【お題】ゆたかさが何か、何のゆたかさか、ゆたかさと幸福の相関はあるのか、自分が思うとおりに書いてみるといい。

　社会生活の劇的な変化を迎えると、どういうわけか一部の人間たちは足元の幸福を踏みつぶして暴挙に出る。他人事として全く考えないのも問題だけれども、起きた事実とどう向き合うか、そのあとどう動くか、そういうことくらいは考える時間を大切にしておきたいもの。

　ゆたかさとは、何事にも左右されず、考える余裕と慎重な行動の選択ができるという意味のゆたかさかもしれないと思う。

　人間、どんなに巨万の富を得ようとも、頭がポンコツだと搾取されたり、無駄遣いしまくってあっという間に消し飛ばしたり、簡単に自分の元から消えていく。

　知性としてのゆたかさも、当然含まれているだろうと思う。

　自分以外の誰かを基準にしたり、世間一般の流れを基準にしたりすることで、安心感を得られたり優越感を得られたりすることはあるのかもしれないけれども、結局のところ人生はまず自分。

　自分さえ良ければいいみたいな考え方で他人を蹴落としてまで自分が良い思いをするために生きることは、果たして自分の幸福には繋がらないというのも人間社会の性であろうとも考えられる。

　船が沈没しかけているのに、死の恐怖に晒されている乗務員や乗客を残して船長が真っ先に小舟に乗り移って生き永らえようとしている様を見れば、　「ダッセーなぁ、船長さんよ」って誰もが思うでしょう。

　確かに、船長とはいえ同じ人間。だけども、船の舵きりをリードすべき人が真っ先に逃げちゃったら、誰もが絶句するだろうよ。そんな船長のことを見ていて、ゆたかさのある人だと思う人は一人もいないでしょうなぁ。