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2024年のまとめ

2024年も残り僅か。「紆余曲折」、最も浮き沈みがあった年と言ってもいいほど、1年中いろいろな出来事がありました。
 
まずは宿のデータ。
宿泊人数は、前2023年より延べ12人多いだけと、ほとんど変わりませんでした。22年と比べても延べ19人しか増えていません。3年続けて、ほぼ横ばいです。
想定以上入ってくださったと言えるのは1月と11月。一方で大きく苦戦したのは7~9月、ほかも全体的に「もう少し」でした。2年続けて夏場が不振なのは「旅・旅行」ではなく「行楽」が増えてしまったためだと感じます。特に9月は2年続けて大苦戦でしたが、コロナ後はずっと落ち込んでいて、コロナ前と最も客層や動向が変わってしまった感じです。
 
全体的な傾向は23年と似ており、相変わらず「大学生が旅をしていない/子ども連れがマイカー行楽型ばかりになってしまった」のが厳しいです。2年続けて「子ども連れのご家族」が大幅減。特に、うちの強みだった「母子旅」と「中学生連れのご家族」が減っているのが厳しいです。女性の一人旅に関しては、ゲゲゲの謎の映画の効果と記念館のリニューアルオープンでコロナ前の18~19年に近い人数まで戻りましたが、女性グループは半分程度がやっと。2人組も「車」が多くなっている感じです。
その結果、コロナ前と比較すると稼働日数は18~19年比で95%ほどまで戻っているのに、入り込み組数は60%程度、総人数は40%程度。これは「マイカー行楽型を取らない方針」から一人旅以外が入っていないのもありますが、今年は3連休が多く「繁忙期の売り方が難しかった(慎重になった)」ためでもあります。平日はそれなりに入っているので、3連休以上の落ち込みが大きすぎました。
 
また、今年は1~3月・10月・12月にキャンセルが多発。特に10・12月は連泊の早期予約が複数組キャンセルになってしまい、大打撃でした。8月下旬も台風の影響を受けました。例年はキャンセルが少ない1~3月も不成立が多くなりました。ゴールデンウィークや3連休、お盆などは「仮予約的な人」も増えるので仕方ないですが、全体的に発生件数が多め。今の販売方法だと直前予約には弱いので、いかに「キャンセルを減らせるか」も課題になりそうです。
そして繁忙期などの「プラン間違い予約」も、今年は多く発生しました。21年ごろの「県民割」や22年秋以降の「全国旅行支援」などの悪影響で「最低料金しか見ていない人が増えてしまった」のが、まだ影響していると感じます。さらに、6年11か月なかったノーショーも発生(外国人)。外国人は連絡が取れない時点で「来ない」と思ったほうが良いと、あらためて思います。
 
今年は女性の一人旅こそ多かったものの、子ども連れや女性グループが取れる日に入らなかったのが痛手になりました。女性客と子ども連れのご家族の割合や男女比など「客層のバランス」は22年が理想的でしたので、22年秋以降の全国旅行支援と23年春のコロナの5類移行による客層の変化は、うちにはマイナス面が大きいです。
 
今年大きく変化したのは「年齢層」。前年よりも「大学生」と「50代」が大幅減。大学生は昨年の11.6%から9.1%に、50代も昨年の8.3%から2.8%に減りました。特に大学生は、21年は15.5%、22年は19.0%もありますが、このころのほうが子ども連れのご家族の比率も高いのを加味すると、数字以上に落ち込んだと言えます。なお、50代に関しては予約違反が多く発生したので、宿泊予約サイトでの販売を制限した結果でもあり、今後の売り方が難しいところ。ほかでは「中学生」が半減したのが厳しかったです。小学生以下・20代・60代はほぼ前年と同じくらいでした。
一方で30代は23年の約3倍、40代も約2倍。ゲゲゲの謎の映画と記念館のリニューアルが、この世代に“はまった”感じです。ただ、週末1泊型がやや多く、今後リピーターになりにくいかもしれません。
 
