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高難度クエスト!パーティードレスを探せ!!

先日、友人の結婚式&披露宴がありまして。
今どき主流の会費制ウェディングパーティじゃなく、立派な式場の本格的なやつ。
で、困ったのが「なに着て行こう…」ですよ。

二次会にも行くので、着物じゃ動きづらいし、かと言ってドレスなんて持ってないし。
ここんとこ、コンビニ以外開いてない時間帯しか自由がないので、なかなか買いにも行けなくて。
ギリギリ前日になってから、何とか時間をつくって服を買いに行きました。
以下、イイ歳のBBAが迷って迷って服を買ったという、ものっそいどうでもいい話です。

てなわけで、閉店まであと1時間を切った大阪ミナミ某施設に駆け込んだ私。ここなら、どこにどんな店があるか把握できてるので時間を大幅短縮できると踏んでのチョイス。
確かあのへんにパーティードレスの店があったはず…とまっすぐ店に飛び込んで、ズラリ並んだドレスを前に秒で心が折れかけた。

(わー、なんぞこれ…ほぼキャバ嬢のコスプレじゃねーか…こんなの着るんかい…)

しかし、とにかく閉店前に服を買うクエストを達成せねば。
絶望で口から出かかった魂を吸いもどし、ドレス選びを開始。

どれがいいとか、こんなの着たいとか、そんな贅沢を言う余地は皆無、消去法で選ぶしかない。
可愛いピンクや爽やかなブルーは却下、色っぽいパープルも似合わない。
黒も若い人ならオシャレだけど、この歳ではスナックのママか月影先生になってしまう。

てことでネイビーかグリーン系希望の旨を店員さんに話すと、これなんかどうですか~と持ってきたのは濃いグリーンでタフタ地のワンピース。
しっかりしたタフタなら、若いお嬢さんが着るフワフワしたドレスよりキチンと感あるし、いいかもね。
濃グリーンの中に少しラメが入っていて、お祝いの席にふさわしい華やかさもある。

よし、いざ試着っと…
あー。これな。うん、夏によく見るやつな。
縦に短くて丸っこい私の身体を、バリッと張りのある緑のタフタに収めると、めっちゃカナブン。そりゃもう超カナブン。
ほんのり光るラメが、いい感じにカナブン。
背中についた透け感のある黒のリボンが、しまい忘れた羽根にしか思えない。

店員のお姉さんに「んー、ちょっと生地のゴワゴワが気になるかなー」と言って返却。
決して自分がカナブンに見えたなんて、カフカみたいな不条理は口に出せない。今ならちょっとだけ、グレゴール・ザムザの気持ちわかるわ…自分が虫に見えるとかマジつらいわ…。
昔、グリーン系のロングダウンコートを試着した時に娘から「ちょwwはらぺこあおむしwww」と言われたトラウマが疼いて涙目の私に、お姉さんが「こちらはいかがですか?大人の女性向きなデザインですよ」と手渡したのは、濃紺のドレスだった。

確かに大人っぽいなー。つかセレブが着てそう。露出度高ぇ。
まぁせっかくのオススメだし、とりあえず着てみる。

あー…(;´・ω・)
ごめん、店に入った時「キャバ嬢みたい」とか思って。
キャバ嬢はキレイだよ、肌露出したらオッサンが「イヒヒ…」ってニヤつくよ。
なんだろね、おんなじ露出でこうも違うもんかね。
肩からガッツリ出した前足っつーかトン足?
「イヒヒ」どころか「イシシとノシシ」に見えるだよゾロリ先生!

ありの~ままの~姿見せちゃダメ~♪少しも細くないわ!

てことで、試着室のカーテンを開けることもなく「すみません、ちょっとこれも…」と辞退。
その答えを予想してたのか、「こちら、どうですか?お客様、小柄だから可愛いデザインも着てみてください」と、カーテンの隙間から別のドレスを差し入れてきた。やりおるな、店員。

ためらいつつも、恐る恐る前足(沖縄で言うところのテビチ)で受け取る。
少しくすんだローズピンク。可愛い。
デザインも、高い位置で切り替えてフワッとボリュームのある、まさにドレス!て感じのデザイン。
しかしこれも、肩とテビチが出てしまう。
「やっぱり肩と腕が出ちゃうのはちょっと…」と言うと、「これを羽織れば、ぜーんぜん大丈夫ですよー」と白いフェイクファーのボレロが押し込まれてきた。
コンパクトなデザインだから、マタギになるのは回避できそう。ふわふわの殺生丸様ショートバージョンを、ドレスの上に羽織ってみる。

あ、これ可愛い。めっちゃ可愛い。
服がwwwww

ある意味、すごく似合ってる。
まるで、今くるよ師匠を80%縮小コピーしたみたい。
受付でお祝い出しながら「どやさ!」って言うしかない。

「いかがですかー?着てみられましたー?」
「あ、はい…」と言うと「こちら出られて、大きな鏡でご覧くださいー」と、お姉さん。
言葉は丁寧だが、強引かつ有無を言わせない雰囲気。まるで体育会系の先輩の一気コールのよう。断るという選択肢がない。

イッキッキーノーキー!という幻聴に追い立てられて、致し方なく試着室から出る80%くるよ師匠。もう泣きたい。

「あ……すごく、お似合いですよー(棒)」
黙れ小僧!(正確には小娘)
お前にBBAが救えるか!

お姉さんの棒読みで、パーティードレスそのものがムリだと悟った私。結局、他のお店で普通に真面目なワンピースとパールのアクセを買いました。
消えそに燃えそなワインレッド(古)だけど、デザインがシンプル。袖があるからテビチ出なくて安心。

これなら披露宴までいかなくとも、ちょっとしたお呼ばれにも着ていけそう。
なので、自営仲間の友人たちが出版した折には出版記念パーティーにでも着ていこうと思うので、誰か本出そうぜ。

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