れたときに、
「あー」と言いながら自分の生命力を急速回復させていくようなところがあります。
吸い尽くしてやるわって感覚になる
いいものに触れると、「あー」って、「うわあ、入ってきてるわー」っていう感覚があって、そういう時はもう一瞬たりとも逃さんぞとその世界にのめり込むことに集中する。
昨年はじめてAimerさんのライブに行ったのだけど、第一声から度肝を抜かれた。音源以上に透き通る声だったことに衝撃を受けた。
なにより、一音一音、一語一句、一切妥協せずに細部にまで声を響かせて歌い上げる姿勢に、彼女の矜持みたいなものが感じられて心が震えた。
ライブだと観客にマイク向けたりだとか、その時の温度感によるアレンジだとか、そういう「生もの」感も好きなのだけど。
それとはまた違って、腹の底からすべてを出しきるような真摯なパフォーマンスだった。
ご本人が言っていたように「(喉的に)正気の沙汰じゃないセットリスト」だったにも関わらず、あそこまで聴かせてくれたことに感謝したし、すごい音楽体験させてもらった。存分に吸い尽くした。
私もシナリオでああいう仕事がしたい。
そして今週。
ちはやふる展が神戸にやってきたので行ってきた。
![](https://assets.st-note.com/img/1673505876728-qKA1dJUk51.jpg?width=1200)
こちらも吸い尽くした。生き返った。
サイン会の日には行けないことが決まっていたのが悔やまれるけれど、人が少なそうな時間を狙えたのでよしとして。原画で見るとあらためて熱量がすごい。
ちはやふるは冒頭がクライマックスシーンで、そこへたどり着くまでのお話じゃないですか。第1話どころか、第1話の冒頭4ページで着地点が見えている。「こういう構成で私も書いてみたいなあ」と思うたび、とてもじゃないけど私にはできないという結論に至る。
起承転結の結へ向けて、ただ詰め込めばいいわけじゃない。読み手は「ここがクライマックス」だと知っていて、そこへ向かう物語だと認識して読み進める。冒頭4ページの、そしてその見開きに向けて。そのピークに、予想を上回る熱さで、確実にそこに持って行かなければならない。語弊があるかもしれないけれど、作り手が盛大なネタバレをしている状況で想像を超えていかなければならない。すごい。怖い。書き手としてはすごく怖い。でもだからこそ面白い。こちらもいい読書体験だった。
私は「プロットやだやだ、分業できるのがゲームシナリオのいいところなのに!」とか言って苦手なプロット作業を避けたがるので、そこをどうにかしてからその怖い手法をいつか、というのを考えよう。スキルを磨け。話はそれからだ。
近年その苦手を避けきれないので、日々とても頑張っている。と思う。
そのうち好きになれるといいなと願いながら。
やりたいことを思いっきりやるためには、プロットも頑張れよって机くんも言ってた。(言ってない)
それにしても末次先生が描かれる花が毎度美しくて大好きで、原画のそれも舐めるように見られてうれしかった。
平安時代に想いを馳せようとした結果、雑さが際立った
せっかく三宮に来たので、ちはやふる展のあと生田神社にも立ち寄ろうと思い立った。計画性はない。平安時代にはここで源氏と平氏がドンパチやっていたことを思うと、百人一首の時代にも通じて今日この足で行くにはいい感じではないか。と適当なことを思った。
トップの写真がそのとき引いた水みくじ。
20代の頃に三宮センター街勤務時代があったのでこの近辺は歩き慣れているし、もちろん生田神社にも何度か行っている。でも、水みくじは引いたことがなかった。シナリオ上で生田神社に行った時も流れで水みくじを引かずに終わったのだけど、今後また何かの機会があるかもしれない。このあたりでちゃんと知っておこうではないか。
……と、水みくじを手に奥の『生田の森』へ足を踏み入れた。ここにある池におみくじを浸して文字を浮かび上がらせる、ということだけは知っている。
縁結びっていっても縁は恋愛だけじゃないしなー、生田さんではいつも商売繁盛祈願してるしー、お仕事の縁がほしいなー、なんてことを思いながら、池の前にしゃがみ、水面におみくじを浸した。
すると浮かび上がったのは、どう控えめに見ても恋占いだった。
総合恋愛運まで出してくれている。恋する相手とか、恋そのものに意識が向いていない状態でやるおみくじではなかったらしい。なんてことだ。
現時点で最もときめく相手が山田裕貴だが、地下街に出会いがあると書かれていてもさんちか(三宮の地下街)に彼がいるわけがないし、そもそも芝居をしている画面越しの彼が観たいのであって。とそこまで考えたところで、心の中でドンパチ途中だった源氏と平氏たちに「は?」という顔を一斉に向けられた。そういうことじゃない。わかってる。
結局、さんちかには行かなかったのだけど。久々に大好きな洋食屋さんでランチにしようと思ったら振替のお休みと張り紙が出ていて激しく落胆した。素直にさんちかへ直行すべきだった。でももうその体力も気力もなかった。
そうやって人は出会いを逃すのかもしれない。
そんなわけで、とてもしょっぱいおみくじ取材を終えてすごすごと三宮をあとにした。
いいなと思ったら応援しよう!
![寧花](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/5786149/profile_546d5ce643f987f03a72254a65b919ef.jpg?width=600&crop=1:1,smart)