良かった点は、昨年9.2%も入った高校生が、今年も6.9%とまずまずだったこと。リピーターさんも複数いますし、新規ファンになりそうな人も複数。もともと大学生を意識したコンセプトですが、特に「お酒で交流しない」方針が高校生のご利用につながっている感じです。コロナ前までは概ね1%台だったので、21年以降の転換が良い結果になっています。
ちなみに大学生も、以前は3~4年生が主でしたが、今年は1~2年生が多くなりました。20歳以下が泊まりやすい雰囲気は重視しているので、これも成果は出ています。
 
また、今年初めて東西比が「東50.8%:西48.0%」(ほか外国人1.2%)と、東日本の人が上回り、50%を超えました。11月にいったん西が上回りましたが、12月はほとんどの人が東日本からで、再逆転です。
20年までは「東30%:西70%くらい」でしたが、21年秋ごろの客層の変化から「車での行楽型を取らない方針」を固めたので過去3年続けて「東48%前後:西52%前後」と僅差、年々、東日本の人の支持が高くなっています。実際、中部~南関東エリアは交通の便も良いので、リピーターさんも多め。マイカー行楽型は連泊にもリピーターにもなりにくいので、この点は理想の追求が生きています。
都道府県別では、北海道・埼玉・神奈川・新潟・静岡・愛知あたりの伸び率が高く、順位が上がりました。逆に、ここ2~3年で苦戦しているのは和歌山・山口・高知・長崎など。北関東の栃木と群馬、北陸3県や四国4県も、「車社会」が顕著なうえ公共交通機関では山陰旅しにくいので、伸びません。
ただ、大学生が減っているために西日本の割合が下がっているとも言えます。夜行バスの利用者が増えていて、関西圏の学生が「泊まらない」になっている感じ。これが打破できればとは思うと東45%:西55%くらいが理想かもしれません。
 
連泊率は「18.8%」。9月まではずっと15%前後で推移していましたが、10月以降に連泊が多く、一気に上がりました。12月は入込数が少ないながらも、約半数が連泊でした。昨年の25.7%には及びませんが高めの数値(ちなみに8年4か月の通算では14.7%ほど)。とはいえ、10月と12月に複数の連泊キャンセルがなければ20%を超えた可能性もあるので、少し無念です。
 
総数的には微増程度でしたがリピーター率が高くなっていて、ファンベースの在り方は出来上がってきています。今の在り方だと新規開拓は厳しいですが、客層は概ね良くなりました。
交流・共有を主体とする上で自分が大事にしたいのは、やはり「対等な関係性」。雰囲気が良くない日が大幅に減ったことで、リピーターが増えたと自負しています。そのためには「繁忙期に数を追わない」も大事だと3年ほど前に痛感したのもあって、予約ルールなどを変えた成果は出ています。
 
とは言え、2025年は正念場になりそうです。「旅人・旅行者」が戻らないと上積みはないですし、映画や記念館リニューアルの効果は薄れます。6期アニメ放映があった18~19年はともかく、17年くらいの宿泊数まで戻ってほしいところ(17年比では65%くらい)。そのための最大の鍵は、大学生もですが「子ども連れのご家族が、どれだけ公共交通機関で来られるか」。特にうちの強みだった「母子旅」が戻らないと厳しいです。
年始は予約が少ないうえに、早くもキャンセルが複数発生してしまい、厳しいスタートになりそうです。生誕祭も1泊の人ばかり。明るい見通しはありません。
 
今年は、春先に精神的な面で不調に陥り、そのストレスもあってか夏に体調を崩しました。思いのほか重症で、一時は25年3月での閉業を考えました。周辺環境が良くないことや地域の在り方の変化、そして「旅人・旅行者が減っている状況」もあって、モチベーションが保てなくなっているのも正直あります。東北への移住も視野に入れていましたが、これは通院が必要になったことで、いったん白紙に戻します。
 
今、リピーターさんや新規の高校生ら良客に恵まれてはいますが、やはり総合的に「旅人さんが少なくなっている」のが痛手。かといって、もう行楽型に手を広げたいとは思えません。
とりあえず、26年3月までで一区切りと思っていて、その後は“成り行き”で決めます。が、さすがに上積みできないようなら、やめざるを得ません。
いろいろ難しい面がありますが、今願うのは「目的地意識の強い旅人さんが増えてほしい」、それだけです。“想い”を持って旅をされている人には全力で尽くしますので、2026年もよろしくお願いいたします。

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