【#孤高の書】其の十三:予定は未定
”EXPECTATION”(=期待)、これほど厄介な思惑はない。えー、ここで皆さんに質問でーす。YES or Noでお答えくださーい(・∀・)あはっ♬
そう思う人、そう思わない人、どちらの回答でも間違いではないし、「わからない」と答える人もいるかもしれない。2年ほど前に、ボクは実姉からこんな言葉をぶつけられたことがある。
これを言われた瞬間、何を意図して姉がこう言ったのかをふと考えてみたが、10年以上も会っていないし、直接見てきたわけでもないのにこう言うってことは、ただ単におちょくっているだけか、もしくは、姉という立場故の負けたくないという思いからか、はたまた、ただ傷付けたいが故のものか、それくらいしか浮かばなかった。
よく、人生を「成功や失敗」とか「勝ち組や負け組」などと表現する人たちがいるけれども、それぞれ何を基準にそのように表現しているんだろうか。金か?付き合った異性の数か?もしかしたらバツの数とか?いやいや、わからん。
ボクはそういう観点で人生を測ることがないものだから、素直にこう聞き返してみた。
すると、黙りこくってしまったのよ。意外な反応だったのかもしれないね。腹を立ててブチ切れるとでも思ったのかもしれない。
でもね、親父からおちょくられたり小馬鹿にされた時には怒る。声を荒げて腹を立てている、ように言い返す。なんでだと思う?(・∀・)
相手が自分に対して荒々しい言葉をぶつけてきたり、おちょくってきたりしてきた時には、相手は相手でこちらの反応にある程度の期待をしていて、その期待値より反応具合が上か下か試している。相手を侮辱することで反応を楽しみたい人間ほど、強い言葉を遣ったり、見下すような言葉を遣ったりするよね。
物事を理屈で考え、論理的に語る親父には、親父が期待している通りの反応をすれば満足するんだよ。何に満足するのかって、「相手が期待通りの反応をしたこと」に満足するんだ。そして、父親という立場に付帯する尊厳を保つことができる。
では、なぜ姉には冷静に聞き返したのか。姉は精神を患っている障がい者だから。何かしらそういう衝動に駆られて発した言葉だったのかもしれないけれども、それに対してムキになって言い返しても不毛なやり取りになるから、どうしてそう思うのかを聞き返すほうがいいと判断したわけ。
正直、もう何年も腹の底から怒ったことがない。容姿については小さい頃からバカにされ続けたけど、一度も傷付いたことがない。今になって思えば、アニメ「Dr.STONE」の化石状態から復活した人間の顔がヒビ割れているのと似ていると思えたことで、一層どうでもよくなったのは確か。
生後、口唇口蓋裂症で左側上顎が裂けて生まれてきて、それ以来、成長と共に開く傷の修復手術や、成長の遅い上顎に合わせて下顎を引っ込める手術なんかも受けたり、歯の矯正もおよそ10年ほど続いたりして、普通に産まれてきていたら耐える必要のない苦痛に晒されてきた。
もしこれが、ボクの人生において予定されていたことなら納得できたかもしれないし、何も疑問には思わなかったかもしれないけれども、まさかの現実にブチ当たって、思春期の間は一目が気になった。
でも、大学行く前に最後の手術をして、社会に出て働くようになるとさ、案外普通に人付き合いできて、超敏腕の主治医の先生には今も感謝している。
ただ、仕事そのものについては、時代の流れも大いに影響して基本的に転々族。2社目、3社目、4社目と経験していくうちに、「これはこれでアリだな」って思えるようになってきた。自分の人生がうまくいっているかうまくいっていないかという基準で測る意味がないことにはいつしか自身で気付いていた。
そして、ある時、自分の仕事人生をあのアニメと重ね合わせて考えるようになった。それは、、、
ある時は光回線の販売員!ある時は遊技場の接客スタッフからのマネージャー!ある時は工場の品質管理で市場返却品の調査員!またある時は無形商材の営業マン!といった具合だ。
雇用形態も契約社員2回、派遣社員1回、正社員3回、どんだけ転職しているんだかと、履歴書書く時にはいつも思う(笑)今は無き日雇いのグッドウィルでも働いたことがあったなぁ。アルバイトで言えばミスド、年始の郵便配達員、セブンイレブン。
職務経歴で言えばハチャメチャなんだけど、業態で言うと証券業1社、パチンコ業2社、光回線販売業1社、自動車部品関連製造業1社、建設用鉄筋溶接業1社、電動工具関連製造業1社、ペイメント関連営業1社。
さて、ボクのキャリアは一体何なのだろうwwwヤドカリの如く、いろんな分野に首を突っ込んでは定期的に他の貝へと移り住んでいく。他人と比較さえしなければ、かなり面白い人生を生きているとボクは思っているんだよ(笑)
不景気が続いているために、40代以下の労働人口のうち多くの人たちが非正規で安く買い叩かれている。
これって別に悪いことではないよねって話。確かに先行きは不透明で不確実でいつどうなってもおかしくはない。
安く買い叩かれて1~3年ほどで別のところで働くこのサイクルは、むしろ多種多様な経験を積むことのできるものでもある。行く先々で、いろんな分野で働く人たちと接することのできる、謂わばこれは「旅」であり、いつも「予定は未定」な人生。
ある程度いろんな場所で、いろんな分野で、いろんな職場で、いろんな人たちと、いろんな経験を積み上げることで、新しいことに対する免疫、新しい分野に対する免疫、新しい職場に対する免疫、新しい人たちとの出会いに対する免疫が備わっていくんだ。
ボクが姉に言わんとしていることは、これに尽きる。
思い通りにいく人生なんて誰かが敷いてくれたレールの上を走っているに過ぎない。思い通りにいかないから人生は面白いし、頑張ろうと思えるし、思わぬ喜びにだって遭遇する。もちろん、その反面苦しいこともあるし、痛いこともあるし、悲しいことも時にはある。
人生で、100%苦痛を避けて生きられる場所を「楽園」と呼ぶらしいけれども、この世界が楽園と化し、一切戦争のない平和が訪れたとしたら、きっと人類は早々に滅ぶと思う。
不確実性に満ちた世界だからこそ、危機感が人を守り生かすんだ。ボクはそう思う。これからどんなことに遭遇できるのか、どんな人たちに出会えるのか、そういうドキドキしかない。
今が辛くても、人生を諦める必要なんてない。耐える必要もない。壁の向こうには、今いる世界とは全く別の世界が存在しているんだから。別に逃げたっていいし、失敗してもいいでしょう。
ちゃんと食べて、ちゃんと寝る。それが自分の活力を補給してくれる最善の方法だ。元気出して生きていこう。
期待するのなら、他人にではなく、自分のこの先の未来に、だ。予定はいつも未定なのだ(・∀・)あはっ♬
【次回予告】其の十四:いつもそばに
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