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【2月20日~26日】いざアンパンマンのマーチ

「3月中にこれとこれをやり遂げたいから、優先順位や、やる順番を考えておく」とか「この企画をもっと盛り上げていきたいから、新しいアイデアとして何を加えるか」、「これをやり遂げられるか。延期するか」など、先のことに関しても決めていくことが多くなります。

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「優先順位や、やる順番を考えておく」……ホントだな!?
自分のスケジュールにアクティブ系中1女子の送迎スケジュールをねじ込んでいくスタイルとあって、わりといつもギリギリで生きているのだけど。実は、先送りに先送りを重ねてしまったイベントがある。
今年こそ、今年こそは! と今までも何度言ったかわからない。

救 命 講 習 !!!!


畳みかけるように「3月は〇〇があるよ!」「4月も〇〇」「5月はなんと△△が!」と中1女子の部活の大会や習い事のイベントの予定がどんどん追加されていき、このままでは今年もまたお流れになってしまう……ということで、勢いで予約を取った。思い立ったのが月曜日。その週末の枠を取った。中1女子を誘ってみたら「行ってみたい!」とのことだったので親子で。
5年遅れでやっと! お待たせしました消防のみなさん! という謎に清々しい気分で予約の電話を切った。

当日は近くの消防本部へ。親子2名という講習に時間を割いてくださった消防職員さん、本当にありがとう。
まずはプロジェクターで救命処置の流れを見て学んだ。30分弱ほど。ほかにも止血や熱中症の処置についても教えていただいた。
その後、見て学んだのと同じように救命処置の実践練習をするといった流れだ。
久しぶりに心肺蘇生法練習人形のアンちゃんと再会した。今回は上半身モデルでいらっしゃった。

こちらは以前、京大博物館で見かけたアンちゃん


シナリオ仕事で胸骨圧迫について調べた時に見つけた知識で、心臓マッサージは1分間に100回行うからマーチ調のうたを心の中で歌うとちょうどいいテンポになる、というのがあった。
ドラえもんのうたとか、もしもし亀よとかいろいろあるなかで、私は断然アンパンマンのマーチ推しだ。

そうだ うれしいんだ 生きるよろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも

アンパンマンのマーチ

胸骨圧迫で肋骨をボキッとやってしまったとして、「生きる喜びとともに胸の傷が痛むだろうけど……でも生きるんやで!」となるところまで歌われている。というのがよい。骨折は気にせず血液循環が最優先。骨はあとでくっつく。生きてこそだ。
そしていざその時になったらアンパンマンのマーチどころではないので、日頃の訓練がモノを言うのだろう。

年配の方は骨がもろくなっていたりするのもあって、胸骨圧迫するとわりとすぐ折れるそうだ。質問したら、元検視官の方がおっしゃるには「9割以上が(胸部の)骨折をしていた」ということだったと回答があった。
そもそも骨が折れようが出血していようが、心臓が動かないことにはどうにもならないので、やっぱり考えるべきは正常な心拍再開のことだけでいい。
「折れた骨が胸骨圧迫によって心臓や肺に刺さったら怖い」という質問には、「そうなる可能性はかなり低い」との回答だった。人体はよくできている。
とにかく救急車が来るまで、「そうだ おそれないで みんなのために」。胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の1セットを、せっせと繰り返すのみだ。AEDがあったらより心強い。

胸骨圧迫は本当に本当にハードで、私は2セットやれればいいほうだと思ってしまった。施すための筋肉が足りない。体力も足りない。傷病者に嘔吐や出血があって人工呼吸ができる状態でなかった場合は、人工呼吸を省略して延々と胸骨圧迫になる。となれば、腕を休める暇もない。もっとキツイかもしれない。どうなんだろう。
体力底なしの中1女子は体幹もすばらしいせいか、彼女の胸骨圧迫には美しさすら感じた。上手だと褒められていた。

実際にそんな場面に出くわしたら、人命がかかった必死さで私ももう少し頑張れるかもしれないけれど、それでも。正確にやろうと思うと2分が限界じゃなかろうか。救急車が来るまで7分~10分と仮定して、とても自分ひとりではその傷病者を守りきれない。
というので、人が倒れて意識がない場面では、発見者はまず周囲に助けを求めるというのが本当に大事なのだなというのが学びだった。胸骨圧迫を誰かと交代できれば、救命処置の質がぐんと上がる。
その要員には中1女子でもなれる。それなら大人はもっとなれるわけだし、知っていることで役に立つことはあっても損することはないわけだから、たくさんの人に受講してほしい。と思った。
もしものことがあった時に習った通りにできるとは思わないけど、知らないままでいるよりはできることがあるはずなので。

というわけで、消防本部から無事に修了証もいただき、今年こそやりたかったことをひとつ終わらせることができたのだった。めでたしめでたし。
「救命処置以外のことでも何でも答えますから、遠慮せず質問をどうぞ」と言われ、「言いましたね?」と取材スイッチが入ったのはお約束であった。

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寧花
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